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第五章 人神異界最終決戦
二話 人神異界最終決戦 其の弐
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異界ゴルドバレー、五大王国連合軍が機兵達との戦いの地にて、その異変は起こった。
「機兵の動きが止まった?」
剣を握っていたスカンダは辺りを見渡すと機兵が突然動きを止めた。
「勝ったのか?」
「どうなっているんだ?」
「騎士団長達は?」
兵達が徐々にその事実を知り始め、ガヤガヤと話し始めると一人の兵がジャンとスカンダに声を上げる。
「ローズ様より伝言です! 騎士団長及び四護聖、その他数名が戻ってきたようです!」
「と言うことは!」
「しかし! 騎士団長達は廃棄孔の面々と共に一人の少女と戦闘開始したとのことです!」
その兵の言葉に、他の面々も驚き戸惑った。お互い敵同士であったものと共に戦っているという事実を、伝言だけで伝えられると兵士たちに不安が過ぎると憶測で何かを語り始める。
「どうなってるんだ?!」
「まさか、騎士団長達は裏切ったのか?」
「そんなわけ無いだろう! 四護聖様達が裏切ることなどあるわけ!」
怒号と声が入り混じり、戦場は混乱状態に陥った。
(どうなってやがる? ジータ、グラン、シンク、ミカ。お前らが無事なのを知れたのは良かったが今の状況がよく分かってない。頼むぜ、俺の英雄達。どうにかなってるって)
スカンダが考えていると次の瞬間、ジャンが走って彼の体を強く押した。
「な?!」
突然押されたことで何の反応も示す事はできず、スカンダは尻餅を突くと目の前を向いた時にはそれは起こっていた。
「ジャン!?」
ザンと言う大きな音が遅れてやってくるとジャンの腕が落とされ、その先にいた全ての兵と地面が切り裂かれた。
「ジャン!? お前! バカ! なんで?!」
急いで自分を助けた恩人を抱き抱えるもそんな慌てるスカンダとは逆にジャンは優しく笑っていた。
「何で、笑ってるんだよ!」
「そう戸惑うな、スカンダ殿」
「何で、俺なんかを!」
「若いからに決まっているだろう」
神の統治がなされた時代、その生き残りであったジャンは常に後悔に苦しんでいた。生き延びてしまったという事実は常についてくる。自分が神を批判していれば、もしかしたら人々を立ち上がらせられたのでは無いか、一人の人間にその神殺しを背負わせる必要が無かったのでは無いかとという夢をよく見るほどにあの時を生き延びたことに後悔していた。故に、自分は若人達のために生きねばと決めており、それが真っ先に行動に移った結果、ジャンは自身の身を削りながらもスカンダを助けた。
「どうなってんだよ?! ジータ! バサラ!」
スカンダはジャンを抱え、城壁の方へと向かう。五大王国の国王の一人を救うため、兵達はすぐに道を開けるもスカンダは自身に迫る何かに気付き、後ろを向いてしまった。
視線の先に映るのは巨大な衝撃波。
それがジャンの腕を切り裂いた正体であるとスカンダは気付くも彼はそれを避ける手段がなかった。
(すまん、みんな)
目の前の絶望にスカンダはジャンを捨てようとはせず、生存へと走ろうと足を動かすも無常にそれは彼らに襲い掛かる。
***
バサラと帰還者、二人の刃がナナシの肉を裂き、その体を傷つけるも彼女は一瞬にしてそれを治癒する。
「痛いじゃ無いか、バサラ」
アイリスの声でドキリとするも彼女の魂がアイリスの物では無いことを思い返し、自身の動きを鈍らせまいとした。だが、ナナシは依然、余裕を崩さず、バサラと帰還者を前にしても邪悪に微笑みながら彼らに自分と戦うことの恐ろしさを教えようと喋り出した。
「ピンポンパンポーン! 今、バサラと帰還者に放った一撃、実は~、別の所を狙ってます!」
その言葉の真意に、バサラは気づいた。
