3 / 69
1-3.魔物・フレアボア
しおりを挟む
道を歩いて1週間以上が経った。
いまだに森のそばを歩いているが、一向に人のいる場所は見えてこない。
ミラが魔物に襲われていないのは、自分でも理由がよくわからなかった。
とりあえず、草の生えている周辺には魔物がおらず、採取ができることとなにか関係しているのかもしれない。しかし、ミラがそれに気づくことはなかった。
とはいえ、魔物がこの辺にまったく生息していないということではなかった。
時折、魔物の鳴き声が森から聞こえるのだ。
ミラは歩いていて気づいたことがあった。
それは草を食べると、歩くペースが早くなっていたことだ。お腹は空いているのに、いまだに空腹で倒れることもなくだ。水と草で生きていられるのも不思議だった。
「さすがにおかしいわよね?」
草だけで人はこんなにも長く歩き続けられるものなのか。生きていられても普通に元気でいられるものなのか、と両手を見つめて疑問の表情を浮かべた。
すると、街道の少し先に誰かの姿が見えた。
ミラは少しだけ早足でその遠目に見える誰かに近づこうとした。街が近いのかもしれない。
しかし、途中でミラは速歩きの足を止めた。
「あれって……」
ミラはその場に立ち尽くした。
人ではなかった。猪のようなずんぐりとした魔物・フレアボアだ。
距離はまだあるが、ミラは急いで周囲を見渡し、森に少しだけ入った。
大きな木の後ろに隠れてやり過ごそうとしたのだ。
ゆっくり近づいてくるフレアボアに、ミラは思わず息を止めて、手で口を塞いだ。
手が震えているのは見つかったら殺されるという恐怖。
魔物は基本的に人が逃げても足が早くて逃げ切れない。
だから、逃走は悪手だ。
「ぐっるるるるぅ」
フレアボアはミラの隠れたすぐそばの地面を、鼻でくんくんと嗅いで、何かに気づいた。
ばしゅ、ばしゅっ。
地面を蹴るような音の後、ものすごい衝撃がミラの背中から伝わってきた。
ドガッ、バキバキ。
そのまま大きな木は爆散し、ミラは爆風を背後から受けたように空中に吹き飛ぶ。
全身を地面に打ち付けて、悲鳴を上げながら森の中を転がった。
ようやく、木の根元に腹が引っかかり、ミラの体は止まる。
「うぐぅ……、すごく痛いわ……」
ミラはお腹を押さえてなんとか立ち上がる。
手に少しだけ持っていた草を食べて、ポケットに入っていた草を取り出した。
お腹の出血した部分にも当てたのだ。血を止めないとまずい大出血のケガだった。
もはや細かい傷にかまっている暇はなく、この場を一刻も早く逃げなくてはあの魔物に殺されてしまう。
草のおかげで痛いのが少し和らいだのか、血も止まって動けるようになった。
ゆっくり足音を立てないように木の陰からひっそりと移動した。
だが、魔物は匂いを追っているようで、すぐに見つかった。
まずい、と感じたときには、ミラは横に大きく地面を蹴って斜め前方に飛んだ。
真横をものすごい勢いで通り過ぎるフレアボア。
だが、直進から急激に方向転換し、ミラのほうに突っ込んできた。
目論見は外れた。あの巨体で方向転換も自在だ。『真っ直ぐにしか走らない直進するだけの魔物』ではなかった。
暴れ狂うような動き。突進をあらゆる場所に方向転換できる。なんの武器も持たずに人が立ち向かうべき魔物ではない。この事実をミラは思い知った。
フレアボアは方向を間違えたのか巨大な木に突進した。
魔物が足止めを受けたことで、ミラは魔物から少し距離を離すことに成功する。
だが、次はないだろう。
何か、対抗する手段はないのか?
