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1 最期の甘味は羊羹で
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ものは考えよう。
どうせなら楽しく。
これが、豆原あずきのモットーだ。
大抵のことには動じなくなったし、大抵のことには順応できる。
……そう、思っていた。
だが、あずきは己の未熟さと世界の広さを痛感した。
周囲を見渡せば、空も陸もない真っ白な空間。
目の前には幼少期に散々見たテレビ番組のキャラクターの、ぬいぐるみのようなものが立っている。
羊羹男という名のそのキャラクターは、練り羊羹丸ごと一本というインパクトしかない頭部が特徴だ。
抹茶のような渋い緑色の服の胸には大きく「Y」と書いてあるが、羊羹の頭文字なのだろうか。
確かカテゴリとしては正義のヒーローのはずだが、それを主張するように必要以上にはためくマントがうっとうしい。
お腹が空くと頭部の羊羹を分け与えるという衝撃的な方法で助けてくれるはずのそれは、片手を腰にあて、もう片方の拳を空に掲げる決めポーズ取っている。
「……これは、死んだわね」
走馬灯という言葉は聞いたことがあるが、羊羹男が出てくる最期というのもどうなのだろう。
あずきは目をつぶると、たいして長くもない十八年の人生を振り返った。
あずきは親子三人と猫一匹で、ごく普通に暮らしていた。
それが、十三歳の時に両親が事故で揃って他界。
叔父の家に愛猫と共に引き取られたが、その猫も一年前に老衰で死んでしまった。
世の中というものは、どうにもならない。
あずきが十代にして悟ったことだ。
事故の後に一度だけ会話をすることができた母は、「幸せになってね」とあずきに言った。
既に普通の幸せの大半を失っている気もしたが、遺言なので従うべきだろう。
どうにもならないのだから、どうせなら楽しく生きた方がいい。
というよりも、そう思わないとやっていられなかった。
突然の兄夫婦の事故死で姪と猫を引き取った叔父には感謝しているし、それを受け入れた叔母も凄い。
何が凄いって、実の娘と本当に分け隔てなく育ててくれたのだ。
急に従妹から妹になった円香だけはあずきに突っかかってくることもあったが、ものは考えようだ。
両親を独占できなくて寂しいのにそれを言えないツンデレだと考えると、何だか可愛く思えるようになった。
大学の推薦入学も決まり、実の両親の命日にお墓参りをするべく家族四人で車に乗ったところまでは憶えている。
それが何故かこんな何もない真っ白な空間にいて、目の前には羊羹男。
これはつまり――あずきは死んだのだろうという答えに行き着いた。
「何なのこれ、誘拐?」
腰に手を当てて不満そうに漏らす円香の足元には、両親が転がっている。
あずきと円香は目が覚めたが、両親は眠ったままだ。
とはいえ、気持ちよさそうに寝息を立てているので、心配はなさそうである。
もっとも、あずきが死んでいるのなら、ここにいる全員が死んでいる可能性は高いが。
自分は死んでいると思っているあずきとは違い、円香はどうやら誘拐されたと思っているらしい。
目の前に現れた羊羹男をじっと見ていた円香は、大袈裟にため息をついた。
「こんなぬいぐるみを用意する誘拐なんてないか。じゃあ、ドッキリ番組?」
今度は、キョロキョロと周囲を見回し始める。
恐らくカメラを探しているのだろうが、カメラも何も、周囲は真っ白で何も存在しない。
落ち着きのない円香を気にする様子もない羊羹男は、とことことあずきと円香の前まで歩いてきた。
身長……というか、全長はあずきの腰よりも低い。
これはやはり不思議ぬいぐるみ生物で、ここは死後の世界かそれに準じる場所なのだろう。
「――羊羹、食べるか?」
突然話しかけられたことにも驚いたが、長年親しんだキャラクターの声ではないことに更に驚く。
