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第四章 人神代理戦争 霹靂
四十三話 人神代理戦争 其の弐拾陸 魔導博士④
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***
人神代理戦争開戦二週間前、ミレニアム王国研究所。
ターニャ・パンクとシンク・ホーエンハイムはダラモスの体の調整を二人で行なっていた。
「ロイドが作りたかったのは何だと思う?」
ターニャはロイドに問いかけるとそれに対して彼はすぐに切り替えした。
「結論だけ言うと魂。細かくするなら亡くなった娘の魂の模倣だな。俺は魂と言うものがあると言われても信じれないタイプだが、あいつは意外とロマンチストらしい。最後までツツジ・ハイランダーには魂が宿っていると言っていた」
「シンクは信じないの? 私は信じるわ。そっちの方が夢が広がるし」
「くくく、バカ言うな根拠のないことを信じる盲信的に信じることなんて科学者としてナンセンスだ。だがな、これはアイツが残したデータ、記録、全てを見て、それが裏付けた結果を、俺は信じる。もし仮に、それを確かめる機会があるのなら、俺がロイド、あいつの代わりに証明してやる」
シンクの宣言を聞き、ターニャは笑みを溢すと彼らの会話をダラモスは無言で聞いていた。
***
「何を教えるんだよ! 僕に!」
博士は叫んだ。だが、それはいつの間にか届かなくなっていた。
(霧、いつの間にか深くなってる!? まさか、この霧は)
「お喋り中にもよく見とくんだな。くくく、そのうっかりは合理的か?」
「クッ、何なんだよ! もう!」
博士は地面に手を置き、機械を一気に放出し、辺りの霧を吹き飛ばすもそこにはシンクは見つからなかった。
「煽る割には何もしないんだな! シンク!」
声を上げると、次の瞬間、彼女の目の前にシンクは現れた。
「な!?」
「見通しが甘い」
シンクは博士の体を容赦無く蹴り付ける。そして、蹴り付けたと同時に博士の体を霧がキャッチした。
「この霧は、なん」
そして、その霧は博士を地面に叩きつけた。
「ガッ、ハ!?」
(クッソ! 何だよ! もう! 霧は多分、シンクが出していた物だ! それを手足みたく自由に使えるのか?!)
そして、彼女の手足を霧が拘束した。博士は手足を動かせなくさせられ、ギシギシと霧の拘束を振り解こうとするもそんな彼女の前に、シンクは姿を現した。
「さて、何から話すか」
「舐めるな!」
シンクは博士に話しかけるも彼女は足に力を入れる。自身の肉体に刻まれた能力である機械を生成する物、それはシンクが近距離になった同時に放たれ、彼の体を貫いた。
「くくく、良いじゃないか。だが、俺の能力とは相性が悪かったな。概ね、体の何処かでも地面や物体に面していればそこから鉄や機械のパーツを作り出し相手に放つと言ったところか。不完全な適応、機械の生成、後は機械兵達の操作、この三つ。それがお前の能力だろう? ツツジ」
シンクは霧から自身の体を再び生み出し、彼女の前に無傷のように振る舞いながら姿を現した。
「そう言うあんたこそ、霧が能力の基本なんだろう? いい加減見飽きた。そして、もう充分だ」
「くくく、そうか」
シンクの霧の拘束を自らの肉体を霧に変えることでツツジは抜け出すと攻撃を放とうと腕に剣を作り出し、彼の顔に当たる部位に目掛けて突きを放った。
霧となり、攻撃をすり抜けたはずのシンクの頬に傷がつき、赤い血が流れる。
「適応、良いじゃないか! ツツジ、能力を使いこなし始めたな」
シンクが嬉しそうに喋りかけるもツツジはそれすらも苛立っていた。この男の真意、それが全く読めず、自身を危機に晒しながらも何故か余裕があるかの様に立ち振る舞う。
そんな彼に対してツツジは殺意を覚えた。
「良い顔だ、そろそろ教えても良い頃だろう。ツツジ、お前は魂を信じるか?」
互いに睨み合う中、シンクが発した言葉、それに対してツツジ・ハイランダーは答える。
人神代理戦争開戦二週間前、ミレニアム王国研究所。
ターニャ・パンクとシンク・ホーエンハイムはダラモスの体の調整を二人で行なっていた。
「ロイドが作りたかったのは何だと思う?」
ターニャはロイドに問いかけるとそれに対して彼はすぐに切り替えした。
「結論だけ言うと魂。細かくするなら亡くなった娘の魂の模倣だな。俺は魂と言うものがあると言われても信じれないタイプだが、あいつは意外とロマンチストらしい。最後までツツジ・ハイランダーには魂が宿っていると言っていた」
「シンクは信じないの? 私は信じるわ。そっちの方が夢が広がるし」
「くくく、バカ言うな根拠のないことを信じる盲信的に信じることなんて科学者としてナンセンスだ。だがな、これはアイツが残したデータ、記録、全てを見て、それが裏付けた結果を、俺は信じる。もし仮に、それを確かめる機会があるのなら、俺がロイド、あいつの代わりに証明してやる」
シンクの宣言を聞き、ターニャは笑みを溢すと彼らの会話をダラモスは無言で聞いていた。
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「何を教えるんだよ! 僕に!」
博士は叫んだ。だが、それはいつの間にか届かなくなっていた。
(霧、いつの間にか深くなってる!? まさか、この霧は)
「お喋り中にもよく見とくんだな。くくく、そのうっかりは合理的か?」
「クッ、何なんだよ! もう!」
博士は地面に手を置き、機械を一気に放出し、辺りの霧を吹き飛ばすもそこにはシンクは見つからなかった。
「煽る割には何もしないんだな! シンク!」
声を上げると、次の瞬間、彼女の目の前にシンクは現れた。
「な!?」
「見通しが甘い」
シンクは博士の体を容赦無く蹴り付ける。そして、蹴り付けたと同時に博士の体を霧がキャッチした。
「この霧は、なん」
そして、その霧は博士を地面に叩きつけた。
「ガッ、ハ!?」
(クッソ! 何だよ! もう! 霧は多分、シンクが出していた物だ! それを手足みたく自由に使えるのか?!)
そして、彼女の手足を霧が拘束した。博士は手足を動かせなくさせられ、ギシギシと霧の拘束を振り解こうとするもそんな彼女の前に、シンクは姿を現した。
「さて、何から話すか」
「舐めるな!」
シンクは博士に話しかけるも彼女は足に力を入れる。自身の肉体に刻まれた能力である機械を生成する物、それはシンクが近距離になった同時に放たれ、彼の体を貫いた。
「くくく、良いじゃないか。だが、俺の能力とは相性が悪かったな。概ね、体の何処かでも地面や物体に面していればそこから鉄や機械のパーツを作り出し相手に放つと言ったところか。不完全な適応、機械の生成、後は機械兵達の操作、この三つ。それがお前の能力だろう? ツツジ」
シンクは霧から自身の体を再び生み出し、彼女の前に無傷のように振る舞いながら姿を現した。
「そう言うあんたこそ、霧が能力の基本なんだろう? いい加減見飽きた。そして、もう充分だ」
「くくく、そうか」
シンクの霧の拘束を自らの肉体を霧に変えることでツツジは抜け出すと攻撃を放とうと腕に剣を作り出し、彼の顔に当たる部位に目掛けて突きを放った。
霧となり、攻撃をすり抜けたはずのシンクの頬に傷がつき、赤い血が流れる。
「適応、良いじゃないか! ツツジ、能力を使いこなし始めたな」
シンクが嬉しそうに喋りかけるもツツジはそれすらも苛立っていた。この男の真意、それが全く読めず、自身を危機に晒しながらも何故か余裕があるかの様に立ち振る舞う。
そんな彼に対してツツジは殺意を覚えた。
「良い顔だ、そろそろ教えても良い頃だろう。ツツジ、お前は魂を信じるか?」
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