249 / 311
第四章 人神代理戦争 霹靂
五十三話 人神代理戦争 参拾陸 闘樹富豪②
しおりを挟む
グランとトネリコの蓮撃を、富豪は値踏みする。
「定めた、その攻撃は10,000$買いだ」
富豪はそう言うと彼らの攻撃を弾く見えない壁が生まれ、グランの剣とトネリコの大樹による突きが弾かれた。
富豪が持つ指輪型共鳴器・金剛、その本質は創造。金剛をはめた人間が今、持っている財力、或いはかつて持っていた財力に応じて装着者の想像力を具現化する。
富豪リャンはロボット産業により、富を築き上げ、現世では総資産1400億$とまで言われていた大富豪。彼が作り出したロボット達は時代を先取りし、人の仕事を奪うとまでされていた。
戦争ですら、そのロボットが使われ、徐々に人ではない戦争が始まっており、産業の破壊者と言われながらも巨万の富を得る。
幾ら罵られようとも、リャンは自分の全てを財を積み上げる事にだけ使った。
そんなリャンの人柄は、至って普通、狂人のような感性はなく、優しさ、誠実さをしっかりと持っている青年であった。
ただ、彼はとある事に狂っていた。
それはギャンブル。
積み上げた富を全てベットする狂人。
彼は世界中の賭博場によく入り浸り、そこで毎度の如く、巨万の富などは賭けず、自身の命を投げ売った。
狂人とも思われるギャンブルの中、彼は毎度の如く、勝ち抜き、そして、生き延びた。
命の対価で得た金銭を、受け取っては消えていく。
それ以外は至って普通、狂気に染まるのは自分の命を賭ける時だけ。
そんな彼の最後は実に呆気ない。
唐突に、空から放たれた一つの爆弾。
それは大陸に落とされた破滅の一発。
それにより、命が終えるはずだった。
そんな彼は異界ゴルドバレーに飛ばされた。
命を気軽に賭けれる異世界、そこに飛ばされた事でリャンは大いに喜んだ。
リャンが金剛と言う共鳴器を得た彼がした事は一つ。
自身と相手の賭博。
自身に迫る攻撃を値踏みし、それに応じた壁を作る。相手が越えれれば自分にダメージを相手が越えなければダメージはない。
「さぁ! グラン! トネリコ! 俺の財産はまだまだある! もっと賭けさせてくれよ! 俺の命を!」
富豪の一言の後、グランはトネリコに声をかけた。
「トネリコさん、このままじゃ、埒が明かない! 一発逆転狙って、俺の強化全部載せで行こう!」
「ダメです」
トネリコが断るとグランはやる気満々で槍を構えると少しして、彼女の答えに驚き、戸惑う。
「何で?! 今、ここでやらなきゃジリ貧だろ?!」
「グランさん、考えてください。貴方の能力はとても貴重です。今、使い切れば後々不利なるのは私達」
「じゃあ、どうするんだ? あの見えない壁、ぶっちゃけ越えるのすら難しいぜ。現状、20%の強化如きじゃびくともしなかった」
その言葉を聞き、トネリコは一人、富豪の前に立った。
「ならば、私にお任せを。シャルル王国騎士団長トネリコ、本領発揮と参ります」
グランはトネリコが自信満々な姿を見て、何かしらの策があると信じ、一歩引いた。そんな彼らを見て、富豪は嬉しそうに喋りかける。
「いいね! トネリコ、あんたと俺のサシといこうか! 俺は命は奪わねえ。自分が得るものは破壊の兵器であれなんであれ、そこにあんたの命は必要ないからな! さぁ、始めよう! ここからが富豪リャンの大勝負!」
「定めた、その攻撃は10,000$買いだ」
富豪はそう言うと彼らの攻撃を弾く見えない壁が生まれ、グランの剣とトネリコの大樹による突きが弾かれた。
富豪が持つ指輪型共鳴器・金剛、その本質は創造。金剛をはめた人間が今、持っている財力、或いはかつて持っていた財力に応じて装着者の想像力を具現化する。
富豪リャンはロボット産業により、富を築き上げ、現世では総資産1400億$とまで言われていた大富豪。彼が作り出したロボット達は時代を先取りし、人の仕事を奪うとまでされていた。
