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第四章 人神代理戦争 霹靂

十九話 人神代理戦争 其の伍 魔導博士① 戦鬼召使① 英雄悪魔①

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「俺をこんなところに呼び出すなんて意外だな。博士プロフェッサー

 シンクは研究室に連れ来られる。広くはない、だが、そこはかつて、博士プロフェッサー、いや、ロイド・ハイランダー、ターニャ・パンク、シンク・ホーエンハイムの三人が過ごした研究室そのものだった。

「やぁ、久しいね、シンク・ホーエンハイム。僕の名前も紹介しなくて良いよね」

「共鳴器の肉体、ツツジ・ハイランダーだろう? 機械兵はお前が全部指示しているとまで見た。なら、俺がお前を殺せば止まるか?」

「ちょっと見ただけで分かるんだ。でも、残念。僕を殺しても止まらない。僕はあなたを呼んだのは簡単な理由」

「ロイドの弔い合戦か。良いだろう、それを言う権利はお前にある」

 シンクは魂乃器アニマを構えるも博士プロフェッサーは不敵に笑った。

「あんたはさ、僕を履き違えてる。人じゃないんだ、恨みなんてありはしない。僕はね、廃棄孔アクタール七席博士プロフェッサーツツジ・ハイランダーとして敵対するだけさ。皆んなが任務を遂行するなら、共鳴器であり、機械であるなら当たり前。合理的に殺してやる」

 全身共鳴器のツツジはその肉体に秘めた様々な得物を取り出し、彼と戦う意思を示す。そんな姿を見て、シンクもまた、嬉しそうに応えた。

「ククク、そうか! その剥き出しの殺意、ロイドが見たら喜ぶだろうなぁ! 四護聖シンク・ホーエンハイムだ! お前の戦い、受けて立つ」

***

 エイブラハム、彼は城の中に居た。
 そこには広い部屋には大きなテーブル、そこで黒いスーツに身を包んだ青年が立っていた。

「おいおい! 上がるじゃねえか! 召使サーヴァント!」

 エイブラハムは喜んだ。
 以前、ルーヴェンで本気で戦えなかった男、彼が目の前立ったことに。

 だが、逆に召使サーヴァントはため息を吐きながら、自身の得物を取り出すとエイブラハムに喋りかけた。

「正直、あんたとはやりたくないし、やったら全力を出さなきゃ勝てない」

「おうさ! そりゃそうだろ! だけど、勝つのは」

「俺だぜ!」

「僕だ」

 自身の宣言を重ねられ、以前とは比べ物にならない本気を感じるとエイブラハムはその一言を後、踏み込んだ。

 瞬く間に目の前に現れたエイブラハムは召使サーヴァントに向けて天空行進曲スカイ・シンフォニーを振るうと彼の手には既に六波羅蜜パラミータが握られており、水の刃と鉄の刃が鬩ぎ合う。

「行儀よくなんて言わねえよなぁ! ルーヴェン騎士団長! エイブラハム・ルーデウス!」

「それ言わなくて良いよね。無駄なんだけど、まぁ、良いよ。その無駄に僕も今日は答えよう。廃棄孔アクタール六席召使サーヴァントヴェルト・デッド」

 その後に言葉は要らず。
 互いの得物を振るい、自らの力の限りを打つけ合う。

***

「ユース! ラビ! お前らも一緒か!」

 唐突に目の前の視界が変わり、ユースとラビは戸惑っているとトオルの声を聞き、少し安堵した。

「トオル様、そのここは一体」

 ユースの目の前に広がるそれは異界ゴルドバレーとは全く違う、主を下に祈りを捧げる場所、教会であった。

 そんな真ん中に男は両手を交え、祈りを捧げていた。そして、彼はここに来た者たちの正体を知っているのか帽子を触りながら声を上げる。

「よう、英雄ヒーロー、そして、坊主ユース、と、その双子か。三人相手にゃ辛いがそれも俺の役目だろう」

悪魔祓いエクソシストか。お前、前負けたけどリベンジマッチってやつか?」

「そうだよ、英雄ヒーロー。悔しくてな。俺はお前たちを本気で殺しに行く。一切の猶予も与えずにな」

 悪魔祓いエクソシストはそう言うと戦闘態勢に入った。右腕には一本の十字架を持っており、それに軽く口付けすると自身の最愛であり、最悪を解き放つために宣言した。

廃棄孔アクタール十席悪魔祓いエクソシストカラス・クロウ。迷える仔羊たちに救済を」

「ルーヴェン特攻隊長、日下部クサカベトオル!」

「ミレニアム王国騎士ユース・ダリア!」

「ミレニアム王国騎士ラビ・ダリア」

 名乗り上げれば、戦いの合図、悪魔祓いエクソシストのリベンジマッチが今始まった。
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