よく考えれば当たり前なのだが、何となく違和感がある。
「いらないわよ。もういいから、終わりにして家に帰してよ。大体、車はどうしたのよ」
ブツブツと不満を述べる円香を一瞥すると、羊羹男はあずきに視線を移す。
じっとこちらを見つめる瞳は、つぶらな黒……なのだが、よく見てみると角度によってはミントグリーンに輝いて見えた。
「……水羊羹、なら」
「ふむ。なるほど」
瞳に気を取られてよくわからない返答をすると、羊羹男はおもむろに腕を組む。
すると、それまで小豆色の練り羊羹だった頭部がプルプルと震え、透き通るような質感に変化した。
ぬいぐるみが透き通るとは何事だと思ったが、よく考えればこれは不思議生物なのだから何でもありなのだろう。
羊羹男は自分の頭部の水羊羹をちぎると、感心しているあずきの目の前にそれを差し出した。
これはきっと、食べろということなのだろう。
水羊羹をリクエストする形になったのだから、これを断るのは失礼な気がする。
それに、死んだのならば最期に甘味を味わっておくのも、いいかもしれない。
あずきは羊羹男から水羊羹の欠片を受け取ると、口に運んだ。
「あ、美味しい」
特に水羊羹が好きというわけではなかったが、プルンとした食感と控えめな甘さがちょうど良くて、思わず口元が綻んだ。
「ちょっと。あずきさん、何で食べるの? お腹を壊したらどうするのよ。信じられない」
円香が呆れたように文句を言っているが、それはつまりあずきのことを心配してくれているということ。
数日前に円香の同級生の男の子に声をかけられて少し話をしたのだが、それを見て何か勘違いしたらしくずっと怒っていたのだ。
この様子では、ようやく怒りが収まったのだろう。
それに何よりも、あずきを心配してくれたことが嬉しい。
未だにあずきのことをお姉ちゃんとは呼んでくれないが、こういうところが円香のツンデレ可愛いところだと思う。
すると羊羹男は、あずきを見て満足そうに笑みを浮かべた。
「――おまえに、豆の祝福を授けた」
どうせなら楽しく。
これが、豆原あずきのモットーだ。
大抵のことには動じなくなったし、大抵のことには順応できる。
……そう、思っていた。
だが、あずきは己の未熟さと世界の広さを痛感した。
周囲を見渡せば、空も陸もない真っ白な空間。
目の前には幼少期に散々見たテレビ番組のキャラクターの、ぬいぐるみのようなものが立っている。
羊羹男という名のそのキャラクターは、練り羊羹丸ごと一本というインパクトしかない頭部が特徴だ。
抹茶のような渋い緑色の服の胸には大きく「Y」と書いてあるが、羊羹の頭文字なのだろうか。
確かカテゴリとしては正義のヒーローのはずだが、それを主張するように必要以上にはためくマントがうっとうしい。
お腹が空くと頭部の羊羹を分け与えるという衝撃的な方法で助けてくれるはずのそれは、片手を腰にあて、もう片方の拳を空に掲げる決めポーズ取っている。
「……これは、死んだわね」
走馬灯という言葉は聞いたことがあるが、羊羹男が出てくる最期というのもどうなのだろう。
あずきは目をつぶると、たいして長くもない十八年の人生を振り返った。
あずきは親子三人と猫一匹で、ごく普通に暮らしていた。
それが、十三歳の時に両親が事故で揃って他界。
叔父の家に愛猫と共に引き取られたが、その猫も一年前に老衰で死んでしまった。
世の中というものは、どうにもならない。
あずきが十代にして悟ったことだ。
事故の後に一度だけ会話をすることができた母は、「幸せになってね」とあずきに言った。
既に普通の幸せの大半を失っている気もしたが、遺言なので従うべきだろう。
どうにもならないのだから、どうせなら楽しく生きた方がいい。
というよりも、そう思わないとやっていられなかった。
突然の兄夫婦の事故死で姪と猫を引き取った叔父には感謝しているし、それを受け入れた叔母も凄い。
