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第153話
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「あ、あ、あの、ありがとうございます!」
「ふるみさんから連絡が来るとは思わなかったし、1人だとも思ってなかったよ」
「わ、わ、わたし、皆よりもゲーム出来てなくて……」
そう言ったふるみさんのレベルは18、確かに最初からやっている戦闘職の人だとこのレベルは低い。
かと言って今日入ってきたクランメンバーとパーティーを組むのは、もう少し先になりそうだ。
「は、早く皆に追いつきたいんです!」
「じゃあダンジョンはどう?」
「ダ、ダンジョンは1人だと難しくて」
「それなら普通に倒すしかないかぁ」
俺はそれくらいのレベルの時にどんな方法でレベルを上げたか思い返すが、正直魔獣の存在が大きい。
やっぱり1人で探索するよりも複数人でまとまって動く方が、複数体集まっているモンスターを見つけた時にも挑むことが出来るし、敵が自分より強い個体だった場合でも倒せる可能性が高くなるため、やっぱり人数は正義だ。
「あの、ふるみさんって虫とかイケる人?」
「は、はい。わたしは平気です」
「じゃあ北の街で戦おっか」
「わ、分かりました!」
と言うことで、ふるみさんと北の街へクリスタルで移動する。
「後で冒険者ギルドに行って依頼は受けるとして、まずはモンスターを倒そう」
「は、はい!」
「一旦パーティーは組まないから、危なくなったら逃げてね? 一応こっちでも助けようとはするけど」
「わ、わ、分かりました!」
「じゃあここからは先は、俺達は後ろで見てるよ」
「は、はい! 行ってきます!」
まずはふるみさんがどれくらい動けるかの確認から。
「……うん、結構良さそうだな。配信者の人ってやっぱりある程度動けるんだなぁ」
特別戦闘が上手い訳ではないけど、何かこっちから口を出す方が良さそうなこともない。自信なさげな態度とは裏腹に、ふるみさんはちゃんと戦えている。
スライム系のモンスターこそ苦戦しているけど、基本的に落ち着いて戦えば大丈夫そうだ。
ただ、それもモンスターが数体しか居なければ、という話ではあるが。
「一応ウルとエメラには助けに入る準備してもらおうかな」
「クゥ!」「……!」
しばらくふるみさんには戦ってもらって、途中スライムの数が多くなった時はウルに倒してもらったり、エメラに樹魔法で動きを止めてもらったりした。
「あ、警告みたいなのが出たな」
「わ、わたしにも出ました」
これは他の人が戦っているモンスターの、横取り防止のようなシステムが追加されたのだろう。
俺の方には《他のプレイヤーが戦闘中です》と出てきたし、ふるみさんには攻撃した俺のプレイヤー名が出て、通報するかしないかの選択肢が出てきたらしい。
「たぶん通報したら、俺がふるみさんの近くのモンスターに攻撃しても、ダメージが与えられなくなるとかかな?」
「そ、そうですね。すぐにGMさんが来る可能性もありますけど」
「確かに。毎回出てきて鬱陶しいかもしれないけど、通報しないでね?」
「も、も、も、勿論です!」
まさかクランメンバーでもこういう警告が出るのは驚いた。
というかこれまではこういったシステムが無かったことを考えると、この第2陣に合わせて出すつもりだったのか、ゲームが始まってからこういうものが必要だと思ってシステム化したのか。
