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2-17.5 不審な依頼、次代聖女とシャンプマーニュ家
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王城の一室、夕食を囲んでいるのは王族のなかでも現国王に連なる者たちだ。
王妃のマーガレット、長女のエリス、次女のフローラ、三女のフレドリカ。王族の男は今日いるレオだけ。それとS級冒険者のセファエルが王妃より上座に座っていた。
唐突に、話題を提供したのは母親のマーガレットだった。
「セファエル、あの依頼の件、聞いている?」
「ああ、聞いた」
「あれ、どう見ても怪しいでしょ?」
「あれは……怪しいな」
話の脈絡がわからないフローラが聞いた。
「何の話ですか?」
「セファエルに冒険者の直接指名依頼が来ていたのよ」
フローラは苦虫を噛み潰したような顔になる。
「……ありえないですね。どこのお馬鹿でしょうか?」
セファエルはS級だ。
指名依頼を出せるのは王家か、莫大な金を積むしか無い。
しかし、そもそもセファエルはそういう依頼を断れる特殊な立場にいる。
「かなりの金を積んでいるそうよ。だから、断れるけど、王家としては受けさせると見越したのでしょうね。しかも王都からしばらくの間離れるような依頼よ」
「そこまでして、王都から彼を排除したい何者かですか? それって……」
「もう言わなくてもわかるわよね。あの家よ……」
「バイレンス家」
長女と三女だけは、話がよくわからずにずっと疑問の表情を浮かべていた。
フローラはそこで、そもそもの疑問を取り上げた。
「なぜお母様は、バイレンス家の処分を保留にしているのでしょうか? ミラさんが生きているなら、証人になりますし、処分できるのでは?」
「それは無理よ。時間をかければ個人を捕まえることは可能だけれど。とはいえ、あなた達は知らないと思うけど、王国内で旧家の家を潰す最終決定権は聖女様のものなのよ。いまはちょうど聖女様が空席になって次代を迎える準備が始まっているわ」
「そうだったんですか! 知りませんでした……」
次代と呼ぶのは、現職がいないことを周囲に知られないための欺瞞だった。
「当たり前よ。聖女が殺されていたなんて、王族にも簡単には話せないわ」
「……そういうことでしたか」
フローラは最近の母を見ていて、不自然な言動や行動のすべての理由に気付いた。
聖女の殺害事件はここ数日の出来事ではない。ミラについて話をした以前にすでに起こっていたのだと、フローラは察した。
いま話したということは、それが今後バレるような、何か大きなことをしでかすつもりなのだと理解する。
マーガレットは話を続けた。
「誰が殺したのかは、ミラさんのことを知っている私だから予想はできるけれど、黒幕の真犯人は見つかっていない。その場で刺客も死んでいたみたいだから」
「殺したのはどんな人物だったんですか?」
「黒いフードをかぶった男だったそうよ。まるで何かの教団員のような、怪しい奴だったと」
「……それで教団」
フローラは母親が教団と冗談めかしていっていたことが、ただの作り話だと思っていた。
しかし、なぜ急に「教団」という発想が出てきたのか、確かに不自然だった。
彼女には、その元となる情報源が最初からあったのだ。
「予想外だったのは、街に出向いた時、ミラさんに聖女になる返事をすぐに貰えなかったことよ」
「それは……すみませんでした」
フローラが謝る。レオも食事の手が止まった。
勧誘したのは彼だったのに、フローラが先に謝ったからだ。
「いや、俺が原因だ。誘い方が拙かったことは自覚している」
「いえ、レオお兄様は結構頑張っておられましたわ。得意ではないのに。私が上手くフォローできていれば」
謝罪の応酬が始まった。
そこで、マーガレットは2人に手で謝罪の応酬を辞めるようにジェスチャーする。
「王都にはいつ来る予定なの?」
それにフローラが答えた。
「この前、手紙が来て、王都に行く日程が決まったそうです」
「そうなのね? でも宿泊申請は来ていなかったわよ?」
「それがシャンプマーニュ家に泊まるらしいです……残念ながら」
マーガレットが、フォークの手を初めて止めった。
真剣な話のときもずっと落ち着いた様子だったのに、初めて動揺を見せていた。