しかし、ミラは草と路銀の銅貨しか持っていない。
「どうすれば……」
ふと、斜め後ろを見て、草がたくさん生えていることに気づいた。
そこに飛び込むように走り、必死でその草をむしり取ったのだ。
(こうなったら、食べられる前にこの草を口に突っ込んでやるわ)
このまずい薬草を口に入れれば多少は何か起こるかもしれない。
匂いも強いし、鼻の敏感そうなあの魔物なら動けなくなる可能性だってあるはずだと。
魔物の動きは早いが目で追えないわけではなかった。草を口に入れるくらいはできるはず。
ただ少しでも掠れば、身体が吹き飛ぶ。
ミラは額から一筋の汗を垂らして、手の薬草に力を込めて待ち構えた。
だが、魔物はその場に走って突っ込んでこなかった。
「あれ?」
どうやらクンクンと匂いをかぎ、ブルルゥと少しだけ後退した。
この草の匂いがもうすでに苦手なのだとミラは気づいた。この薬草の数は、たしかに匂いも濃い。
1本や2本では防げなくても、これだけたくさんの薬草があれば寄ってこれないのだろう。
「つまり、ここって安全地帯?」
ミラは魔物とにらみ合うように、恐る恐る草の中心点に後退する。
そのにらみ合いは暫く続くと、魔物は森の奥へと歩いていった。
その場に留まるのさえ嫌だったのだろう。
「た、助かった……」
へなへなと膝をついて、草の中心部で地面に両手をついた。
「これ何かしら?」
手に取ったのは少しだけ色の違う草だった。
あれだけたくさんの草を採取したのに、初めて見る神秘的な色だった。
「毒……ではないわよね?」
同じ種類のはずだが、色だけ少し違う。
「とりあえず採集だけしておきましょ」
ポケットにその草を入れる。
魔物に襲われて初めて気づいたが、この草はたくさんあると魔物が寄ってこないらしい。
ならもう少したくさん持ち運んでおきたい。
そこで、近くにある大きな葉っぱを結んでバッグのようにした。その中に、草を入るだけ詰め込んだ。
「草ってすごくかさばるのね」
本数が多いせいか、ぱんぱんで葉っぱの結び目が千切れそうだった。
だが、命には変えられないし、魔物と遭遇したときのためにそのまま持ち歩くことにする。
ミラは、繰り返し、葉っぱを食べて採集し、たまに見つける色違いの草を摘んで、道を進んだ。
ようやく、隣の街が見えてきたのである。
兄はきっと、私が生きて隣町にたどり着くとは思っていなかったのだろう。
もし、気づかれれば、次はどんな目に合うかわからない。それくらい、なりふり構わず追い出そうとしてきた。
もしかしたら、あの様子だと次は誰か暗殺者を差し向けられて殺されるかもしれない。
あの家にはそれくらいの力は当然あるはずだとミラは頷く。
自分の素性を伏せて、この街で密やかに暮らしていくことに、とりあえず目的を決めるミラだった。
いまだに森のそばを歩いているが、一向に人のいる場所は見えてこない。
ミラが魔物に襲われていないのは、自分でも理由がよくわからなかった。
とりあえず、草の生えている周辺には魔物がおらず、採取ができることとなにか関係しているのかもしれない。しかし、ミラがそれに気づくことはなかった。
とはいえ、魔物がこの辺にまったく生息していないということではなかった。
時折、魔物の鳴き声が森から聞こえるのだ。
ミラは歩いていて気づいたことがあった。
それは草を食べると、歩くペースが早くなっていたことだ。お腹は空いているのに、いまだに空腹で倒れることもなくだ。水と草で生きていられるのも不思議だった。