どちらにしても俺達プレイヤーが遊びやすいようにしてくれて、ゲーム会社には感謝しかない。
「ウ、ウッドウォーカー亜種!?」
「あぁ、ちょっと強そうだな。ふるみさんあいつに挑戦する?」
「い、いえ、やめておきます」
「そのレベルだとあと何人かパーティーメンバーがいたらふるみさんでも倒せるだろうけど、今回はこっちで倒しちゃうね」
「はい! お願いします!」
もちろん俺達はもうこのレベル帯のモンスターに皆で戦うようなことはしない。
「アウ!」
「じゃあルリ、お願いね」
ウッドウォーカー亜種はウッドウォーカーよりも大きく、少し色が黒い。
「アウ!」
ルリは敵の正面に立ち、手斧でどんどん敵の体力と身体の木を削っていく。
「ぶ、武器による相性もあるんですか?」
「そうみたい。だからルリはウッドウォーカーには強いよ。俺が片手剣で斬りつけるより、ルリの斧だと相手に深い傷を付けられるから」
ま、これだけレベルが離れてるとどんな武器でも変わらないと思うけど。
ルリは俺とふるみさんで雑談してる間に、ウッドウォーカー亜種をそのまま1人で倒し切った。
「あ、一応ラストヒットだけふるみさんにやってもらえば良かったかな?」
「い、いえ、おそらくわたしが倒しても経験値はもらえないと思いますし、アイテムもユーマさんに入ってたと思います」
「まぁ確かに。コネファンがそこら辺の調整をしてないわけないか」
優美なる秩序のミカさんとくるみさんが俺達のクランハウスへ来たことからも、第2陣が来てからは更にパワーレベリングが出来ない環境になったのだろう。
そうでないと攻略組のプレイヤーが、あんな意味のない遊びで時間を使うわけがない。
そこら辺の感覚はテミスさんも持っているし、レベルが離れ過ぎているとレベリングの手伝いがし辛いと思って良さそうだ。
「アウ!」
「ルリありがとう」
ドロップアイテムはウッドウォーカー亜種の枝、俺はたぶん使わないけど一応持っておくことにする。
「よし、感覚的にはあとちょっと倒したらレベルアップしそう?」
「た、たぶん? 18レベルになってから時間は少し経ってるので、レベルアップまで遠くないと思います!」
「じゃあ19レベルになったら冒険者ギルドに帰って、依頼を受けてからまたここに戻ってこようか」
「は、はい! ありがとうございます!」
ふるみさんが言っていた通りこのあとすぐにレベルが上がったため、一度冒険者ギルドへ帰り依頼を受けてもらって、俺達はまた同じ場所に戻ってきた。
「あ、あの、これから何をするんですか?」
「まぁ邪道のレベリングだね」
「わ、わたし、そんなことしていいんですか?」
「大丈夫、大丈夫。誰かに迷惑かけたりしないし」
俺達は森を進んでいき、以前このレベリングをした辺りまでやって来た。
「おぉ、前とは違う場所に同じような巣が出来てるな」
やって来たのはビッグ・ビーの巣がある場所。
「はいこれ」
「え、ユ、ユーマさんの武器とアクセサリーじゃないですか!」
「あ、すぐ返してもらうよ? 状態異常無効と暗闇の照明に、その武器があれば余裕で倒せるはずだから」
ふるみさんに説明しつつ、ウルとエメラには巣の封鎖をお願いする。
「クゥ!」「……!」
「ウルもエメラもありがとう。この後シロの水魔法を巣の中に流し込んで、ビッグ・ビー達には入り口まで集まってもらおっか」
「コン!」
「その後ふるみさんには穴から火の付いた木を入れてもらって、巣の中に煙を充満させて、死にかけてるモンスター達のトドメを刺してもらいます」
「は、はい」
前は500体くらいこれで倒せたけど、今回はどうだろう?
