最前線攻略に疲れた俺は、新作VRMMOを最弱職業で楽しむことにした

水の入ったペットボトル

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第32話

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「じゃあ、申し訳ないですけどあとはお願いします」
「ええ、楽しんできてください」

 セバスさんに一言声をかけてから、ライドホース達のことは任せて西の街へと移動する。

「夜も賑わってたけど、昼も人でいっぱいだな」

 今日はカジノのイベント日なのでそれもあるかもしれないが、プレイヤーが多く感じる。

「お前どうだった?」
「一瞬でチップ失くなった」
「俺もだ」
「「はぁ」」

 もう既にカジノで夢破れた人たちともすれ違いながら、あの日稼ぎに稼いだカジノへと足を踏み入れる。

「いらっしゃいませ」

 そこら中に人、人、人。
 この前来た時とは大違いの人の数で少し酔ってしまいそうになりながら、チップ交換所へと向かう。
 
「預けていたチップをもらいたいのと、イベントについて聞いてもいいですか?」
「ユーマ様ですね、少々お待ち下さい」

 そしてチップと共に渡されたのは1枚のチラシ

「こちらに交換できる景品が書いてあります。分からないことがあればお近くのスタッフにお聞きください」

1等 5000万枚 西の街カジノ通り:家の権利書
2等 3000万枚 全ステータス上昇ポーション(永
久)
3等 2500万枚 西の街カジノ裏通り:工房(鍛冶・錬金用)1部屋の権利書
3等 2500万枚 西の街カジノ通り:店舗(小)の権利書
4等 2000万枚 中級魔法習得本
4等 2000万枚 ゴールド換金チケット(10時間以内)
5等 1500万枚 魔法の羽根ペン・魔法のメモ帳
5等 1500万枚 魔法の包丁・魔法の万能農具
5等 1500万枚 魔法の金鎚・魔法のツルハシ
5等 1500万枚 魔法の錬金釜・魔法の手袋
6等 1000万枚 鍛冶職人カヌスの全身オーダーメイド(素材持ち込み)
6等 1000万枚 魔術師モルガの魔法指南1日券
6等 1000万枚 神聖な置物
7等 500万枚   第一回オークション特別席
7等 500万枚   カリスマ美容師おまかせ券
8等 100万枚   力のブレスレット
8等 100万枚   知力のブレスレット
8等 100万枚   速さのブレスレット
9等 50万枚  万能空き瓶
9等 50万枚  テイム用骨付き肉
9等 50万枚  帰還の魔石
10等  10万枚  不思議な種
10等  10万枚  不思議な苗
10等  10万枚  ポーション詰め合わせ
10等  10万枚  カジノトランプ

「すぐ交換したいです!」

 在庫がいくつあるのか分からないが、他の人に取られる前に欲しいものを言う。

 最初からチップを持ってるのはずるい気がして申し訳ない? そんなのは景品を見て吹っ飛んだよ。

「全ステータス上昇ポーション、中級魔法習得本、魔法の包丁・魔法の農具、鍛冶職人カヌスの全身オーダーメイド(素材持ち込み)、テイム用骨付き肉5、不思議な種20、不思議な苗5、計8000万チップになります」

 全ステータス上昇ポーションがいくつも貰えるなら欲しかったが、9等と10等以外1つだけしか貰えなかった。

「ありがとうございました」

 とりあえず欲しいと思ったものが全て交換できてよかった。
 3等の店舗(小)の権利書が既に交換不可と言われた時は焦ったが、のんびりしていて夕方に来るようなことがなくて良かった。

「残り1000万チップか」

 4000万チップ手元にあるが、3000万チップは換金して家の借金返済用なので、実質1000万をどうするかである。

「せっかくカジノイベントを楽しみに来たのに、景品交換だけして帰るのもな」
「クゥ!」「アウ!」

 ということで残りのチップをカジノで使うことにした。



「申し訳ありません。こちらのミスでございます」

 カジノで5時間ほど遊び尽くし、現在俺達はチップを換金しようと換金所まで来たのだが、チップ10枚につき1G、つまり残していた3000万チップも300万Gになると言われてしまったのだ。

「うーん、どうしようかな」
「確認していますので、もう少々お待ちください」

 2日前に来た時は、確かに1チップ1Gで換金してくれたのだが、この2日の間で変わってしまったのか。

「おまたせしました。お久しぶりでございます、先日ユーマ様に声をかけさせていただいた者でございます。今回は1億2000万チップの内、8000万チップは景品交換に使われたため、4000万チップに関しては4000万Gと交換して良いと判断されました。なので、こちらをどうぞお受け取りください」

 そう言って4000万Gを渡してくれようとするのだが

「いや、それなら3000万Gだけで大丈夫です。残りの1000万チップは今日遊ぶために手を付けましたし、必要な分は3000万Gだけなので」

 あの時換金をこのスタッフの人に止められはしたが、換金しないと決断したのは俺だし、本来なら3000万チップも10分の1で換金されておかしくなかったのだ。
 必要分が換金できたのなら、それ以上を求めるのは良くないだろう。他のプレイヤー達にも申し訳ないし。

