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掃除ロボットの身体を触りながら、男の目はぎらぎらと輝いている。男の手が掃除ロボットの穿いているズボンにかかり、無理矢理はぎ取った。胸の前でガードしようとした腕を、頭の上でひとまとめにされる。
「わ、私は暑くありません。いま現在、服を脱ぐ必要性は感じられません。あぁ……んっ」
直接性器を握り込まれて、掃除ロボットは唇を噛んだ。ぶるりと身体が震える。掃除ロボットの心は恐怖で凍り付いているのに、その身体は男の手を喜んでいる。もっと欲しいと願うように、自然に腰が揺れてしまう。
「ははっ。すげえな。これがREX社が誇るセクサロイドか」
男はズボンの前をくつろげると、赤黒く怒張した性器を取り出し、上下にしごいた。むっと鼻をつく臭いに吐き気がこみ上げる。
「お願いします。やっ、嫌です……っ」
頭を左右に振った掃除ロボットの瞳から、涙があふれる。
助けて……!
心の中で叫んだのは、この場にいるはずのない、あの人の姿だった。
「嫌ぁー……っ」
『ちっ。面倒だな』
それまで興味がないようすでそっぽを向いていた黒猫が、男の背に飛び降りた。慌てたように振り返る男の顔に、鋭い爪を立てる。
「うぎゃあー……っ!」
男の叫び声と共に、腕の拘束がゆるんだ。掃除ロボットは男の下から逃げ出すと、床に落ちていた服を掴んだ。もたもたとズボンに足を入れている間にも、男は血だらけの顔を押さえながら、起き上がろうとする。
「くそっ、ふざけんなっ!」
『とろとろしてたら置いていくよ』
頭の中に声が聞こえて、掃除ロボットははっとした。黒猫は掃除ロボットを見て金色の目を細めると、開いた窓の隙間からするりと外へ出ていった。
「待ってください。お願い、置いていかないで」
この機会を逃したら、逃げ出すチャンスはおそらく二度とない。男の制止を振り切ると、掃除ロボットは扉のほうへと走る。
「ふざけんな! いいか、覚えてろよ!」
扉の向こうで、悔しそうな男の怒鳴り声が聞こえた。
「わ、私は暑くありません。いま現在、服を脱ぐ必要性は感じられません。あぁ……んっ」
直接性器を握り込まれて、掃除ロボットは唇を噛んだ。ぶるりと身体が震える。掃除ロボットの心は恐怖で凍り付いているのに、その身体は男の手を喜んでいる。もっと欲しいと願うように、自然に腰が揺れてしまう。
「ははっ。すげえな。これがREX社が誇るセクサロイドか」
男はズボンの前をくつろげると、赤黒く怒張した性器を取り出し、上下にしごいた。むっと鼻をつく臭いに吐き気がこみ上げる。
「お願いします。やっ、嫌です……っ」
頭を左右に振った掃除ロボットの瞳から、涙があふれる。
助けて……!
心の中で叫んだのは、この場にいるはずのない、あの人の姿だった。
「嫌ぁー……っ」
『ちっ。面倒だな』
それまで興味がないようすでそっぽを向いていた黒猫が、男の背に飛び降りた。慌てたように振り返る男の顔に、鋭い爪を立てる。
「うぎゃあー……っ!」
男の叫び声と共に、腕の拘束がゆるんだ。掃除ロボットは男の下から逃げ出すと、床に落ちていた服を掴んだ。もたもたとズボンに足を入れている間にも、男は血だらけの顔を押さえながら、起き上がろうとする。
「くそっ、ふざけんなっ!」
『とろとろしてたら置いていくよ』
頭の中に声が聞こえて、掃除ロボットははっとした。黒猫は掃除ロボットを見て金色の目を細めると、開いた窓の隙間からするりと外へ出ていった。
「待ってください。お願い、置いていかないで」
この機会を逃したら、逃げ出すチャンスはおそらく二度とない。男の制止を振り切ると、掃除ロボットは扉のほうへと走る。
「ふざけんな! いいか、覚えてろよ!」
扉の向こうで、悔しそうな男の怒鳴り声が聞こえた。
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