ビッグ・ビー達を倒すのはふるみさんのためだけじゃなくて、幸運の指輪のドロップを狙ってるのもあるから、俺としてもこのレベリングのお手伝いには意味がある。
「よし、じゃあふるみさん、入れてください」
「は、はい!」
前はここから結構な時間待ったが、今回はシロの水魔法で巣の範囲が狭くなっているはずなので、あまり長い時間待たなくても良さそうな気はする。
「無理だと思ったら外へ逃げてきてくださいね」
「わ、分かりました」
「本当に大丈夫です? ちなみに結構虫が平気でも凄い視界になるとは思いますけど」
「わ、わたし田舎出身で、虫には慣れてるので本当に大丈夫です!」
「それならまぁ、いいのかな?」
別に田舎出身でも虫が嫌いな人は嫌いだけどなぁ。それにモンスターだから相手はめちゃくちゃ大きいし。
まぁそれだけ虫には慣れてるってことが言いたいんだろう。
「じゃあ俺達は入り口を開けたら離れておくので、もし倒した時にドロップアイテムがふるみさんの方へ入ってなかったりしたら、その時も戻ってきてくださいね」
「は、はい! では、行ってきます!」
ウルにビッグ・ビーの巣の入口を開けてもらい、俺達は急いでそこから離れる。
「さて、この方法は成功するのかな?」
エメラにモンスターを拘束してもらって、それをパーティーメンバーでもないふるみさんに倒してもらうのは駄目だった。
これは俺にもふるみさんにもドロップアイテムは入ってなかったので、何も無かった事になったんだと思う。
ただ今回は俺達が環境を整えただけで、火を入れてモンスターを弱らせたのはふるみさんだ。
もしこれも何も無かった事になったり、俺達が倒した判定になるなら、もう本当に近くでふるみさんの戦う姿を見てるしか俺達は出来ない。
「頼むぞ」
ふるみさんがビッグ・ビーの巣の中に入ってから少しして、シロのインベントリに少しだけドロップアイテムが入ってきた。
もしかしたら巣の中で溺死した個体がいたのかもしれない。
「……帰ってこないな」
「クゥ」「アウ」「……!」「コン」
もし倒されたら俺にチャットしてとは言ってるので、ビッグ・ビーにやられたわけではないと思う。
そしてふるみさんが巣の中に入ってからかなりの時間が経つと、俺の武器を手に持っているふるみさんが巣の中から出てきた。
「お、出てきた!」
「ユ、ユーマさん!! お、おそらく行ける場所は全部行きました!」
「どうだった?」
「お、大きな毒針もインベントリの中に入ってたので、た、倒せたと思います!」
「おお、良かった良かった」
「す、すぐ返しますね!」
そういうとふるみさんは俺に装備を返してくれる。
「じゃあ倒した結果を聞きたいんですけど、ウル達がお腹空いてるのでここでご飯にしますね」
「は、はい!」
というわけで俺達は倒し切ったビッグ・ビーの巣の近くで、ビッグ・ビーの巣殲滅成功のお祝いのごとく、ゴーさんに作ってもらった料理をここで食べるのだった。
「ふるみさんから連絡が来るとは思わなかったし、1人だとも思ってなかったよ」
「わ、わ、わたし、皆よりもゲーム出来てなくて……」
そう言ったふるみさんのレベルは18、確かに最初からやっている戦闘職の人だとこのレベルは低い。
かと言って今日入ってきたクランメンバーとパーティーを組むのは、もう少し先になりそうだ。
「は、早く皆に追いつきたいんです!」
「じゃあダンジョンはどう?」
「ダ、ダンジョンは1人だと難しくて」
「それなら普通に倒すしかないかぁ」
俺はそれくらいのレベルの時にどんな方法でレベルを上げたか思い返すが、正直魔獣の存在が大きい。
やっぱり1人で探索するよりも複数人でまとまって動く方が、複数体集まっているモンスターを見つけた時にも挑むことが出来るし、敵が自分より強い個体だった場合でも倒せる可能性が高くなるため、やっぱり人数は正義だ。
「あの、ふるみさんって虫とかイケる人?」
「は、はい。わたしは平気です」
「じゃあ北の街で戦おっか」
「わ、分かりました!」
と言うことで、ふるみさんと北の街へクリスタルで移動する。
「後で冒険者ギルドに行って依頼は受けるとして、まずはモンスターを倒そう」
「は、はい!」
「一旦パーティーは組まないから、危なくなったら逃げてね? 一応こっちでも助けようとはするけど」
「わ、わ、分かりました!」
「じゃあここからは先は、俺達は後ろで見てるよ」
「は、はい! 行ってきます!」
まずはふるみさんがどれくらい動けるかの確認から。
「……うん、結構良さそうだな。配信者の人ってやっぱりある程度動けるんだなぁ」
特別戦闘が上手い訳ではないけど、何かこっちから口を出す方が良さそうなこともない。自信なさげな態度とは裏腹に、ふるみさんはちゃんと戦えている。
スライム系のモンスターこそ苦戦しているけど、基本的に落ち着いて戦えば大丈夫そうだ。