「ありがとうございます。ユーマ様があの日チップをこちらに預けられてから緊急会議が行われました。というのも、プレイヤー様があれだけ多くのチップを換金なされると色々な問題が生じるとなりまして、プレイヤー様が換金なされる場合は10分の1でというようになりました」

 確かにいろんな場所に行くプレイヤーに大金を持ってかれて、他の場所で使われると都合が悪いんだろう。
 あとは俺が稼ぎすぎたせいで、他のプレイヤーにも同じようなことをされたらヤバいと思ったんだろうな。
 結局この数時間で1等を獲得してるプレイヤーもいるわけだし、その決断は間違いではなかったんだろう。

「じゃあ3000万Gは貰うとして、せっかくだし景品も交換できる分は全部もらおうかな。工房(鍛冶・錬金用)1部屋の権利書、魔法の羽根ペン・魔法のメモ帳、魔法の金鎚・魔法のツルハシ、魔法の錬金釜・魔法の手袋、神聖な置物、第一回オークション特別席、力のブレスレット、知力のブレスレット、速さのブレスレット、万能空き瓶10、テイム用骨付き肉5、不思議な苗15、あと、カジノトランプは2つでお願いします。残りのチップは全て換金で」
「か、かしこまりました。(ゴールドチケットを交換されなくて良かったですね)」
「準備致しますので、少々お待ち下さい。(そうですね。名も分からぬプレイヤー様達よ、ユーマ様が来る前に全て交換してくれてありがとう。)」

 何やらひそひそ話をしているが、たぶん俺には関係ないだろう。
 
 チップを換金するなら一度に全部しないといけないというのが、ここにきて痛いな。
 これからカジノで遊ぶ場合毎回お金がかかるし、10倍でやっとトントンって考えるとイベント以外ではもう来ないかも。

 あと、この5時間ほどの成果としては、前よりも凄かった。
 俺も幸運の指輪のおかげか、前のウル達と同じくらい勝つことができた。なぜかウルとルリはそれ以上に勝ってたけど。

 そして合計2億チップは稼いだが、10分の1だと3000万Gには届かなかったので、カジノの人には感謝だ。
 このままカジノで一生困らなくなるくらい稼いでやろうと思ったのが良くなかったな。何事も謙虚さを忘れずに行こう。

「おまたせしました。景品分の9720万チップを抜いて、1億と280万チップの交換となりますので、1028万Gとなります」
「ありがとうございます」

 これで俺も一気に大金持ちだな

「もう退店なされますか?」
「はい」
「ではこれをどうぞ。本日はカジノイベントをお楽しみいただきありがとうございました」

 そう言って渡されたのはカジノボックスという中身がランダムの箱だった。

「とりあえず家に帰って、整理からだな」
「クゥ」「アウ」


 
「ふう~、疲れたな」

 カジノを出てクリスタルまで歩いている最中に、俺達がカジノで稼いでいたのを見ていたのか、1人のプレイヤーに絡まれたのだが、周りの人が守ってくれて助かった。
 今後はこういうことに巻き込まれないように気をつけよう。
 ウルとルリが目立つからどう気をつければいいのかは思い付かないけど。

「さてと、セバスさんは流石にもう帰ったかな?」
「いえ、おりますよ」
「うぉっ、すみません気付きませんでした」

 後ろから声をかけられビックリして見てみると、セバスさんと白髪の人が立っていた。

「今はライドホースも安定していますので、厩舎の中に入っても大丈夫ですよ。ただ、あまり刺激しないようにしてくださいね」
「分かりました。何から何までありがとうございます」
「では失礼します」

 そう言ってセバスさん達はフカさんの家へと帰っていった

「じゃあ様子を見に行く前に、全ステータス上昇ポーションを飲んで、道具も設置しとくか」

 水瓶と間違えそうな、透明な色のポーションを飲む。

「クゥ!」「アウ!」
「うん。大丈夫大丈夫」

 少し身体が光ったが、それだけだった。何も前との変化は感じないが、たぶんステータスは上がってるんだろう。

「で、錬金部屋に魔法の錬金釜を設置して、元々あった錬金釜は端のほうに置いておこう。魔法の手袋は持っておくとして、万能空き瓶も5つくらい置いとくか。次は魔法の金鎚だけど、持っておくものでもないし鍛冶部屋に置いとこ。最後に、リビングに神聖な置物とカジノトランプを1つ置いたら終わりかな」

 ほぼ使っていない物がアップデートされたような感じだけど、家のものが良くなるのは気分がいいね。

「あとは外に種とか苗を植えたかったんだけど、明日にするか」

 セバスさんと話していた時は、かろうじて姿が見えたのだが、今は真っ暗で何も見えない。

「結局朝ご飯はフカさんの家で食べさせてもらったけど、今度こそ晩御飯は北の街でお店を探そうか」
「クゥ!」「アウ!」

 俺は2人に急かされながら、暗い道を生活魔法の明かりで灯して進むのだった。


 
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