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第四章 人神代理戦争 霹靂
七十二話 人神代理戦争 其の伍拾伍 神殺魔王④
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バサラの言葉を聞き、更なる怒りを公爵は向ける。それは彼の自分をいつでも殺せると言う宣言であり、公爵にとって屈辱であった。
第六天魔王波旬を投げつけると公爵はその剣を握りしめ、バサラに振るう。
「それがさっきの瞬間移動の正体か!」
「黙れ!」
剣を握りしめては振るい、そして、手放してはまた握りしめる。何度も何度も同じであるがその力強さと技術も全てが他の追随を許さぬ、圧倒的なまでのものであった。だが、それを逆にバサラは冷静に対処した。
涅槃静寂と涅焔の刃は第六天魔王波旬の六つの剣達とその主人を否定し、先ほどまでとは打って変わって蓮撃全てを返し切った。
世界を断つ斬撃、それはただ防御を無視し、相手の魂を傷つける剣であらず。一度放てば、使用者の集中力を底上げすることが可能であり、バサラは今、極限集中状態に入っていた。
それでいて尚、公爵の剣には隙は無く、それらが生み出す剣撃をバサラは防げると言うだけであった。
(世界を断つ斬撃、あれを放ったのは良かった。けど、やっぱりだけど、師匠が完全に警戒してる。無理矢理距離を作ろうとしても詰めてくるし、さて、どうするか!)
右から左に振るわれる剣をギリギリのところで避けると公爵の間合いに入り込んだ。
涅焔による黒い炎の斬撃を近距離で放とうとするものの公爵はそれを振るう前に左腕で止めた。バサラが驚愕しているのも束の間、公爵は彼の顔に回し蹴りを入れる。
バサラは回し蹴りが自身の顔に打つかる直前、右腕に握っていた涅槃静寂を無意識のうちに挟み込んだ。
だが、そのギリギリで挟んだ涅槃静寂ごと公爵は蹴り飛ばす。あまりにも急な力の強さの変化にバサラはされるがままに吹き飛ばされそうになるも次の瞬間、彼の体を涅焔を握りしめていた公爵の腕力のみで止めた。
「マジ? か!」
二度目の衝撃、次はバサラの顔に回し蹴りが直撃し、思わず握っていた涅焔から手を離してしまう。
腕に握られていた涅槃静寂を地面に突き刺し、顔を上げるとそこには既に魔王が立っていた。
魔王の手には第六天魔王波旬と涅焔が握られており、それらがバサラに振り下ろされた。
バサラの体にバツの形で傷で刻むと再び公爵は彼を蹴りを入れる。なんとか足を踏ん張り、痛みに耐えるとバサラは涅槃静寂を使い、公爵に切り返した。
「ぬるい!」
公爵は涅槃静寂を弾き返し、涅焔を使い、バサラの顔を切り付けると十字架状に頬と目の辺りを切り裂かれ、血が溢れた。
左目が潰され、視界もおぼつかない状態であったがバサラは涅槃静寂を振るった。
その一撃は重く、公爵を軽く吹き飛ばすとバサラは自身の目の辺りの血を擦り、汚れを拭いた。
(目、潰されてない。まだ、見えてる。血が流れてるが問題ない。なら、戦える、やるよ、涅槃静寂!)
バサラは自身の片目を開き、痛みに耐えながらもそれが今は心地良く自分が生きている証拠であると実感しながら師である公爵に向けて、声を上げた。
「師匠! 俺はあんたを超えるためにここに立ってる! 我が運命は壊滅。求めるは終焉、目覚めるは破壊者。共鳴器・涅槃静寂よ、我が運命の導に従い解き放て。その真なる姿を!」
第六天魔王波旬を投げつけると公爵はその剣を握りしめ、バサラに振るう。
「それがさっきの瞬間移動の正体か!」
「黙れ!」
剣を握りしめては振るい、そして、手放してはまた握りしめる。何度も何度も同じであるがその力強さと技術も全てが他の追随を許さぬ、圧倒的なまでのものであった。だが、それを逆にバサラは冷静に対処した。
涅槃静寂と涅焔の刃は第六天魔王波旬の六つの剣達とその主人を否定し、先ほどまでとは打って変わって蓮撃全てを返し切った。
世界を断つ斬撃、それはただ防御を無視し、相手の魂を傷つける剣であらず。一度放てば、使用者の集中力を底上げすることが可能であり、バサラは今、極限集中状態に入っていた。
それでいて尚、公爵の剣には隙は無く、それらが生み出す剣撃をバサラは防げると言うだけであった。
(世界を断つ斬撃、あれを放ったのは良かった。けど、やっぱりだけど、師匠が完全に警戒してる。無理矢理距離を作ろうとしても詰めてくるし、さて、どうするか!)
右から左に振るわれる剣をギリギリのところで避けると公爵の間合いに入り込んだ。
涅焔による黒い炎の斬撃を近距離で放とうとするものの公爵はそれを振るう前に左腕で止めた。バサラが驚愕しているのも束の間、公爵は彼の顔に回し蹴りを入れる。
バサラは回し蹴りが自身の顔に打つかる直前、右腕に握っていた涅槃静寂を無意識のうちに挟み込んだ。
だが、そのギリギリで挟んだ涅槃静寂ごと公爵は蹴り飛ばす。あまりにも急な力の強さの変化にバサラはされるがままに吹き飛ばされそうになるも次の瞬間、彼の体を涅焔を握りしめていた公爵の腕力のみで止めた。
「マジ? か!」
二度目の衝撃、次はバサラの顔に回し蹴りが直撃し、思わず握っていた涅焔から手を離してしまう。
腕に握られていた涅槃静寂を地面に突き刺し、顔を上げるとそこには既に魔王が立っていた。
魔王の手には第六天魔王波旬と涅焔が握られており、それらがバサラに振り下ろされた。
バサラの体にバツの形で傷で刻むと再び公爵は彼を蹴りを入れる。なんとか足を踏ん張り、痛みに耐えるとバサラは涅槃静寂を使い、公爵に切り返した。
「ぬるい!」
公爵は涅槃静寂を弾き返し、涅焔を使い、バサラの顔を切り付けると十字架状に頬と目の辺りを切り裂かれ、血が溢れた。
左目が潰され、視界もおぼつかない状態であったがバサラは涅槃静寂を振るった。
その一撃は重く、公爵を軽く吹き飛ばすとバサラは自身の目の辺りの血を擦り、汚れを拭いた。
(目、潰されてない。まだ、見えてる。血が流れてるが問題ない。なら、戦える、やるよ、涅槃静寂!)
バサラは自身の片目を開き、痛みに耐えながらもそれが今は心地良く自分が生きている証拠であると実感しながら師である公爵に向けて、声を上げた。
「師匠! 俺はあんたを超えるためにここに立ってる! 我が運命は壊滅。求めるは終焉、目覚めるは破壊者。共鳴器・涅槃静寂よ、我が運命の導に従い解き放て。その真なる姿を!」
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