十年愛 〜私が愛した人はズルイ人でした。それでも愛するのを止められないのは私の罪ですか?〜

朔良

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春疾風10《はるはやて》

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「久堂さん、如月さんお疲れ様です!どーぞ、飲んでくださいね、遅れてきたんですから!」

久堂と美咲の席にお酒を注ぎにきた。

「ごめんねぇ、井上さん。急な呼び出しでさ・・。」

「久堂さん、大丈夫ですよこうして来てくれたんですから!」

「ほんと、ゴメンね。」

「如月さんも気にせずにドンドン飲んでくださいよ!!」

花音は美咲のグラスにビールを注ぐ。

「あっ、大丈夫だよ。ありがとう。」

美咲は静止するように言ったが、花音がウズウズしながら隣で待っているのを見ると飲むしかなかった。
そうこうしていると、あっという間に2時間経ってしまう。

皆だいぶ酔いが回っていた。
皆が久堂と美咲の所に酒を注ぎに行っていたので2人も少し酔いが回る状態だった。

「これ、最後ですから。」

そう言って花音は久堂にはハイボールを美咲にはジンライムを持って来た。

「もう大丈夫ですよ~。結構飲んだんで。」

「まだまだですよ!取り敢えず最後の一杯ですから!!」

「でも・・。」

「そんなっ、如月さん飲んでくれないの・・。」

明らかにがっかりした様子の花音を見ると罪悪感を感じた。

「わかった、これで最後ね。」

花音からジンライムのグラスを受け取ると一口飲む。

「・・・・?」

すると、グラスをまじまじと見て首をかしげた。

「如月・・さん?どうかしました?」

「あ、うん。何かこれいつもの味と違うかなって思って・・。」

「えぇ!!な、何言ってるんですか!ほら、お店によって味も変わりますし。」

「ん~、そうなんだけど・・。気にし過ぎかな?」

「そ、そうですよ!さぁ、飲んで飲んで!!」

そんな美咲と花音のやりとりを近くで見ていた中垣は何とも言えない気持ちになった。

「はい、もう予約の時間も終わりましたのでおひらきにしたいと思います!!」

尾崎が声を上げる。

「この後、二次会もあるのでぜひ参加してください!!」

「久堂さん?二次会行くんですか?」

「いやぁー、ここで・・。」

「久堂さんも行きますよねっ!!二次会。逃がしませんよ~!」

「お、尾崎さん?いやでも・・。」

「でもも何もありません!!これは、決定事項です!!」

「えぇ~。」

そんなやり取りを隣で見ていた美咲が笑う。

「久堂さん、尾崎さんからは逃げられないですよ!?」

「そーそー、お前もな!!」

「えっ、私もっ?」

「当たり前だろぅ。俺が美咲をはなすかよ!」

そう言って尾崎が美咲の手を掴んだ。

「あっ・・。」

一瞬何だか背筋に電気が走ったような感じがする。

「美咲?」

尾崎が不思議そうな顔をした。

「あっ、ううん何でもない。」

(なんだろう?何だか身体が熱くなってきた。そんなに飲んだわけじゃないのに・・。)

考え込んでいると、花音が荷物を持ってやってくる。

「尾崎さん、無理強いはダメですよ?如月さんには私が付き添ってタクシーまで送りますから。」

「そう?美咲、大丈夫か?」

「あ、うん。大丈夫。井上さんも大丈夫だから二次会行って?」

「如月さんを送ったら行きますから、気にしないで下さい!!」

「それは申し訳ないから、ホント気にしないでって?今日の主役なんだから!」

「あ~、ちょっと如月さんに相談があるんですよ!」

「相談?」

「はい、男の人には聞かれたくないんです・・。」

そう言って花音は俯いてしまった。

「尾崎さん、久堂さん、私は大丈夫なので気にせずに二次会行って下さい。」

「でも・・。」

「もう、2人とも心配症すぎます!!」

「わかった、なにかあったら直ぐに連絡する事!!わかった?」

「はい!了解です。」





歓迎会も無事に終わり、皆は二次会に行った。
中には一次会で帰る人間もいた。
中垣もその中の一人だった。

「じゃあ、井上さん?どうします?」

「あ、この近くに雰囲気の良いバーがあるんでそこに行きませんか?」

「そうなの?うん良いよ、行こうか。」

ビルの外に出て井上を待つ。
暫くすると、荷物を持った井上がビルからでてした。

「如月さん行きましょうか?」

「うん。いこっか。」

ビルの外で二次会組と帰宅組には挨拶してあった。

ただ、美咲の身体がさっきよりあつくなっていていた。

(何だろう?なんだか身体が変だ。)

さっきから、自分の身体がおかしくなっていくのを感じていた。

「あ、如月さんごめんなさい。ちょっとコンビニに行ってくるんで、ここで待っててもらっても大丈夫ですか?」

「??大丈夫だよ。じゃあ、ここで待ってるね?」

「すみません。」

そう言うと花音は近くのコンビニへ向かう。
一人残された美咲はスマホを取り出してメールのチェックをした。

気がつくと結構時間が経っていた。

(井上さんまだ来ないけど何かあったのかな?)

ふと、そう思い視線を上げるとちょうど歩いていた若い男性グループと目が合う。
咄嗟に視線をそらすが、3人組の男たちが近づいてきた。

「おねーさん。今俺達の事見てたよね?何?遊んでくれるの?」

「うわー、いい女じゃん。俺らと良いことしようぜ。」

「人と待ち合わせているので結構です。」

「そんな連れないことあ言うなよ~それにそんな物欲しそうな顔して説得力ないぜ~。」

リーダー的な男が美咲に顔を近づけていう。

「物欲しそうなって、そんな事ありません!」

「いーや、ほらほら、ホントは男が欲しいんだろ?」

男が美咲の肩に手を置く。

「っあ、、、、や、やめて・・下さい・・。」

「ははっ、良い感度してるじゃん!!ほら行こうぜ?ここからホテルなんてすぐだ。そのつもりだったんだろっ?ほら、来いよ。」

美咲の腕を掴むと強引に引き寄せられる。

「やめてっ!!」

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