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第二章 人神代理戦争 予兆
幕間 聖処女と帰還者
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ダルクがスタスタと歩き、王国から出て行くと仮面をつけ、様々な装飾がなされている服を着た白い髪の青年が待っていた。
「あら、帰還者かしら? ラヴァルが敵意を剥き出しにしてるのだから、実力者か、あなたくらいかと思うのだけど違う?」
ラヴァルと呼ばれたそれは全身が鉄で出来ており、剛腕と騎士の様な甲冑に身を包みながらもその大きさは騎士と呼ぶには似つかわしく巨大、そして、上半身のみが浮かぶ鉄塊であった。
そして、その腕でダルクの体を包み、守る様に帰還者と思われている者に殺意を見せつけた。
「君の守護兵は真面目だね。別に取って食おうとなんて思ってないのに」
「あなたのその態度が行けないんじゃないかしら。バサラのおじ様は敵意を一切私に向けなかった。ラヴァルが私の命令を無視して動き出すことが一度もなかったのは彼の強さの現れ。それ比べて帰還者は常に剥き出し。自分では隠してると思ってるでしょう? この際ハッキリと言うけどそれ、隠せてないからね」
ダルクは目が見えないが故に、少女の感性は他人よりも尖っている。帰還者が常に放つ物の正体。
この世全てを憎む憎悪。
それを隠そうとも消そうともせず、廃棄孔の面々の前ですら隠さない。
「失敬、失敬、君には見えてしまうんだね。これが見えるのは侍だけだと思ってたから。彼女は勝手に去っちゃったし、もう抑える必要ないかと思ってね。気をつけるよ」
「それで、何用かしら? あなたが直々に出向いたと言うことは何か用があるのでしょう?」
「話が早くて助かるよ、聖処女、十席の追加候補が二人現れた。それの確保に向かって欲しい。一人はレイルに頼んであるから、もう一人は君にお願いしたいんだ」
新たな同志を探すため、帰還者と聖処女は歩き出す。それを断る事はできず、必ず成し遂げなければならない任務。
いずれ来る戦争のために。
歩みを止めることはない。
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新たな同志を探すため、帰還者と聖処女は歩き出す。それを断る事はできず、必ず成し遂げなければならない任務。
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歩みを止めることはない。
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