戦争ですら、そのロボットが使われ、徐々に人ではない戦争が始まっており、産業の破壊者と言われながらも巨万の富を得る。
幾ら罵られようとも、リャンは自分の全てを財を積み上げる事にだけ使った。
そんなリャンの人柄は、至って普通、狂人のような感性はなく、優しさ、誠実さをしっかりと持っている青年であった。
ただ、彼はとある事に狂っていた。
それはギャンブル。
積み上げた富を全てベットする狂人。
彼は世界中の賭博場によく入り浸り、そこで毎度の如く、巨万の富などは賭けず、自身の命を投げ売った。
狂人とも思われるギャンブルの中、彼は毎度の如く、勝ち抜き、そして、生き延びた。
命の対価で得た金銭を、受け取っては消えていく。
それ以外は至って普通、狂気に染まるのは自分の命を賭ける時だけ。
そんな彼の最後は実に呆気ない。
唐突に、空から放たれた一つの爆弾。
それは大陸に落とされた破滅の一発。
それにより、命が終えるはずだった。
そんな彼は異界ゴルドバレーに飛ばされた。
命を気軽に賭けれる異世界、そこに飛ばされた事でリャンは大いに喜んだ。
リャンが金剛と言う共鳴器を得た彼がした事は一つ。
自身と相手の賭博。
自身に迫る攻撃を値踏みし、それに応じた壁を作る。相手が越えれれば自分にダメージを相手が越えなければダメージはない。
「さぁ! グラン! トネリコ! 俺の財産はまだまだある! もっと賭けさせてくれよ! 俺の命を!」
富豪の一言の後、グランはトネリコに声をかけた。
「トネリコさん、このままじゃ、埒が明かない! 一発逆転狙って、俺の強化全部載せで行こう!」
「ダメです」
トネリコが断るとグランはやる気満々で槍を構えると少しして、彼女の答えに驚き、戸惑う。
「何で?! 今、ここでやらなきゃジリ貧だろ?!」
「グランさん、考えてください。貴方の能力はとても貴重です。今、使い切れば後々不利なるのは私達」
「じゃあ、どうするんだ? あの見えない壁、ぶっちゃけ越えるのすら難しいぜ。現状、20%の強化如きじゃびくともしなかった」
その言葉を聞き、トネリコは一人、富豪の前に立った。
「ならば、私にお任せを。シャルル王国騎士団長トネリコ、本領発揮と参ります」
グランはトネリコが自信満々な姿を見て、何かしらの策があると信じ、一歩引いた。そんな彼らを見て、富豪は嬉しそうに喋りかける。
「いいね! トネリコ、あんたと俺のサシといこうか! 俺は命は奪わねえ。自分が得るものは破壊の兵器であれなんであれ、そこにあんたの命は必要ないからな! さぁ、始めよう! ここからが富豪リャンの大勝負!」
0
お気に入りに追加
48
あなたにおすすめの小説
『収納』は異世界最強です 正直すまんかったと思ってる
農民ヤズ―
ファンタジー
「ようこそおいでくださいました。勇者さま」
そんな言葉から始まった異世界召喚。
呼び出された他の勇者は複数の<スキル>を持っているはずなのに俺は収納スキル一つだけ!?
そんなふざけた事になったうえ俺たちを呼び出した国はなんだか色々とヤバそう!
このままじゃ俺は殺されてしまう。そうなる前にこの国から逃げ出さないといけない。
勇者なら全員が使える収納スキルのみしか使うことのできない勇者の出来損ないと呼ばれた男が収納スキルで無双して世界を旅する物語(予定
私のメンタルは金魚掬いのポイと同じ脆さなので感想を送っていただける際は語調が強くないと嬉しく思います。
ただそれでも初心者故、度々間違えることがあるとは思いますので感想にて教えていただけるとありがたいです。
他にも今後の進展や投稿済みの箇所でこうしたほうがいいと思われた方がいらっしゃったら感想にて待ってます。
なお、書籍化に伴い内容の齟齬がありますがご了承ください。
勇者召喚に巻き込まれ、異世界転移・貰えたスキルも鑑定だけ・・・・だけど、何かあるはず!
