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それでは皆さまご機嫌よう
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「此度は、うちの不肖の息子が失礼した。」
王族専用の団欒室で、両陛下と私の両親とでアフタヌーンティーを楽しんでいたところ、陛下から謝罪のお言葉を賜りました。
「お気になさらずに、陛下」
「シャーロット、お前は優しすぎる。バカ王子からあのような屈辱を受けておいて、謝罪だけで済ますなど」
「お父様、さすがに言い過ぎですわ」
「良いのだ、シャーロット。バカだとは思っておったが、あそこまでバカだとは想定外であった。やはり、庶民の妃からは貴族は産まれて来ないのかのう」
そんなことはないと思いますけれども。
「生まれなど、教育次第でどうとでもなると思いますわ」
「…っ!そ、そうね。私の教育が悪かったのね」
これは失言でしたね。
これではまるで、皇后様の施した教育のせいでバカになったと言わんばかりでした。
「それで、アレの処理はどうなるのだ?」
お父様、流石にアレ呼ばわりは、如何なものかと。しかも処理って。
「シャーロットの気の済むように、如何様にも」
「自分の息子の処分も決められないとは、情けないな、王よ」
「お父様、少し口が悪うございます。
第一王子の処分につきましては、現時点では何とも思うところはございませんし、正直どうでも良いですので、王家から追放し、放逐なされば宜しいかと」
本当に心底どうでも良いのです。
「何を言うシャーロット!おまえの名誉は著しく傷つけられたのだぞ」
「お父様、落ち着いて下さいませ。わたくしがわたくしでいる限り、わたくしの民となる者の行いで傷つけられることはありませんわ」
「なんという慈悲深さと潔さ!」
お父様、わたくしを慈しむ故の言動だとは思うのですが、少し自重して欲しいですわ。
「第一王子は、今この時から王族ではなくなった。故に、国からの一切の身分保証や、資金援助を行わないこととする」
「ピンク色の男爵令嬢様との愛を貫くと仰ってましたので、今後の衣食住の心配は必要ないでしょう」
「シャーロット、これをもって、この度の、時期女王への不敬罪についての処分は終了とすることで良いか」
陛下が、私に問う。
「良いですわ」
わたくしは近い将来、女王になってこの国を治めます。
出来れば思慮深い伴侶を娶って、補佐的な役割を担っていただけるとよろしいのだけれど。
その後、第一王子だった者がどんな人生を送ったのか、わたくしは知りません。
わたくしやこの国に害を及ぼさないのであれば、それで良いと思うのです。
御縁があれば、また再びお会い出来る日もあるでしょう。
それでは皆様ごきげんよう。
おわり
王族専用の団欒室で、両陛下と私の両親とでアフタヌーンティーを楽しんでいたところ、陛下から謝罪のお言葉を賜りました。
「お気になさらずに、陛下」
「シャーロット、お前は優しすぎる。バカ王子からあのような屈辱を受けておいて、謝罪だけで済ますなど」
「お父様、さすがに言い過ぎですわ」
「良いのだ、シャーロット。バカだとは思っておったが、あそこまでバカだとは想定外であった。やはり、庶民の妃からは貴族は産まれて来ないのかのう」
そんなことはないと思いますけれども。
「生まれなど、教育次第でどうとでもなると思いますわ」
「…っ!そ、そうね。私の教育が悪かったのね」
これは失言でしたね。
これではまるで、皇后様の施した教育のせいでバカになったと言わんばかりでした。
「それで、アレの処理はどうなるのだ?」
お父様、流石にアレ呼ばわりは、如何なものかと。しかも処理って。
「シャーロットの気の済むように、如何様にも」
「自分の息子の処分も決められないとは、情けないな、王よ」
「お父様、少し口が悪うございます。
第一王子の処分につきましては、現時点では何とも思うところはございませんし、正直どうでも良いですので、王家から追放し、放逐なされば宜しいかと」
本当に心底どうでも良いのです。
「何を言うシャーロット!おまえの名誉は著しく傷つけられたのだぞ」
「お父様、落ち着いて下さいませ。わたくしがわたくしでいる限り、わたくしの民となる者の行いで傷つけられることはありませんわ」
「なんという慈悲深さと潔さ!」
お父様、わたくしを慈しむ故の言動だとは思うのですが、少し自重して欲しいですわ。
「第一王子は、今この時から王族ではなくなった。故に、国からの一切の身分保証や、資金援助を行わないこととする」
「ピンク色の男爵令嬢様との愛を貫くと仰ってましたので、今後の衣食住の心配は必要ないでしょう」
「シャーロット、これをもって、この度の、時期女王への不敬罪についての処分は終了とすることで良いか」
陛下が、私に問う。
「良いですわ」
わたくしは近い将来、女王になってこの国を治めます。
出来れば思慮深い伴侶を娶って、補佐的な役割を担っていただけるとよろしいのだけれど。
その後、第一王子だった者がどんな人生を送ったのか、わたくしは知りません。
わたくしやこの国に害を及ぼさないのであれば、それで良いと思うのです。
御縁があれば、また再びお会い出来る日もあるでしょう。
それでは皆様ごきげんよう。
おわり
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目出度く男爵家に婿入りか!💒
‘‘真実の愛’’を堪能して下さい。
続きが楽しみです。 🌱🐥💮