私の居場所

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028 逢瀬

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部屋に入った。

こういうところ来るの何十年ぶりだろう。
お互いにそう思ったに違いない。

こうちゃんは立ったまま無言で抱き締めてくれた。
「今日は泣かせてないよね。」
「うん。とっても楽しかった。」
「今日はみーたんも懐かしい匂いがする。」
「いっぱい吸おう。お互いに。」

キス。ディープキス。

「すごい。こんなに情熱的なキス、初めて。」
「また初めてを経験しちゃったね、俺たち。」
「さっきは間接キスで騒いでいたのにね。」

「はんっ、はんっ、はあっ、はあっ」
「いいね、気持ち良いね、ここね。」
耳から首からを愛撫するこうちゃん。

「やばい、とろけそうで、燃えそう。」
「ごぶさたなの?」
「もう全然してないよ。かなり。」
「えー!マジかよー!」
「こうちゃんは?」
「オレもだわ。求めても毎回拒否される。」
「えー、普通は逆だよね?」

「みーたん、1番好きな人との付き合い方、これなんだと思った。心の底から愛してる。」
「私もよ。この日が、こんな夢のような時間がまた訪れるとは。。。」

何十年も経っているのに、三つ子の魂百まで。
初めての相手、そしてあれだけ探究した相手。
お互いの性感帯も知り尽くしている。
身体で覚えている。
身体が覚えている。

貪りつくような二人。
求め合う二人。

懐かしい汗の匂い。
懐かしい息づかい。

全てを思い出している。

「こうちゃん、すごい、すごく懐かしい。最高!最高よ!」
「みーたん、最高だね。我慢しないで。」
「しないよ。いくよ、いくよ、いくーっ!」

挿入前に既に何度もいったみーたん。

「こうちゃん、もう若くないから体力が。。。そろそろお願い。」
「うん。入れるよ。あ、おじさんになったから、その分元気ないかもだけど、前よりさらに長持ちかも。」
「もう言わないで。身体で感じたい!」
「じゃあ入れるね。」
「うん、あっ、あっ、、」
「変わらないね。気持ちいい。」

ここからの逢瀬は、言葉にすることが難しい。
誰も、誰にも表現できない、2人だけの、2人だけでかつて探究した世界。

かなりの時間が経過した。

「こうちゃん、もう無理よ、無理。」
「1時間近く入ってるね。」
「うん、久しぶりすぎて痛くなっちゃうかも。」
「そろそろ終わりにしようか。どうする?」
「さすがにもう妊娠はしないでしょう。中にそのまま頂戴。」
「生理は?」
「さすがにまだあるわよ!(笑)でももう妊娠しないでしょう。」
「だめ。この関係を続けたいから、大切にして。」

こうちゃんは一度抜いてゴムを着けて再挿入し、中で果てた。。。

「こうちゃん、一生忘れられないセックスだったわ。ありがとう。」
「2回目の初体験だったね。」

こうして2人は帰路に着いた。
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