よっしぃ
ファンタジー
9月11日、12日、ファンタジー部門2位達成中です!
僕はもうすぐ25歳になる常山 順平 24歳。
つねやま じゅんぺいと読む。
何処にでもいる普通のサラリーマン。
仕事帰りの電車で、吊革に捕まりうつらうつらしていると・・・・
突然気分が悪くなり、倒れそうになる。
周りを見ると、周りの人々もどんどん倒れている。明らかな異常事態。
何が起こったか分からないまま、気を失う。
気が付けば電車ではなく、どこかの建物。
周りにも人が倒れている。
僕と同じようなリーマンから、数人の女子高生や男子学生、仕事帰りの若い女性や、定年近いおっさんとか。
気が付けば誰かがしゃべってる。
どうやらよくある勇者召喚とやらが行われ、たまたま僕は異世界転移に巻き込まれたようだ。
そして・・・・帰るには、魔王を倒してもらう必要がある・・・・と。
想定外の人数がやって来たらしく、渡すギフト・・・・スキルらしいけど、それも数が限られていて、勇者として召喚した人以外、つまり巻き込まれて転移したその他大勢は、1人1つのギフト?スキルを。あとは支度金と装備一式を渡されるらしい。
どうしても無理な人は、戻ってきたら面倒を見ると。
一方的だが、日本に戻るには、勇者が魔王を倒すしかなく、それを待つのもよし、自ら勇者に協力するもよし・・・・
ですが、ここで問題が。
スキルやギフトにはそれぞれランク、格、強さがバラバラで・・・・
より良いスキルは早い者勝ち。
我も我もと群がる人々。
そんな中突き飛ばされて倒れる1人の女性が。
僕はその女性を助け・・・同じように突き飛ばされ、またもや気を失う。
気が付けば2人だけになっていて・・・・
スキルも2つしか残っていない。
一つは鑑定。
もう一つは家事全般。
両方とも微妙だ・・・・
彼女の名は才村 友郁
さいむら ゆか。 23歳。
今年社会人になりたて。
取り残された2人が、すったもんだで生き残り、最終的には成り上がるお話。
おっさんの異世界建国記
なつめ猫
ファンタジー
中年冒険者エイジは、10年間異世界で暮らしていたが、仲間に裏切られ怪我をしてしまい膝の故障により、パーティを追放されてしまう。さらに冒険者ギルドから任された辺境開拓も依頼内容とは違っていたのであった。現地で、何気なく保護した獣人の美少女と幼女から頼られたエイジは、村を作り発展させていく。
【完結】神様と呼ばれた医師の異世界転生物語 ~胸を張って彼女と再会するために自分磨きの旅へ!~
川原源明
ファンタジー
秋津直人、85歳。
50年前に彼女の進藤茜を亡くして以来ずっと独身を貫いてきた。彼の傍らには彼女がなくなった日に出会った白い小さな子犬?の、ちび助がいた。
嘗ては、救命救急センターや外科で医師として活動し、多くの命を救って来た直人、人々に神様と呼ばれるようになっていたが、定年を迎えると同時に山を買いプライベートキャンプ場をつくり余生はほとんどここで過ごしていた。
彼女がなくなって50年目の命日の夜ちび助とキャンプを楽しんでいると意識が遠のき、気づけば辺りが真っ白な空間にいた。
白い空間では、創造神を名乗るネアという女性と、今までずっとそばに居たちび助が人の子の姿で土下座していた。ちび助の不注意で茜君が命を落とし、謝罪の意味を込めて、創造神ネアの創る世界に、茜君がすでに転移していることを教えてくれた。そして自分もその世界に転生させてもらえることになった。
胸を張って彼女と再会できるようにと、彼女が降り立つより30年前に転生するように創造神ネアに願った。
そして転生した直人は、新しい家庭でナットという名前を与えられ、ネア様と、阿修羅様から貰った加護と学生時代からやっていた格闘技や、仕事にしていた医術、そして趣味の物作りやサバイバル技術を活かし冒険者兼医師として旅にでるのであった。
まずは最強の称号を得よう!
地球では神様と呼ばれた医師の異世界転生物語
※元ヤンナース異世界生活 ヒロイン茜ちゃんの彼氏編
※医療現場の恋物語 馴れ初め編
迷い人 ~異世界で成り上がる。大器晩成型とは知らずに無難な商人になっちゃった。~
飛燕 つばさ
ファンタジー
孤独な中年、坂本零。ある日、彼は目を覚ますと、まったく知らない異世界に立っていた。彼は現地の兵士たちに捕まり、不審人物とされて牢獄に投獄されてしまう。
彼は異世界から迷い込んだ『迷い人』と呼ばれる存在だと告げられる。その『迷い人』には、世界を救う勇者としての可能性も、世界を滅ぼす魔王としての可能性も秘められているそうだ。しかし、零は自分がそんな使命を担う存在だと受け入れることができなかった。
独房から零を救ったのは、昔この世界を救った勇者の末裔である老婆だった。老婆は零の力を探るが、彼は戦闘や魔法に関する特別な力を持っていなかった。零はそのことに絶望するが、自身の日本での知識を駆使し、『商人』として新たな一歩を踏み出す決意をする…。
この物語は、異世界に迷い込んだ日本のサラリーマンが主人公です。彼は潜在的に秘められた能力に気づかずに、無難な商人を選びます。次々に目覚める力でこの世界に起こる問題を解決していく姿を描いていきます。
※当作品は、過去に私が創作した作品『異世界で商人になっちゃった。』を一から徹底的に文章校正し、新たな作品として再構築したものです。文章表現だけでなく、ストーリー展開の修正や、新ストーリーの追加、新キャラクターの登場など、変更点が多くございます。
神速の成長チート! ~無能だと追い出されましたが、逆転レベルアップで最強異世界ライフ始めました~
雪華慧太
ファンタジー
高校生の裕樹はある日、意地の悪いクラスメートたちと異世界に勇者として召喚された。勇者に相応しい力を与えられたクラスメートとは違い、裕樹が持っていたのは自分のレベルを一つ下げるという使えないにも程があるスキル。皆に嘲笑われ、さらには国王の命令で命を狙われる。絶体絶命の状況の中、唯一のスキルを使った裕樹はなんとレベル1からレベル0に。絶望する裕樹だったが、実はそれがあり得ない程の神速成長チートの始まりだった! その力を使って裕樹は様々な職業を極め、異世界最強に上り詰めると共に、極めた生産職で快適な異世界ライフを目指していく。
転生したら脳筋魔法使い男爵の子供だった。見渡す限り荒野の領地でスローライフを目指します。
克全
ファンタジー
「第3回次世代ファンタジーカップ」参加作。面白いと感じましたらお気に入り登録と感想をくださると作者の励みになります!
辺境も辺境、水一滴手に入れるのも大変なマクネイア男爵家生まれた待望の男子には、誰にも言えない秘密があった。それは前世の記憶がある事だった。姉四人に続いてようやく生まれた嫡男フェルディナンドは、この世界の常識だった『魔法の才能は遺伝しない』を覆す存在だった。だが、五〇年戦争で大活躍したマクネイア男爵インマヌエルは、敵対していた旧教徒から怨敵扱いされ、味方だった新教徒達からも畏れられ、炎竜が砂漠にしてしまったと言う伝説がある地に押し込められたいた。そんな父親達を救うべく、前世の知識と魔法を駆使するのだった。
王宮で汚職を告発したら逆に指名手配されて殺されかけたけど、たまたま出会ったメイドロボに転生者の技術力を借りて反撃します
有賀冬馬
ファンタジー
王国貴族ヘンリー・レンは大臣と宰相の汚職を告発したが、逆に濡れ衣を着せられてしまい、追われる身になってしまう。
妻は宰相側に寝返り、ヘンリーは女性不信になってしまう。
さらに差し向けられた追手によって左腕切断、毒、呪い状態という満身創痍で、命からがら雪山に逃げ込む。
そこで力尽き、倒れたヘンリーを助けたのは、奇妙なメイド型アンドロイドだった。
そのアンドロイドは、かつて大賢者と呼ばれた転生者の技術で作られたメイドロボだったのだ。
現代知識チートと魔法の融合技術で作られた義手を与えられたヘンリーが、独立勢力となって王国の悪を蹴散らしていく!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる