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第三章 人神代理戦争 勃発
五十九話 五大王国会議 其の弐拾伍
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決闘場には特別な防護結界が張られている。ローズが編んだ魔術を用いた物であり、彼がこの中のみに範囲を絞ることで硬度を底上げしていた。
だが、その結界が切られた。
バキリと音を立て、結界が破壊されたのをローズは無意識に感じ取ると思わず笑顔を浮かべてしまった。
空間、バサラの放った世界を放った斬撃、それが結界を破るとローズは驚愕していた。
(嘘だろ、オイ!? 俺と母上が編んだ特別な結界だぞ! それを切り裂いた! 多分、今の技が神を殺した剣だな! こりゃ、勝負あったか?)
ローズの考えとは裏腹にバサラとその弟子達の決闘は最終局面へと至る。
***
(あ、れ? 痛みが、引いてくる。違う、痛みはあるけど思ったより深く無い?)
ジータは目を開くとその前にはシンクが立っており、彼の手には魂乃器・夜想曲が握られていた。
「固定、絶雲氷盾」
シンクの体はジータとミカの比べて傷が深い。だが、彼女達を何重にも重ねた氷の壁が守っていおり、ジータはシンクに感謝を告げようとした瞬間、彼は倒れた。
「シンク!?」
「大声を出すな。俺が最初にやられて先生を指すプランが潰れただけだ、気にするな」
「でも、その傷の深さは!」
「なあに、死にやしないさ。だが、ミカも俺もお前よりも傷が深い。俺の防御を持っても先生の斬撃は止められなかった。加えて、豊穣の能力をお前の防御を裂いたからな。くくく、死ぬほど痛いが死にやしないか。先生は変わってない。叩き起こしてこい、ジータ」
シンクはそう言うと目を瞑り、自分が限界であることを示すとジータはそれを理解して、自身の得物である無窮壱尽を手に取った。
バサラと自分の距離を見て、ジータは弓を構えると彼もゆったりと涅槃静寂と涅焔を前にした。
バサラ、彼もまた実のところ限界が近かった。世界を断つ斬撃、それは確かにこの場では絶大な威力を誇るモノであったが三十年ぶりに撃ったことによる反動、それが全身に及んでおり、ズキズキと体の中から包丁で刺されたような痛みが走っている。
加えて、世界を断つ斬撃をジータ達を真っ二つにしない様に極限までに調整しており、嵐の矢を断つと言う絵で世界を捉えたため、それ以外の人物などに放たれる斬撃の威力は八割減となっていた。
あと一回、それはこの決闘でバサラが放てるであろう世界を断つ斬撃の回数であり、今の自分では不可能であると決め付ける。
バサラとジータ、師と弟子、神殺しと四護聖。
彼らは思いに決着をつけようと互いの共鳴器を握り締め、踏み込む。
ジータ達が切った手札の中にあったはずの作戦という名のカード、それはまだ、全て切っていない。
バサラの思考からそれが消えるまで隠し切り、シンクが自身の身を呈して彼らを守るために自分というカードを切ったことで、条件が揃い、ようやく使うことが出来る。
「まだ、忘れてもらっちゃぁ、困るなぁ!」
その瞬間を待っていたかの様に大剣を空に向けて振るう準備をしたエイブラハムがバサラの目の前に現れた。
バサラの目は世界を断つ斬撃を放ったことで極限まで研ぎ澄まされており、あらゆる視覚情報を逃さない。
だが、それを掻い潜った。
エイブラハムの空間を喰らい歪める能力、加えてシンクの魂乃器・夜想曲の蜃気楼による幻覚を重ねがけて、バサラよりも速く大剣を振り下ろした。
「III捕食空間解放!!!!」
バサラに振り下ろされた天空交響曲、それは空間を喰らうだけでは無く、喰らった空間を圧縮し、それらを解放することで相手に喰らった空間の質量をぶつけることが出来る。
最大五層まで貯めることが出来るが、今、このタイミングで貯める瞬間がなかったがそれでも三層までの空間を喰らっており、それが一気に放出された。
空間の重みとエイブラハムの力が重なり合う一撃をバサラは涅槃静寂と涅焔により防ぐも、それを無視して体に喰らった空間により生まれた質量を放出する衝撃波が地面を割った。
「ぐっ、は」
バサラが吐血するも膝をつけず、エイブラハムの一撃をギリギリまで耐え切った。
「潰れろよ! 師匠!」
エイブラハムは叫び、最後の一押しをするも天空交響曲から放たれた衝撃波は収まってしまう。瞬間、バサラの両手に握られた剣と刀がエイブラハムの体を十字に切り裂いた。
「無理、か」
十字に切られた箇所が綺麗に開かれ、傷から血が流れた。
兄弟子であるエイブラハムが倒れる。
作戦のカードは全て切り、もうジータのみが立っていた。
「終わりだ、ジータ」
バサラはそう言うとフラフラの足で踏み込むとジータの目の前に現れ、彼女の体目掛けて涅槃静寂を振るう。
だが、その結界が切られた。
バキリと音を立て、結界が破壊されたのをローズは無意識に感じ取ると思わず笑顔を浮かべてしまった。
空間、バサラの放った世界を放った斬撃、それが結界を破るとローズは驚愕していた。
(嘘だろ、オイ!? 俺と母上が編んだ特別な結界だぞ! それを切り裂いた! 多分、今の技が神を殺した剣だな! こりゃ、勝負あったか?)