「まさか」
「早いね、バサラ、さっすが~! 人間ってとっても不便よね。一度死んだら生き返らない。あ! それは神も一緒か!」
「機兵の動きが止まった?」
剣を握っていたスカンダは辺りを見渡すと機兵が突然動きを止めた。
「勝ったのか?」
「どうなっているんだ?」
「騎士団長達は?」
兵達が徐々にその事実を知り始め、ガヤガヤと話し始めると一人の兵がジャンとスカンダに声を上げる。
「ローズ様より伝言です! 騎士団長及び四護聖、その他数名が戻ってきたようです!」
「と言うことは!」
「しかし! 騎士団長達は廃棄孔の面々と共に一人の少女と戦闘開始したとのことです!」
その兵の言葉に、他の面々も驚き戸惑った。お互い敵同士であったものと共に戦っているという事実を、伝言だけで伝えられると兵士たちに不安が過ぎると憶測で何かを語り始める。
「どうなってるんだ?!」
「まさか、騎士団長達は裏切ったのか?」
「そんなわけ無いだろう! 四護聖様達が裏切ることなどあるわけ!」
怒号と声が入り混じり、戦場は混乱状態に陥った。
(どうなってやがる? ジータ、グラン、シンク、ミカ。お前らが無事なのを知れたのは良かったが今の状況がよく分かってない。頼むぜ、俺の英雄達。どうにかなってるって)
スカンダが考えていると次の瞬間、ジャンが走って彼の体を強く押した。
「な?!」
突然押されたことで何の反応も示す事はできず、スカンダは尻餅を突くと目の前を向いた時にはそれは起こっていた。
「ジャン!?」
ザンと言う大きな音が遅れてやってくるとジャンの腕が落とされ、その先にいた全ての兵と地面が切り裂かれた。
「ジャン!? お前! バカ! なんで?!」
急いで自分を助けた恩人を抱き抱えるもそんな慌てるスカンダとは逆にジャンは優しく笑っていた。
「何で、笑ってるんだよ!」
「そう戸惑うな、スカンダ殿」
「何で、俺なんかを!」
「若いからに決まっているだろう」
神の統治がなされた時代、その生き残りであったジャンは常に後悔に苦しんでいた。生き延びてしまったという事実は常についてくる。自分が神を批判していれば、もしかしたら人々を立ち上がらせられたのでは無いか、一人の人間にその神殺しを背負わせる必要が無かったのでは無いかとという夢をよく見るほどにあの時を生き延びたことに後悔していた。故に、自分は若人達のために生きねばと決めており、それが真っ先に行動に移った結果、ジャンは自身の身を削りながらもスカンダを助けた。
「どうなってんだよ?! ジータ! バサラ!」
スカンダはジャンを抱え、城壁の方へと向かう。五大王国の国王の一人を救うため、兵達はすぐに道を開けるもスカンダは自身に迫る何かに気付き、後ろを向いてしまった。
視線の先に映るのは巨大な衝撃波。
それがジャンの腕を切り裂いた正体であるとスカンダは気付くも彼はそれを避ける手段がなかった。
(すまん、みんな)
目の前の絶望にスカンダはジャンを捨てようとはせず、生存へと走ろうと足を動かすも無常にそれは彼らに襲い掛かる。
***
バサラと帰還者、二人の刃がナナシの肉を裂き、その体を傷つけるも彼女は一瞬にしてそれを治癒する。
「痛いじゃ無いか、バサラ」
アイリスの声でドキリとするも彼女の魂がアイリスの物では無いことを思い返し、自身の動きを鈍らせまいとした。だが、ナナシは依然、余裕を崩さず、バサラと帰還者を前にしても邪悪に微笑みながら彼らに自分と戦うことの恐ろしさを教えようと喋り出した。
「ピンポンパンポーン! 今、バサラと帰還者に放った一撃、実は~、別の所を狙ってます!」
その言葉の真意に、バサラは気づいた。
「まさか」
「早いね、バサラ、さっすが~! 人間ってとっても不便よね。一度死んだら生き返らない。あ! それは神も一緒か!」
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