ただ、それもモンスターが数体しか居なければ、という話ではあるが。
「一応ウルとエメラには助けに入る準備してもらおうかな」
「クゥ!」「……!」
しばらくふるみさんには戦ってもらって、途中スライムの数が多くなった時はウルに倒してもらったり、エメラに樹魔法で動きを止めてもらったりした。
「あ、警告みたいなのが出たな」
「わ、わたしにも出ました」
これは他の人が戦っているモンスターの、横取り防止のようなシステムが追加されたのだろう。
俺の方には《他のプレイヤーが戦闘中です》と出てきたし、ふるみさんには攻撃した俺のプレイヤー名が出て、通報するかしないかの選択肢が出てきたらしい。
「たぶん通報したら、俺がふるみさんの近くのモンスターに攻撃しても、ダメージが与えられなくなるとかかな?」
「そ、そうですね。すぐにGMさんが来る可能性もありますけど」
「確かに。毎回出てきて鬱陶しいかもしれないけど、通報しないでね?」
「も、も、も、勿論です!」
まさかクランメンバーでもこういう警告が出るのは驚いた。
というかこれまではこういったシステムが無かったことを考えると、この第2陣に合わせて出すつもりだったのか、ゲームが始まってからこういうものが必要だと思ってシステム化したのか。
どちらにしても俺達プレイヤーが遊びやすいようにしてくれて、ゲーム会社には感謝しかない。
「ウ、ウッドウォーカー亜種!?」
「あぁ、ちょっと強そうだな。ふるみさんあいつに挑戦する?」
「い、いえ、やめておきます」
「そのレベルだとあと何人かパーティーメンバーがいたらふるみさんでも倒せるだろうけど、今回はこっちで倒しちゃうね」
「はい! お願いします!」
もちろん俺達はもうこのレベル帯のモンスターに皆で戦うようなことはしない。
「アウ!」
「じゃあルリ、お願いね」
ウッドウォーカー亜種はウッドウォーカーよりも大きく、少し色が黒い。
「アウ!」
ルリは敵の正面に立ち、手斧でどんどん敵の体力と身体の木を削っていく。
「ぶ、武器による相性もあるんですか?」
「そうみたい。だからルリはウッドウォーカーには強いよ。俺が片手剣で斬りつけるより、ルリの斧だと相手に深い傷を付けられるから」
ま、これだけレベルが離れてるとどんな武器でも変わらないと思うけど。
ルリは俺とふるみさんで雑談してる間に、ウッドウォーカー亜種をそのまま1人で倒し切った。
「あ、一応ラストヒットだけふるみさんにやってもらえば良かったかな?」
「い、いえ、おそらくわたしが倒しても経験値はもらえないと思いますし、アイテムもユーマさんに入ってたと思います」
「まぁ確かに。コネファンがそこら辺の調整をしてないわけないか」
優美なる秩序のミカさんとくるみさんが俺達のクランハウスへ来たことからも、第2陣が来てからは更にパワーレベリングが出来ない環境になったのだろう。
そうでないと攻略組のプレイヤーが、あんな意味のない遊びで時間を使うわけがない。
そこら辺の感覚はテミスさんも持っているし、レベルが離れ過ぎているとレベリングの手伝いがし辛いと思って良さそうだ。
「アウ!」
「ルリありがとう」
ドロップアイテムはウッドウォーカー亜種の枝、俺はたぶん使わないけど一応持っておくことにする。
「よし、感覚的にはあとちょっと倒したらレベルアップしそう?」
「た、たぶん? 18レベルになってから時間は少し経ってるので、レベルアップまで遠くないと思います!」
「じゃあ19レベルになったら冒険者ギルドに帰って、依頼を受けてからまたここに戻ってこようか」
「は、はい! ありがとうございます!」
ふるみさんが言っていた通りこのあとすぐにレベルが上がったため、一度冒険者ギルドへ帰り依頼を受けてもらって、俺達はまた同じ場所に戻ってきた。
「あ、あの、これから何をするんですか?」
「まぁ邪道のレベリングだね」
「わ、わたし、そんなことしていいんですか?」
「大丈夫、大丈夫。誰かに迷惑かけたりしないし」
俺達は森を進んでいき、以前このレベリングをした辺りまでやって来た。
「おぉ、前とは違う場所に同じような巣が出来てるな」
やって来たのはビッグ・ビーの巣がある場所。
「はいこれ」
「え、ユ、ユーマさんの武器とアクセサリーじゃないですか!」
「あ、すぐ返してもらうよ? 状態異常無効と暗闇の照明に、その武器があれば余裕で倒せるはずだから」
ふるみさんに説明しつつ、ウルとエメラには巣の封鎖をお願いする。
「クゥ!」「……!」
「ウルもエメラもありがとう。この後シロの水魔法を巣の中に流し込んで、ビッグ・ビー達には入り口まで集まってもらおっか」
「コン!」
「その後ふるみさんには穴から火の付いた木を入れてもらって、巣の中に煙を充満させて、死にかけてるモンスター達のトドメを刺してもらいます」
「は、はい」
前は500体くらいこれで倒せたけど、今回はどうだろう?