ローズの考えとは裏腹にバサラとその弟子達の決闘は最終局面へと至る。
***
(あ、れ? 痛みが、引いてくる。違う、痛みはあるけど思ったより深く無い?)
ジータは目を開くとその前にはシンクが立っており、彼の手には魂乃器・夜想曲が握られていた。
「固定、絶雲氷盾」
シンクの体はジータとミカの比べて傷が深い。だが、彼女達を何重にも重ねた氷の壁が守っていおり、ジータはシンクに感謝を告げようとした瞬間、彼は倒れた。
「シンク!?」
「大声を出すな。俺が最初にやられて先生を指すプランが潰れただけだ、気にするな」
「でも、その傷の深さは!」
「なあに、死にやしないさ。だが、ミカも俺もお前よりも傷が深い。俺の防御を持っても先生の斬撃は止められなかった。加えて、豊穣の能力をお前の防御を裂いたからな。くくく、死ぬほど痛いが死にやしないか。先生は変わってない。叩き起こしてこい、ジータ」
シンクはそう言うと目を瞑り、自分が限界であることを示すとジータはそれを理解して、自身の得物である無窮壱尽を手に取った。
バサラと自分の距離を見て、ジータは弓を構えると彼もゆったりと涅槃静寂と涅焔を前にした。
バサラ、彼もまた実のところ限界が近かった。世界を断つ斬撃、それは確かにこの場では絶大な威力を誇るモノであったが三十年ぶりに撃ったことによる反動、それが全身に及んでおり、ズキズキと体の中から包丁で刺されたような痛みが走っている。
加えて、世界を断つ斬撃をジータ達を真っ二つにしない様に極限までに調整しており、嵐の矢を断つと言う絵で世界を捉えたため、それ以外の人物などに放たれる斬撃の威力は八割減となっていた。
あと一回、それはこの決闘でバサラが放てるであろう世界を断つ斬撃の回数であり、今の自分では不可能であると決め付ける。
バサラとジータ、師と弟子、神殺しと四護聖。
彼らは思いに決着をつけようと互いの共鳴器を握り締め、踏み込む。
ジータ達が切った手札の中にあったはずの作戦という名のカード、それはまだ、全て切っていない。
バサラの思考からそれが消えるまで隠し切り、シンクが自身の身を呈して彼らを守るために自分というカードを切ったことで、条件が揃い、ようやく使うことが出来る。
「まだ、忘れてもらっちゃぁ、困るなぁ!」
その瞬間を待っていたかの様に大剣を空に向けて振るう準備をしたエイブラハムがバサラの目の前に現れた。
バサラの目は世界を断つ斬撃を放ったことで極限まで研ぎ澄まされており、あらゆる視覚情報を逃さない。
だが、それを掻い潜った。
エイブラハムの空間を喰らい歪める能力、加えてシンクの魂乃器・夜想曲の蜃気楼による幻覚を重ねがけて、バサラよりも速く大剣を振り下ろした。
「III捕食空間解放!!!!」
バサラに振り下ろされた天空交響曲、それは空間を喰らうだけでは無く、喰らった空間を圧縮し、それらを解放することで相手に喰らった空間の質量をぶつけることが出来る。
最大五層まで貯めることが出来るが、今、このタイミングで貯める瞬間がなかったがそれでも三層までの空間を喰らっており、それが一気に放出された。
空間の重みとエイブラハムの力が重なり合う一撃をバサラは涅槃静寂と涅焔により防ぐも、それを無視して体に喰らった空間により生まれた質量を放出する衝撃波が地面を割った。
「ぐっ、は」
バサラが吐血するも膝をつけず、エイブラハムの一撃をギリギリまで耐え切った。
「潰れろよ! 師匠!」
エイブラハムは叫び、最後の一押しをするも天空交響曲から放たれた衝撃波は収まってしまう。瞬間、バサラの両手に握られた剣と刀がエイブラハムの体を十字に切り裂いた。
「無理、か」
十字に切られた箇所が綺麗に開かれ、傷から血が流れた。
兄弟子であるエイブラハムが倒れる。
作戦のカードは全て切り、もうジータのみが立っていた。
「終わりだ、ジータ」
バサラはそう言うとフラフラの足で踏み込むとジータの目の前に現れ、彼女の体目掛けて涅槃静寂を振るう。
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