「え……なぜあの家に? よりによってシャンプマーニュ家って……」
「わかりません。試験で仲良くなったとしか書かれていませんでした」
「じゃあ、あなたもあの家に泊まるようにしなさい」
マーガレットが決定事項としてフローラに言う。
母親として彼女がここまで強い口調で子供に指示を出すのは初めてだった。
だが、あの家の性質を考えれば当然だ。
「わかりました……。あの家に親しい者を探してなんとか取り次いでみます。たしか末子はリリカさんというお名前でしたね。あの方は王都の薬師養成学院ではなく、普通の学院に入られていたはずです。他の子供はすでに亡くなっていますし、子供は彼女だけだったはず」
「そういえばそうだったわね。でもなぜかしら? 聖女目指しているはずよね? 普通は薬師の学院に行くわよね」
マーガレットが疑問を口にした。
「聞いた話では、学院の試験に合格できなかったそうです。本番に弱いのだとか」
「ああ……そういうこと。それでも薬師を目指しているはずよね? 試験も受けたみたいだし」
「そのようですね。シャンプマーニュ家なら。あの家の子供が聖女選考の最終試験に通るとは到底思えないですら。それでも実子も養子も子供に目指させるのは聖女一択ですからね……あの家は」
フローラは、そこに「たぶん」と付け加えて言った。
「ミラさんが、聖女候補だと知らずに仲良くなったとしか思えないですけれど」
マーガレットがため息を付いた。
「大丈夫かしら……いえ、あなたがしっかり監視しなさい」
また懸案事項が増えた。
フローラは先ほどの話に戻る。
「それで、直接依頼はどうするおつもりなのですか?」
「セファエルがいるから直接手を出してこないのなら、あえて依頼を受けさせるのも良いかも知れないわ。彼が王都から離れたら、きっと王家を狙ってくるでしょうね」
「例の、古の聖女システムですか?」
「そうよ、古い聖女の時代には行われていた生贄儀式をしたいのでしょうね。王家の授権が行える唯一の方法だもの。その時だけは、授権する本人がいないといけないから、当主が来るはず。現行犯なら、聖女の許可がなくても当主の処刑はできるもの。ミラさんの兄と姉も連帯責任で捕まえられるし、家は潰せなくても、実質的な取り潰しに近いわ」
「セファエルの代わりは誰が?」
「そこなのよね……。でもなんとなくすでに当たりはつけているから心配しないで。武勲で名を挙げた新しい家だけど、信頼はあるから」
「お母様がそう言うなら、防衛戦力として十分なのでしょう」
そうして話が終わり、家族の団らんに戻っていくのだった。
王妃のマーガレット、長女のエリス、次女のフローラ、三女のフレドリカ。王族の男は今日いるレオだけ。それとS級冒険者のセファエルが王妃より上座に座っていた。
唐突に、話題を提供したのは母親のマーガレットだった。
「セファエル、あの依頼の件、聞いている?」
「ああ、聞いた」
「あれ、どう見ても怪しいでしょ?」
「あれは……怪しいな」
話の脈絡がわからないフローラが聞いた。
「何の話ですか?」
「セファエルに冒険者の直接指名依頼が来ていたのよ」
フローラは苦虫を噛み潰したような顔になる。
「……ありえないですね。どこのお馬鹿でしょうか?」
セファエルはS級だ。
指名依頼を出せるのは王家か、莫大な金を積むしか無い。
しかし、そもそもセファエルはそういう依頼を断れる特殊な立場にいる。
「かなりの金を積んでいるそうよ。だから、断れるけど、王家としては受けさせると見越したのでしょうね。しかも王都からしばらくの間離れるような依頼よ」
「そこまでして、王都から彼を排除したい何者かですか? それって……」
「もう言わなくてもわかるわよね。あの家よ……」
「バイレンス家」
長女と三女だけは、話がよくわからずにずっと疑問の表情を浮かべていた。
フローラはそこで、そもそもの疑問を取り上げた。
「なぜお母様は、バイレンス家の処分を保留にしているのでしょうか? ミラさんが生きているなら、証人になりますし、処分できるのでは?」
「それは無理よ。時間をかければ個人を捕まえることは可能だけれど。とはいえ、あなた達は知らないと思うけど、王国内で旧家の家を潰す最終決定権は聖女様のものなのよ。いまはちょうど聖女様が空席になって次代を迎える準備が始まっているわ」
「そうだったんですか! 知りませんでした……」
