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第四章 人神代理戦争 霹靂
七十四話 人神代理戦争 其の伍拾漆 神殺魔王⑥
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二人の剣は火花を散らし、一挙手一投足全てが互いに死に至らしめる物と成っていた。黒いローブに身を包んだだけではなく、涅焔の能力を帯びており、多少の攻撃ではバサラの体に傷つけることは不可能となっており、公爵の放つ四つの浮遊する剣での迎撃は防ぐことなく、彼は剣を振るった。
公爵もまた、それを理解すると四つの浮遊する剣をバサラの剣を防ぐために使い、一瞬でも涅焔と涅槃寂静の両方を弾いて生まれた隙を突き、バサラへと迫っていた。
攻防一体の最中、バサラが握る涅焔に異変が走る。涅焔の刃、それが第六天魔王波旬の刃と打つかり合った時、その刃が欠けた。
「!?」
バサラは涅焔の異変にいち早く気付くもその一瞬の間を潰され、公爵の放った蹴りを受け、吹き飛ばされた。
「くっ!」
双剣により、その蹴りは防げたものの公爵が二振りの剣を構えると全力の でそれらを振るった。二つの斬撃が放たれ、バサラはそれを涅槃寂静と涅焔により、防ごうとした。
しかし、涅焔の刃の異変、それが今、如実に顕れる。
黒き刀のその刃が砕けた。
アダマンタイトが少量ですら加わることで割れることがない武器へと変化する、それが共鳴器であり、聖遺物である涅焔は100%の純度を誇っていた。
倶利伽羅や、迷子が使用していた捌大機壊蛇王、これらはアダマンタイトの純度が100%になっていることで、破壊が可能な代わりに変形や、充填等が出来る。
その様な対価が無い限り、共鳴器を破壊することは不可能である。
それが条理、だが、その条理を壊すのが魔王であり、公爵ロンベルグ・ウォースタイン。
「どうしたぁ! 坊! 何がそんなにおかしい!」
公爵の言葉に動揺しない様にバサラは前を向き、それに応えた。
「五月蝿いな! ちょっと色々あんだよ! こっちも!」
「その刀が欠けて動揺しているな、坊?」
「あんたの共鳴器のせいか?」
「そうかもなぁ!」
公爵の握る共鳴器・第六天魔王波旬、その本質は変幻自在、それは公爵である彼が決めていた自身に適した得物への変化が能力であった。
それを今、公爵は解釈を変えた。相手が持つ得物へと第六天魔王波旬の変幻自在の能力を付与すぎることで、その得物に変化を与える。
涅焔は公爵に握られたことで、その能力が予想よりも早く影響が現れ、結果としてその刃が欠けることになった。
第六天魔王波旬から振るわれる剣を警戒し、その刃が欠けてく瞬間を感じ取るとバサラは防ぐことに涅焔を使わずに攻めにのみそれを使おうと決めた。
だが、そんなバサラの選択を嘲笑うかの様に公爵の一撃が容赦無く放たれる。
(クソ! 性格もタイミングも悪いな、本当に!)
涅焔を使わなければ防げないコースに公爵は第六天魔王波旬を無理矢理捩じ込んだ。それは大振りでありながら全力が込められており、防がれれば大きな隙を作り出す一撃であった。
どちらかを選ばねば、致死に至らしめる一撃をこの土壇場で放つ公爵に腹を立てるも迫る刃は止まらない。
「ごめん、涅焔」
ギリギリのところで涅焔を挟む。
バサラの目の前で黒い刃と第六天魔王波旬の刃が重なり合ったその時、バキリとハッキリと音がした。
火花を散らし、刃が砕ける。
砕けた黒い刃は、バサラの素顔を照らしながら彼に別れを告げるもそれによりバサラの目の前には大きな隙が出来た公爵が居た。
涅焔の犠牲を胸に、バサラは涅槃静寂を握り締めるとその体に力一杯の一撃を叩き込む。
公爵もまた、それを理解すると四つの浮遊する剣をバサラの剣を防ぐために使い、一瞬でも涅焔と涅槃寂静の両方を弾いて生まれた隙を突き、バサラへと迫っていた。
攻防一体の最中、バサラが握る涅焔に異変が走る。涅焔の刃、それが第六天魔王波旬の刃と打つかり合った時、その刃が欠けた。
「!?」
バサラは涅焔の異変にいち早く気付くもその一瞬の間を潰され、公爵の放った蹴りを受け、吹き飛ばされた。
「くっ!」
双剣により、その蹴りは防げたものの公爵が二振りの剣を構えると全力の でそれらを振るった。二つの斬撃が放たれ、バサラはそれを涅槃寂静と涅焔により、防ごうとした。
しかし、涅焔の刃の異変、それが今、如実に顕れる。
黒き刀のその刃が砕けた。
アダマンタイトが少量ですら加わることで割れることがない武器へと変化する、それが共鳴器であり、聖遺物である涅焔は100%の純度を誇っていた。
倶利伽羅や、迷子が使用していた捌大機壊蛇王、これらはアダマンタイトの純度が100%になっていることで、破壊が可能な代わりに変形や、充填等が出来る。
その様な対価が無い限り、共鳴器を破壊することは不可能である。
それが条理、だが、その条理を壊すのが魔王であり、公爵ロンベルグ・ウォースタイン。
「どうしたぁ! 坊! 何がそんなにおかしい!」
公爵の言葉に動揺しない様にバサラは前を向き、それに応えた。
「五月蝿いな! ちょっと色々あんだよ! こっちも!」
「その刀が欠けて動揺しているな、坊?」
「あんたの共鳴器のせいか?」
「そうかもなぁ!」
公爵の握る共鳴器・第六天魔王波旬、その本質は変幻自在、それは公爵である彼が決めていた自身に適した得物への変化が能力であった。
それを今、公爵は解釈を変えた。相手が持つ得物へと第六天魔王波旬の変幻自在の能力を付与すぎることで、その得物に変化を与える。
涅焔は公爵に握られたことで、その能力が予想よりも早く影響が現れ、結果としてその刃が欠けることになった。
第六天魔王波旬から振るわれる剣を警戒し、その刃が欠けてく瞬間を感じ取るとバサラは防ぐことに涅焔を使わずに攻めにのみそれを使おうと決めた。
だが、そんなバサラの選択を嘲笑うかの様に公爵の一撃が容赦無く放たれる。
(クソ! 性格もタイミングも悪いな、本当に!)
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砕けた黒い刃は、バサラの素顔を照らしながら彼に別れを告げるもそれによりバサラの目の前には大きな隙が出来た公爵が居た。
涅焔の犠牲を胸に、バサラは涅槃静寂を握り締めるとその体に力一杯の一撃を叩き込む。
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