何が凄いって、実の娘と本当に分け隔てなく育ててくれたのだ。
急に従妹から妹になった円香だけはあずきに突っかかってくることもあったが、ものは考えようだ。
両親を独占できなくて寂しいのにそれを言えないツンデレだと考えると、何だか可愛く思えるようになった。
大学の推薦入学も決まり、実の両親の命日にお墓参りをするべく家族四人で車に乗ったところまでは憶えている。
それが何故かこんな何もない真っ白な空間にいて、目の前には羊羹男。
これはつまり――あずきは死んだのだろうという答えに行き着いた。
「何なのこれ、誘拐?」
腰に手を当てて不満そうに漏らす円香の足元には、両親が転がっている。
あずきと円香は目が覚めたが、両親は眠ったままだ。
とはいえ、気持ちよさそうに寝息を立てているので、心配はなさそうである。
もっとも、あずきが死んでいるのなら、ここにいる全員が死んでいる可能性は高いが。
自分は死んでいると思っているあずきとは違い、円香はどうやら誘拐されたと思っているらしい。
目の前に現れた羊羹男をじっと見ていた円香は、大袈裟にため息をついた。
「こんなぬいぐるみを用意する誘拐なんてないか。じゃあ、ドッキリ番組?」
今度は、キョロキョロと周囲を見回し始める。
恐らくカメラを探しているのだろうが、カメラも何も、周囲は真っ白で何も存在しない。
落ち着きのない円香を気にする様子もない羊羹男は、とことことあずきと円香の前まで歩いてきた。
身長……というか、全長はあずきの腰よりも低い。
これはやはり不思議ぬいぐるみ生物で、ここは死後の世界かそれに準じる場所なのだろう。
「――羊羹、食べるか?」
突然話しかけられたことにも驚いたが、長年親しんだキャラクターの声ではないことに更に驚く。
よく考えれば当たり前なのだが、何となく違和感がある。
「いらないわよ。もういいから、終わりにして家に帰してよ。大体、車はどうしたのよ」
ブツブツと不満を述べる円香を一瞥すると、羊羹男はあずきに視線を移す。
じっとこちらを見つめる瞳は、つぶらな黒……なのだが、よく見てみると角度によってはミントグリーンに輝いて見えた。
「……水羊羹、なら」
「ふむ。なるほど」
瞳に気を取られてよくわからない返答をすると、羊羹男はおもむろに腕を組む。
すると、それまで小豆色の練り羊羹だった頭部がプルプルと震え、透き通るような質感に変化した。
ぬいぐるみが透き通るとは何事だと思ったが、よく考えればこれは不思議生物なのだから何でもありなのだろう。
羊羹男は自分の頭部の水羊羹をちぎると、感心しているあずきの目の前にそれを差し出した。
これはきっと、食べろということなのだろう。
水羊羹をリクエストする形になったのだから、これを断るのは失礼な気がする。
それに、死んだのならば最期に甘味を味わっておくのも、いいかもしれない。
あずきは羊羹男から水羊羹の欠片を受け取ると、口に運んだ。
「あ、美味しい」
特に水羊羹が好きというわけではなかったが、プルンとした食感と控えめな甘さがちょうど良くて、思わず口元が綻んだ。
「ちょっと。あずきさん、何で食べるの? お腹を壊したらどうするのよ。信じられない」
円香が呆れたように文句を言っているが、それはつまりあずきのことを心配してくれているということ。
数日前に円香の同級生の男の子に声をかけられて少し話をしたのだが、それを見て何か勘違いしたらしくずっと怒っていたのだ。
この様子では、ようやく怒りが収まったのだろう。
それに何よりも、あずきを心配してくれたことが嬉しい。
未だにあずきのことをお姉ちゃんとは呼んでくれないが、こういうところが円香のツンデレ可愛いところだと思う。
すると羊羹男は、あずきを見て満足そうに笑みを浮かべた。
「――おまえに、豆の祝福を授けた」
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