ビッグ・ビー達を倒すのはふるみさんのためだけじゃなくて、幸運の指輪のドロップを狙ってるのもあるから、俺としてもこのレベリングのお手伝いには意味がある。
「よし、じゃあふるみさん、入れてください」
「は、はい!」
前はここから結構な時間待ったが、今回はシロの水魔法で巣の範囲が狭くなっているはずなので、あまり長い時間待たなくても良さそうな気はする。
「無理だと思ったら外へ逃げてきてくださいね」
「わ、分かりました」
「本当に大丈夫です? ちなみに結構虫が平気でも凄い視界になるとは思いますけど」
「わ、わたし田舎出身で、虫には慣れてるので本当に大丈夫です!」
「それならまぁ、いいのかな?」
別に田舎出身でも虫が嫌いな人は嫌いだけどなぁ。それにモンスターだから相手はめちゃくちゃ大きいし。
まぁそれだけ虫には慣れてるってことが言いたいんだろう。
「じゃあ俺達は入り口を開けたら離れておくので、もし倒した時にドロップアイテムがふるみさんの方へ入ってなかったりしたら、その時も戻ってきてくださいね」
「は、はい! では、行ってきます!」
ウルにビッグ・ビーの巣の入口を開けてもらい、俺達は急いでそこから離れる。
「さて、この方法は成功するのかな?」
エメラにモンスターを拘束してもらって、それをパーティーメンバーでもないふるみさんに倒してもらうのは駄目だった。
これは俺にもふるみさんにもドロップアイテムは入ってなかったので、何も無かった事になったんだと思う。
ただ今回は俺達が環境を整えただけで、火を入れてモンスターを弱らせたのはふるみさんだ。
もしこれも何も無かった事になったり、俺達が倒した判定になるなら、もう本当に近くでふるみさんの戦う姿を見てるしか俺達は出来ない。
「頼むぞ」
ふるみさんがビッグ・ビーの巣の中に入ってから少しして、シロのインベントリに少しだけドロップアイテムが入ってきた。
もしかしたら巣の中で溺死した個体がいたのかもしれない。
「……帰ってこないな」
「クゥ」「アウ」「……!」「コン」
もし倒されたら俺にチャットしてとは言ってるので、ビッグ・ビーにやられたわけではないと思う。
そしてふるみさんが巣の中に入ってからかなりの時間が経つと、俺の武器を手に持っているふるみさんが巣の中から出てきた。
「お、出てきた!」
「ユ、ユーマさん!! お、おそらく行ける場所は全部行きました!」
「どうだった?」
「お、大きな毒針もインベントリの中に入ってたので、た、倒せたと思います!」
「おお、良かった良かった」
「す、すぐ返しますね!」
そういうとふるみさんは俺に装備を返してくれる。
「じゃあ倒した結果を聞きたいんですけど、ウル達がお腹空いてるのでここでご飯にしますね」
「は、はい!」
というわけで俺達は倒し切ったビッグ・ビーの巣の近くで、ビッグ・ビーの巣殲滅成功のお祝いのごとく、ゴーさんに作ってもらった料理をここで食べるのだった。
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