次代と呼ぶのは、現職がいないことを周囲に知られないための欺瞞だった。
「当たり前よ。聖女が殺されていたなんて、王族にも簡単には話せないわ」
「……そういうことでしたか」
フローラは最近の母を見ていて、不自然な言動や行動のすべての理由に気付いた。
聖女の殺害事件はここ数日の出来事ではない。ミラについて話をした以前にすでに起こっていたのだと、フローラは察した。
いま話したということは、それが今後バレるような、何か大きなことをしでかすつもりなのだと理解する。
マーガレットは話を続けた。
「誰が殺したのかは、ミラさんのことを知っている私だから予想はできるけれど、黒幕の真犯人は見つかっていない。その場で刺客も死んでいたみたいだから」
「殺したのはどんな人物だったんですか?」
「黒いフードをかぶった男だったそうよ。まるで何かの教団員のような、怪しい奴だったと」
「……それで教団」
フローラは母親が教団と冗談めかしていっていたことが、ただの作り話だと思っていた。
しかし、なぜ急に「教団」という発想が出てきたのか、確かに不自然だった。
彼女には、その元となる情報源が最初からあったのだ。
「予想外だったのは、街に出向いた時、ミラさんに聖女になる返事をすぐに貰えなかったことよ」
「それは……すみませんでした」
フローラが謝る。レオも食事の手が止まった。
勧誘したのは彼だったのに、フローラが先に謝ったからだ。
「いや、俺が原因だ。誘い方が拙かったことは自覚している」
「いえ、レオお兄様は結構頑張っておられましたわ。得意ではないのに。私が上手くフォローできていれば」
謝罪の応酬が始まった。
そこで、マーガレットは2人に手で謝罪の応酬を辞めるようにジェスチャーする。
「王都にはいつ来る予定なの?」
それにフローラが答えた。
「この前、手紙が来て、王都に行く日程が決まったそうです」
「そうなのね? でも宿泊申請は来ていなかったわよ?」
「それがシャンプマーニュ家に泊まるらしいです……残念ながら」
マーガレットが、フォークの手を初めて止めった。
真剣な話のときもずっと落ち着いた様子だったのに、初めて動揺を見せていた。
「え……なぜあの家に? よりによってシャンプマーニュ家って……」
「わかりません。試験で仲良くなったとしか書かれていませんでした」
「じゃあ、あなたもあの家に泊まるようにしなさい」
マーガレットが決定事項としてフローラに言う。
母親として彼女がここまで強い口調で子供に指示を出すのは初めてだった。
だが、あの家の性質を考えれば当然だ。
「わかりました……。あの家に親しい者を探してなんとか取り次いでみます。たしか末子はリリカさんというお名前でしたね。あの方は王都の薬師養成学院ではなく、普通の学院に入られていたはずです。他の子供はすでに亡くなっていますし、子供は彼女だけだったはず」
「そういえばそうだったわね。でもなぜかしら? 聖女目指しているはずよね? 普通は薬師の学院に行くわよね」
マーガレットが疑問を口にした。
「聞いた話では、学院の試験に合格できなかったそうです。本番に弱いのだとか」
「ああ……そういうこと。それでも薬師を目指しているはずよね? 試験も受けたみたいだし」
「そのようですね。シャンプマーニュ家なら。あの家の子供が聖女選考の最終試験に通るとは到底思えないですら。それでも実子も養子も子供に目指させるのは聖女一択ですからね……あの家は」
フローラは、そこに「たぶん」と付け加えて言った。
「ミラさんが、聖女候補だと知らずに仲良くなったとしか思えないですけれど」
マーガレットがため息を付いた。
「大丈夫かしら……いえ、あなたがしっかり監視しなさい」
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フローラは先ほどの話に戻る。
「それで、直接依頼はどうするおつもりなのですか?」
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「セファエルの代わりは誰が?」
「そこなのよね……。でもなんとなくすでに当たりはつけているから心配しないで。武勲で名を挙げた新しい家だけど、信頼はあるから」
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