「さすがにおかしいわよね?」
草だけで人はこんなにも長く歩き続けられるものなのか。生きていられても普通に元気でいられるものなのか、と両手を見つめて疑問の表情を浮かべた。
すると、街道の少し先に誰かの姿が見えた。
ミラは少しだけ早足でその遠目に見える誰かに近づこうとした。街が近いのかもしれない。
しかし、途中でミラは速歩きの足を止めた。
「あれって……」
ミラはその場に立ち尽くした。
人ではなかった。猪のようなずんぐりとした魔物・フレアボアだ。
距離はまだあるが、ミラは急いで周囲を見渡し、森に少しだけ入った。
大きな木の後ろに隠れてやり過ごそうとしたのだ。
ゆっくり近づいてくるフレアボアに、ミラは思わず息を止めて、手で口を塞いだ。
手が震えているのは見つかったら殺されるという恐怖。
魔物は基本的に人が逃げても足が早くて逃げ切れない。
だから、逃走は悪手だ。
「ぐっるるるるぅ」
フレアボアはミラの隠れたすぐそばの地面を、鼻でくんくんと嗅いで、何かに気づいた。
ばしゅ、ばしゅっ。
地面を蹴るような音の後、ものすごい衝撃がミラの背中から伝わってきた。
ドガッ、バキバキ。
そのまま大きな木は爆散し、ミラは爆風を背後から受けたように空中に吹き飛ぶ。
全身を地面に打ち付けて、悲鳴を上げながら森の中を転がった。
ようやく、木の根元に腹が引っかかり、ミラの体は止まる。
「うぐぅ……、すごく痛いわ……」
ミラはお腹を押さえてなんとか立ち上がる。
手に少しだけ持っていた草を食べて、ポケットに入っていた草を取り出した。
お腹の出血した部分にも当てたのだ。血を止めないとまずい大出血のケガだった。
もはや細かい傷にかまっている暇はなく、この場を一刻も早く逃げなくてはあの魔物に殺されてしまう。
草のおかげで痛いのが少し和らいだのか、血も止まって動けるようになった。
ゆっくり足音を立てないように木の陰からひっそりと移動した。
だが、魔物は匂いを追っているようで、すぐに見つかった。
まずい、と感じたときには、ミラは横に大きく地面を蹴って斜め前方に飛んだ。
真横をものすごい勢いで通り過ぎるフレアボア。
だが、直進から急激に方向転換し、ミラのほうに突っ込んできた。
目論見は外れた。あの巨体で方向転換も自在だ。『真っ直ぐにしか走らない直進するだけの魔物』ではなかった。
暴れ狂うような動き。突進をあらゆる場所に方向転換できる。なんの武器も持たずに人が立ち向かうべき魔物ではない。この事実をミラは思い知った。
フレアボアは方向を間違えたのか巨大な木に突進した。
魔物が足止めを受けたことで、ミラは魔物から少し距離を離すことに成功する。
だが、次はないだろう。
何か、対抗する手段はないのか?
しかし、ミラは草と路銀の銅貨しか持っていない。
「どうすれば……」
ふと、斜め後ろを見て、草がたくさん生えていることに気づいた。
そこに飛び込むように走り、必死でその草をむしり取ったのだ。
(こうなったら、食べられる前にこの草を口に突っ込んでやるわ)
このまずい薬草を口に入れれば多少は何か起こるかもしれない。
匂いも強いし、鼻の敏感そうなあの魔物なら動けなくなる可能性だってあるはずだと。
魔物の動きは早いが目で追えないわけではなかった。草を口に入れるくらいはできるはず。
ただ少しでも掠れば、身体が吹き飛ぶ。
ミラは額から一筋の汗を垂らして、手の薬草に力を込めて待ち構えた。
だが、魔物はその場に走って突っ込んでこなかった。
「あれ?」
どうやらクンクンと匂いをかぎ、ブルルゥと少しだけ後退した。
この草の匂いがもうすでに苦手なのだとミラは気づいた。この薬草の数は、たしかに匂いも濃い。
1本や2本では防げなくても、これだけたくさんの薬草があれば寄ってこれないのだろう。
「つまり、ここって安全地帯?」
ミラは魔物とにらみ合うように、恐る恐る草の中心点に後退する。
そのにらみ合いは暫く続くと、魔物は森の奥へと歩いていった。
その場に留まるのさえ嫌だったのだろう。
「た、助かった……」
へなへなと膝をついて、草の中心部で地面に両手をついた。
「これ何かしら?」
手に取ったのは少しだけ色の違う草だった。
あれだけたくさんの草を採取したのに、初めて見る神秘的な色だった。
「毒……ではないわよね?」
同じ種類のはずだが、色だけ少し違う。
「とりあえず採集だけしておきましょ」
ポケットにその草を入れる。
魔物に襲われて初めて気づいたが、この草はたくさんあると魔物が寄ってこないらしい。
ならもう少したくさん持ち運んでおきたい。
そこで、近くにある大きな葉っぱを結んでバッグのようにした。その中に、草を入るだけ詰め込んだ。
「草ってすごくかさばるのね」
本数が多いせいか、ぱんぱんで葉っぱの結び目が千切れそうだった。
だが、命には変えられないし、魔物と遭遇したときのためにそのまま持ち歩くことにする。
ミラは、繰り返し、葉っぱを食べて採集し、たまに見つける色違いの草を摘んで、道を進んだ。
ようやく、隣の街が見えてきたのである。
兄はきっと、私が生きて隣町にたどり着くとは思っていなかったのだろう。
もし、気づかれれば、次はどんな目に合うかわからない。それくらい、なりふり構わず追い出そうとしてきた。
もしかしたら、あの様子だと次は誰か暗殺者を差し向けられて殺されるかもしれない。
あの家にはそれくらいの力は当然あるはずだとミラは頷く。
自分の素性を伏せて、この街で密やかに暮らしていくことに、とりあえず目的を決めるミラだった。
430
お気に入りに追加
2,651
あなたにおすすめの小説

聖女の私が追放されたらお父さんも一緒についてきちゃいました。
重田いの
ファンタジー
聖女である私が追放されたらお父さんも一緒についてきちゃいました。
あのお、私はともかくお父さんがいなくなるのは国としてマズイと思うのですが……。
よくある聖女追放ものです。
お前など家族ではない!と叩き出されましたが、家族になってくれという奇特な騎士に拾われました
蒼衣翼
恋愛
アイメリアは今年十五歳になる少女だ。
家族に虐げられて召使いのように働かされて育ったアイメリアは、ある日突然、父親であった存在に「お前など家族ではない!」と追い出されてしまう。
アイメリアは養子であり、家族とは血の繋がりはなかったのだ。
閉じ込められたまま外を知らずに育ったアイメリアは窮地に陥るが、救ってくれた騎士の身の回りの世話をする仕事を得る。
養父母と義姉が自らの企みによって窮地に陥り、落ちぶれていく一方で、アイメリアはその秘められた才能を開花させ、救い主の騎士と心を通わせ、自らの居場所を作っていくのだった。
※小説家になろうさま・カクヨムさまにも掲載しています。

【完結】聖女にはなりません。平凡に生きます!
暮田呉子
ファンタジー
この世界で、ただ平凡に、自由に、人生を謳歌したい!
