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狂い咲き13
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(私も帰ろう。きっと昴おじさん心配してるだろうな・・。)
少し早足で別荘を目指し、別荘に着くと結城の車が泊まっていた。
(なんて説明しよう・・。本当の事を言っても信じてもらえないだろうし。)
理由を考えながら玄関への階段を登ると別荘から結城が出て来た。
「あぁ、美咲お帰り。散歩にでも行ってたのかい?」
「えっ・・?う、うん。」
いつも通りで気が抜けてしまう。
「そうか、俺はさっきこっちに戻って来たところなんだ。」
「えっ?さっき?」
「?ああ。」
「えーっと、今日って何日?」
「本当にどうしたんだ?」
結城は美咲の顔をマジマジと見つめた。
「朝も電話で話したじゃないか。今日は、27日だよ?」
「にじゅう・・しちにち?」
咄嗟にスマホを取り出すと時間と日付を確認する。
『11月27日の13時47分』
だった。
(うそっ!!?確かに私はあの場所で2日過ごしたはずなのに・・。時間が戻った?それともあの場所だけ時間の進みが早いとか?)
一気に混乱状態になるが何とか頭を整理する。
(きっと、あの場所だけ時の流れが違ったんだね・・。あんな事が起きるんだもん時間の進みがおかしくたって変じゃない・・よね?)
「本当にどうした?」
結城が困惑した顔で美咲の顔を覗き込んだ。
「ううん・・。何でもないっ!!」
「そう・・か?」
その時一陣の風が美咲の髪を揺らせた。ほのかに甘い香りがする。
吹いていった風を追うように視線を空に向ける。何処までも蒼く高い空だった。
『みさきさん・・ありがとう。』
頭の中に言葉が響いた。
(あぁ、咲さん達が私が困らないようにしてくれたんだ・・。二人でユックリ眠って?)
何だか咲と藤治が笑っている気がした。
「美咲?髪に花びらが付いてる。」
すっと手を伸ばすと白い花びらを美咲に渡す。白い藤の花の花びらだった。その花びらを優しくソっと握った。
その日は別荘の近くのレストランで夕食を済ませた。
二人で帰ってくるとウッドデッキに座りワインを飲んだ。
「どうだった?少しはリフレッシュ出来たかな?」
「うん。とっても・・とっても良い休みだったよ?」
「・・・・そうか?なら、良いんだ。」
「うん・・。はぁー、それにしても明日にはもう帰らなきゃいけないなんて・・。」
「あはははっ、また来れば良いだろう?美咲が使いたい時があれば鍵は渡すから、自分の別荘だって思ってくれて良いよ?」
「うん。でも、ここにはおじさんと一緒に来たいかな・・?両親との記憶も有るしね。」
「そっか。」
「うん。」
翌日、二人は白馬の別荘を後にした。
少し早足で別荘を目指し、別荘に着くと結城の車が泊まっていた。
(なんて説明しよう・・。本当の事を言っても信じてもらえないだろうし。)
理由を考えながら玄関への階段を登ると別荘から結城が出て来た。
「あぁ、美咲お帰り。散歩にでも行ってたのかい?」
「えっ・・?う、うん。」
いつも通りで気が抜けてしまう。
「そうか、俺はさっきこっちに戻って来たところなんだ。」
「えっ?さっき?」
「?ああ。」
「えーっと、今日って何日?」
「本当にどうしたんだ?」
結城は美咲の顔をマジマジと見つめた。
「朝も電話で話したじゃないか。今日は、27日だよ?」
「にじゅう・・しちにち?」
咄嗟にスマホを取り出すと時間と日付を確認する。
『11月27日の13時47分』
だった。
(うそっ!!?確かに私はあの場所で2日過ごしたはずなのに・・。時間が戻った?それともあの場所だけ時間の進みが早いとか?)
一気に混乱状態になるが何とか頭を整理する。
(きっと、あの場所だけ時の流れが違ったんだね・・。あんな事が起きるんだもん時間の進みがおかしくたって変じゃない・・よね?)
「本当にどうした?」
結城が困惑した顔で美咲の顔を覗き込んだ。
「ううん・・。何でもないっ!!」
「そう・・か?」
その時一陣の風が美咲の髪を揺らせた。ほのかに甘い香りがする。
吹いていった風を追うように視線を空に向ける。何処までも蒼く高い空だった。
『みさきさん・・ありがとう。』
頭の中に言葉が響いた。
(あぁ、咲さん達が私が困らないようにしてくれたんだ・・。二人でユックリ眠って?)
何だか咲と藤治が笑っている気がした。
「美咲?髪に花びらが付いてる。」
すっと手を伸ばすと白い花びらを美咲に渡す。白い藤の花の花びらだった。その花びらを優しくソっと握った。
その日は別荘の近くのレストランで夕食を済ませた。
二人で帰ってくるとウッドデッキに座りワインを飲んだ。
「どうだった?少しはリフレッシュ出来たかな?」
「うん。とっても・・とっても良い休みだったよ?」
「・・・・そうか?なら、良いんだ。」
「うん・・。はぁー、それにしても明日にはもう帰らなきゃいけないなんて・・。」
「あはははっ、また来れば良いだろう?美咲が使いたい時があれば鍵は渡すから、自分の別荘だって思ってくれて良いよ?」
「うん。でも、ここにはおじさんと一緒に来たいかな・・?両親との記憶も有るしね。」
「そっか。」
「うん。」
翌日、二人は白馬の別荘を後にした。
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