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第五章 人神異界最終決戦
十九話 人神異界最終決戦 其の拾玖
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邪竜ファルニール、それはジークフリートが撃ち倒した当時、最強と呼ばれた存在。ジークフリートは邪竜の血を浴びた結果、不死身の肉体を手に入れており、その力を持って帰還者と戦った。
そして、今、その邪竜の力を帰還者は手に入れていた。
地面に叩きつけられたナナシは自身との間に作り出した固定した空気の壁と風の魔術をクッションにし、衝撃を抑えるも彼女に向かい、バサラとロキ、そして、身を潜めていた吟千代がタイミングを見計らい、攻撃を放つ。
「雷剣!」
「裂け、涅槃静寂!」
「馘無侍流、 死返玉」
バサラとロキは啀み合いながらも同時に振るう剣は初めてではない様な一体感を見せ、ナナシを挟む様にぶつかり合うと彼女が彼らを遠ざけようとした瞬間に吟千代の剣がそれを邪魔をした。
大きく開けた体に目掛け、ジータは全力で嵐刀の刃を彼女にぶつける様に突きつけるとそれは勢いよく襲いかかった。
空気の壁を千切り、ナナシを再び空に押し上げると彼女に目掛けて帰還者が刃を突き立てる。四人は言葉を交わさずとも完璧な連携でナナシを追い詰めようとするもそれでいてもまだ、彼女は笑っていた。
「白の終焉機構、黒の殺戮機構、起動」
それは明らかに早く訪れた、死の予感。
何故、起動出来たのか?
それは至って簡単な理由で、シンプル。
ナナシ自身も自分という存在の潜在能力をこの戦いの中で引き出し始めていた。
予想を遥かに超えた両機構の起動詠唱はその場にいた五人を驚愕させる。ナナシはその場にいた五人を見据え、その力を振るうために声を上げた。
「平和主義者×開闢魔術×天地魔術×魂の防御機構」
権能の全力解放を救世真愛と救世親愛に纏わせ、解き放つ。
ナナシは自身の成長に喜びながら全てをのせた一撃に名をつけた。
「救世残光」
それは光と共に振り下ろされ、輝きながら包み込んだと同時にバサラ達を巻き込み、一瞬にして彼らの体を切り付ける。威力の代わりにその斬撃の数は計り知れず、幾ら肉体に魂を纏い防ごうとしても一方的に切り後をつけられた。
だが、そんな中を帰還者とバサラ、彼らだけは進んでおり、傷だらけになりながらも防御壁へと刃を叩き込んだ。
帰還者は邪竜に飲まれることなく、その力を御しており、防御壁にぶつけていた無量辺処に力を込めると彼はつぶやく。
「無量辺処・邪竜滅殺」
黒き炎と紫電が駆け巡る破壊の一撃はナナシの防御壁にゼロ距離でぶつかると巨大な爆発音と共に彼女の視界を遮った。
防御壁は砕けず、無傷であり、その事を帰還者は知っていたかの様に再び剣を振り下ろす。
「無量辺処・邪竜滅殺」
ナナシは二度の黒き破壊の柱に巻き込まれるもそれをものともせずにその背後にいたジータ達をなんとしても落とそうとしていた。
「無量辺処・邪竜滅殺!」
三度目、黒き光に照らされて、防御壁に初めて亀裂が入る。ナナシですら破壊することができないと組んだはずの魂の防御機構、それに亀裂が入ったその時、カツラギ・バサラ、帰還者同様に斬撃を通り抜けた、彼の剣が刻まれた亀裂に全身の力を込めた一撃が打つけられた。
バキリと鈍い音と共に防壁が破壊され、片腕ながらもバサラの両目はナナシの魂とアイリスの肉体を分けながら捉えている。
絶対たる防御を破壊され、目の前に現れた神を撃ち落とせし人間にナナシは捉えられており、彼女は絶体絶命の状況に陥った。
「世界を絵に、魂を捉え」
ナナシはバサラが再び涅槃静寂振るう直前に呟くと彼だけが今、彼女が何をしようとしているか理解する。剣を振ることをやめ、一瞬にして自身の肉体に魂を纏わせるとナナシは片腕を前にした。
「世界を絶て、救世真愛、救世親愛」
かつて神を殺せし剣、それが今、その主人に降り注ぐ。肉体による防御、それを意味を成さず、救世の剣が放つ斬撃は周りの四人にも放たれており、彼らを容赦無く切り付けた。
バサラの放つ世界を断つ斬撃とは違い、多対象を想定して放つナナシが生み出せし、世界を絶つ斬撃。速度と範囲を条件にその場の五人にそれを放つと帰還者の左腕が切り裂かれ、ジータ、吟千代の二人動けぬほどの重傷を負った。
唯一、立っていたバサラは自身の傷があまり深くないことに気付くと同時に彼女が自分ではない、他の物、自身の闘争心を折ることに徹したことを理解する。
「涅槃、静寂」
漆黒の両刃が上下に真っ二つにされており、ナナシはそれを見て、ニヤニヤと笑いながら左手で救世真愛を握りしめるとバサラの首元に刃を添える。
何も言わずにナナシはそれを振るとカツラギ・バサラ、彼の首が宙を舞った。
そして、今、その邪竜の力を帰還者は手に入れていた。
地面に叩きつけられたナナシは自身との間に作り出した固定した空気の壁と風の魔術をクッションにし、衝撃を抑えるも彼女に向かい、バサラとロキ、そして、身を潜めていた吟千代がタイミングを見計らい、攻撃を放つ。
「雷剣!」
「裂け、涅槃静寂!」
「馘無侍流、 死返玉」
バサラとロキは啀み合いながらも同時に振るう剣は初めてではない様な一体感を見せ、ナナシを挟む様にぶつかり合うと彼女が彼らを遠ざけようとした瞬間に吟千代の剣がそれを邪魔をした。
大きく開けた体に目掛け、ジータは全力で嵐刀の刃を彼女にぶつける様に突きつけるとそれは勢いよく襲いかかった。
空気の壁を千切り、ナナシを再び空に押し上げると彼女に目掛けて帰還者が刃を突き立てる。四人は言葉を交わさずとも完璧な連携でナナシを追い詰めようとするもそれでいてもまだ、彼女は笑っていた。
「白の終焉機構、黒の殺戮機構、起動」
それは明らかに早く訪れた、死の予感。
何故、起動出来たのか?