政略結婚から三年──。夫に見向きもされず、屋敷の中で虐げられてきたマリアーナは夫の子を身籠ったという女性に水を掛けられて前世を思い出す。そうだ、前世は慎ましくも充実した人生を送った。それなら現世も平凡で幸せな人生を送ろう、と強く決意するのだった。

【完結】白い結婚で生まれた私は王族にはなりません〜光の精霊王と予言の王女〜
白崎りか
ファンタジー
「悪女オリヴィア! 白い結婚を神官が証明した。婚姻は無効だ! 私は愛するフローラを王妃にする!」
即位したばかりの国王が、宣言した。
真実の愛で結ばれた王とその恋人は、永遠の愛を誓いあう。
だが、そこには大きな秘密があった。
王に命じられた神官は、白い結婚を偽証していた。
この時、悪女オリヴィアは娘を身ごもっていたのだ。
そして、光の精霊王の契約者となる予言の王女を産むことになる。
第一部 貴族学園編
私の名前はレティシア。
政略結婚した王と元王妃の間にできた娘なのだけど、私の存在は、生まれる前に消された。
だから、いとこの双子の姉ってことになってる。
この世界の貴族は、5歳になったら貴族学園に通わないといけない。私と弟は、そこで、契約獣を得るためのハードな訓練をしている。
私の異母弟にも会った。彼は私に、「目玉をよこせ」なんて言う、わがままな王子だった。
第二部 魔法学校編
失ってしまったかけがえのない人。
復讐のために精霊王と契約する。
魔法学校で再会した貴族学園時代の同級生。
毒薬を送った犯人を捜すために、パーティに出席する。
修行を続け、勇者の遺産を手にいれる。
前半は、ほのぼのゆっくり進みます。
後半は、どろどろさくさくです。
小説家になろう様にも投稿してます。

辺境地で冷笑され蔑まれ続けた少女は、実は土地の守護者たる聖女でした。~彼女に冷遇を向けた街人たちは、彼女が追放された後破滅を辿る~
銀灰
ファンタジー
陸の孤島、辺境の地にて、人々から魔女と噂される、薄汚れた少女があった。
少女レイラに対する冷遇の様は酷く、街中などを歩けば陰口ばかりではなく、石を投げられることさえあった。理由無き冷遇である。
ボロ小屋に住み、いつも変らぬ質素な生活を営み続けるレイラだったが、ある日彼女は、住処であるそのボロ小屋までも、開発という名目の理不尽で奪われることになる。
陸の孤島――レイラがどこにも行けぬことを知っていた街人たちは彼女にただ冷笑を向けたが、レイラはその後、誰にも知られずその地を去ることになる。
その結果――?
若奥様は緑の手 ~ お世話した花壇が聖域化してました。嫁入り先でめいっぱい役立てます!
古森真朝
恋愛
意地悪な遠縁のおばの邸で暮らすユーフェミアは、ある日いきなり『明後日に輿入れが決まったから荷物をまとめろ』と言い渡される。いろいろ思うところはありつつ、これは邸から出て自立するチャンス!と大急ぎで支度して出立することに。嫁入り道具兼手土産として、唯一の財産でもある裏庭の花壇(四畳サイズ)を『持参』したのだが――実はこのプチ庭園、長年手塩にかけた彼女の魔力によって、神域霊域レベルのレア植物生息地となっていた。
そうとは知らないまま、輿入れ初日にボロボロになって帰ってきた結婚相手・クライヴを救ったのを皮切りに、彼の実家エヴァンス邸、勤め先である王城、さらにお世話になっている賢者様が司る大神殿と、次々に起こる事件を『あ、それならありますよ!』とプチ庭園でしれっと解決していくユーフェミア。果たして嫁ぎ先で平穏を手に入れられるのか。そして根っから世話好きで、何くれとなく構ってくれるクライヴVS自立したい甘えベタの若奥様の勝負の行方は?
*カクヨム様で先行掲載しております

私生児聖女は二束三文で売られた敵国で幸せになります!
近藤アリス
恋愛
私生児聖女のコルネリアは、敵国に二束三文で売られて嫁ぐことに。
「悪名高い国王のヴァルター様は私好みだし、みんな優しいし、ご飯美味しいし。あれ?この国最高ですわ!」
声を失った儚げ見た目のコルネリアが、勘違いされたり、幸せになったりする話。
※ざまぁはほんのり。安心のハッピーエンド設定です!
※「カクヨム」にも掲載しています。

【完結】精霊に選ばれなかった私は…
まりぃべる
ファンタジー
ここダロックフェイ国では、5歳になると精霊の森へ行く。精霊に選んでもらえれば、将来有望だ。
しかし、キャロル=マフェソン辺境伯爵令嬢は、精霊に選んでもらえなかった。
選ばれた者は、王立学院で将来国の為になるべく通う。
選ばれなかった者は、教会の学校で一般教養を学ぶ。
貴族なら、より高い地位を狙うのがステータスであるが…?
☆世界観は、緩いですのでそこのところご理解のうえ、お読み下さるとありがたいです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる