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第四章 人神代理戦争 霹靂
三十五話 人神代理戦争 其の拾玖 双英悪魔⑥
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倶利伽羅・限界突破、それは残っている黑鎧武装を通常時の5倍以上の速さで消費するレイブンが持つ最終手段の一つ。
辺獄の視界には紅を纏った戦士が現れ、自分と遊んでくれるのかと思い、ワクワクしていると突然、彼の姿が消えた。
光線はユースを攻撃し続け、十二の翼はレイブンを追うために広がるも彼を見つけることが出来ない。
(何処に消えた~? この中では、あいつが一番遊び甲斐があるのに消えるとは逃げたか?)
辺獄がそう考え、ユース、ラビの二人を一片に焼き尽くそうと人差し指を向けて光線を放とうとした。
だが、それは突然、現れる。
一度も感知できない、いや、完全に消えていた気配。
紅蓮の蹴りが辺獄の両腕をへし折った。へし折られた腕はすぐに回復するもユースに放っていた光線は止まり、レイブンは彼らに声をかけた。
「ラビ! ユースを頼む!」
「もちろん」
ラビは自分を守り抜いてくれたユースに近づき、彼の腕を見た。焼き落ちそうなほどの熱を持ちながら何とか人の形を成しているもののよくここまで耐え抜いた感じるもの。
「ユース! 無茶して!」
ラビが話しかけるも、ユースはレイブンと辺獄の戦いに目を向けていた。腕は動かそうにも自由が効かないはずなのに、ユースは未だに尽きぬ闘争の意思を示している。
(まだ、まだだ。まだ、やれる。今まで捉えられなかったものが、ようやく捉えられそうなんだ)
ユースの視線の先、そこで見たのはレイブンから辺獄への一方的な応酬。
辺獄が持つ十二の翼、一枚一枚に第六階層悪魔が封じ込められており、その能力を自由に出し入れできる。
だが、それを全て否定するかの様なレイブンの攻撃。翼を動かそうとするも一瞬にして何処から放っているのか分からない剣が切り裂き、腕を動かそうとするもそれを予想したかの様にレイブンの放つ蹴りが辺獄の細い腕を簡単に折った。
「貴様ぁ!」
辺獄は怒りを見せた。それは彼女のであって彼女でない。封じ込められた第七得意階層悪魔のものであり、自分が一方的に殺すための人間が刃向かい、逆に自分が死に追い込められている。
だが、レイブンは止まらない。
見えている全ての動きを完結に回ってくる情報を頼りに辺獄を壊す。
黑鎧武装、それはアダマンタイトでありながら、壊れる可能性を持っている倶利伽羅の核となるもの。
黑鎧武装は倶利伽羅の変身の本質を持っており、それが使用者の成りたい者、作りたい物へと姿を変えてくれる。
その黑鎧武装を一気に消費するとなると一体どうなるのだろうか?
答えはシンプル。
変身の本質が覚醒し、不可能を可能にする。
黑鎧武装、それを5倍の速度で消費することでレイブンは自身の肉体を分子レベルに分解し、再構築することが出来た。
気配を悟られず、辺獄の間合いに入り込めたのはこれが理由。
そして、もう一つ。
辺獄を一方的に攻撃出来ているのは分子レベルに再構築し、ある種の死を体験し、覚醒状態に成ったトオルの肉体を黑鎧武装がラーニングした結果。
魂の視界をこの瞬間に得た。
氣よりも早く見える、全ての攻撃への対応。
レイブンは辺獄の体に突きを放ち、彼女を悪魔祓いが立っていた壁まで殴り飛ばした。
十字架にぶつけられ、立ちあがろうとするもレイブンはトドメを刺すために構える。
辺獄の視界には紅を纏った戦士が現れ、自分と遊んでくれるのかと思い、ワクワクしていると突然、彼の姿が消えた。
光線はユースを攻撃し続け、十二の翼はレイブンを追うために広がるも彼を見つけることが出来ない。
(何処に消えた~? この中では、あいつが一番遊び甲斐があるのに消えるとは逃げたか?)
辺獄がそう考え、ユース、ラビの二人を一片に焼き尽くそうと人差し指を向けて光線を放とうとした。
だが、それは突然、現れる。
一度も感知できない、いや、完全に消えていた気配。
紅蓮の蹴りが辺獄の両腕をへし折った。へし折られた腕はすぐに回復するもユースに放っていた光線は止まり、レイブンは彼らに声をかけた。
「ラビ! ユースを頼む!」
「もちろん」
ラビは自分を守り抜いてくれたユースに近づき、彼の腕を見た。焼き落ちそうなほどの熱を持ちながら何とか人の形を成しているもののよくここまで耐え抜いた感じるもの。
「ユース! 無茶して!」
ラビが話しかけるも、ユースはレイブンと辺獄の戦いに目を向けていた。腕は動かそうにも自由が効かないはずなのに、ユースは未だに尽きぬ闘争の意思を示している。
(まだ、まだだ。まだ、やれる。今まで捉えられなかったものが、ようやく捉えられそうなんだ)
ユースの視線の先、そこで見たのはレイブンから辺獄への一方的な応酬。
辺獄が持つ十二の翼、一枚一枚に第六階層悪魔が封じ込められており、その能力を自由に出し入れできる。
だが、それを全て否定するかの様なレイブンの攻撃。翼を動かそうとするも一瞬にして何処から放っているのか分からない剣が切り裂き、腕を動かそうとするもそれを予想したかの様にレイブンの放つ蹴りが辺獄の細い腕を簡単に折った。
「貴様ぁ!」
辺獄は怒りを見せた。それは彼女のであって彼女でない。封じ込められた第七得意階層悪魔のものであり、自分が一方的に殺すための人間が刃向かい、逆に自分が死に追い込められている。
だが、レイブンは止まらない。
見えている全ての動きを完結に回ってくる情報を頼りに辺獄を壊す。
黑鎧武装、それはアダマンタイトでありながら、壊れる可能性を持っている倶利伽羅の核となるもの。
黑鎧武装は倶利伽羅の変身の本質を持っており、それが使用者の成りたい者、作りたい物へと姿を変えてくれる。
その黑鎧武装を一気に消費するとなると一体どうなるのだろうか?
答えはシンプル。
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気配を悟られず、辺獄の間合いに入り込めたのはこれが理由。
そして、もう一つ。
辺獄を一方的に攻撃出来ているのは分子レベルに再構築し、ある種の死を体験し、覚醒状態に成ったトオルの肉体を黑鎧武装がラーニングした結果。
魂の視界をこの瞬間に得た。
氣よりも早く見える、全ての攻撃への対応。
レイブンは辺獄の体に突きを放ち、彼女を悪魔祓いが立っていた壁まで殴り飛ばした。
十字架にぶつけられ、立ちあがろうとするもレイブンはトドメを刺すために構える。
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