それは至って簡単な理由で、シンプル。
ナナシ自身も自分という存在の潜在能力をこの戦いの中で引き出し始めていた。
予想を遥かに超えた両機構の起動詠唱はその場にいた五人を驚愕させる。ナナシはその場にいた五人を見据え、その力を振るうために声を上げた。
「平和主義者×開闢魔術×天地魔術×魂の防御機構」
権能の全力解放を救世真愛と救世親愛に纏わせ、解き放つ。
ナナシは自身の成長に喜びながら全てをのせた一撃に名をつけた。
「救世残光」
それは光と共に振り下ろされ、輝きながら包み込んだと同時にバサラ達を巻き込み、一瞬にして彼らの体を切り付ける。威力の代わりにその斬撃の数は計り知れず、幾ら肉体に魂を纏い防ごうとしても一方的に切り後をつけられた。
だが、そんな中を帰還者とバサラ、彼らだけは進んでおり、傷だらけになりながらも防御壁へと刃を叩き込んだ。
帰還者は邪竜に飲まれることなく、その力を御しており、防御壁にぶつけていた無量辺処に力を込めると彼はつぶやく。
「無量辺処・邪竜滅殺」
黒き炎と紫電が駆け巡る破壊の一撃はナナシの防御壁にゼロ距離でぶつかると巨大な爆発音と共に彼女の視界を遮った。
防御壁は砕けず、無傷であり、その事を帰還者は知っていたかの様に再び剣を振り下ろす。
「無量辺処・邪竜滅殺」
ナナシは二度の黒き破壊の柱に巻き込まれるもそれをものともせずにその背後にいたジータ達をなんとしても落とそうとしていた。
「無量辺処・邪竜滅殺!」
三度目、黒き光に照らされて、防御壁に初めて亀裂が入る。ナナシですら破壊することができないと組んだはずの魂の防御機構、それに亀裂が入ったその時、カツラギ・バサラ、帰還者同様に斬撃を通り抜けた、彼の剣が刻まれた亀裂に全身の力を込めた一撃が打つけられた。
バキリと鈍い音と共に防壁が破壊され、片腕ながらもバサラの両目はナナシの魂とアイリスの肉体を分けながら捉えている。
絶対たる防御を破壊され、目の前に現れた神を撃ち落とせし人間にナナシは捉えられており、彼女は絶体絶命の状況に陥った。
「世界を絵に、魂を捉え」
ナナシはバサラが再び涅槃静寂振るう直前に呟くと彼だけが今、彼女が何をしようとしているか理解する。剣を振ることをやめ、一瞬にして自身の肉体に魂を纏わせるとナナシは片腕を前にした。
「世界を絶て、救世真愛、救世親愛」
かつて神を殺せし剣、それが今、その主人に降り注ぐ。肉体による防御、それを意味を成さず、救世の剣が放つ斬撃は周りの四人にも放たれており、彼らを容赦無く切り付けた。
バサラの放つ世界を断つ斬撃とは違い、多対象を想定して放つナナシが生み出せし、世界を絶つ斬撃。速度と範囲を条件にその場の五人にそれを放つと帰還者の左腕が切り裂かれ、ジータ、吟千代の二人動けぬほどの重傷を負った。
唯一、立っていたバサラは自身の傷があまり深くないことに気付くと同時に彼女が自分ではない、他の物、自身の闘争心を折ることに徹したことを理解する。
「涅槃、静寂」
漆黒の両刃が上下に真っ二つにされており、ナナシはそれを見て、ニヤニヤと笑いながら左手で救世真愛を握りしめるとバサラの首元に刃を添える。
何も言わずにナナシはそれを振るとカツラギ・バサラ、彼の首が宙を舞った。
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