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忘却の楔5
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「・・・・。」
「・・・・・・。」
どう話したら良のかためらっていると、久堂が先に話した。
「如月さん?俺はそんなに頼りにならないか?困った時・迷った時何時だって俺は如月さんの力になりたいと思ってる。」
美咲の手を取ってそう告げた。
「・・久堂・さん・・。」
美咲は意を決して話をした。
雅也がニューヨークに行ってからの事、仕事中に倒れ1~2年。というか美咲との事だけ忘れてしまってその事に苦しんでいる事。雅也の兄に頼まれてまた再会をしたこと。
「・・如月さんはそれでいいの?」
「えっ?」
「また、辛い思いをするんじゃないか?あの時みたいに・・。俺はもうあんな如月さんを見たくないんだ!!」
「久堂・・さん。」
美咲は目を伏せた。確かにあの時は辛くて苦しくてそのまま居なくなってしまいたかった。でも、久堂や結城のお陰で立ち直れた・・。それは間違いない。
でも、だからといって苦しんでいる雅也を放おっておけないのも事実だ。
「お互い辛いと思うんです。雅也さんも・・。ニューヨークに行ってからほとんど休み無しで朝から夜まで仕事して・・それはきっと私の事を忘れるためだと思うんです。なのに、今度は記憶を失ってしまって苦しんでる。結局、私の存在は雅也さんを苦しめるだけなんですよ。」
苦しそうに吐き出された言葉が余りにも哀しすぎて思わず美咲を抱きしめた。
「どうしてっ!?どうして君はそんなに優しいんだ?如月さんだって辛いだろう?何もかもを一人で背負わなくて良いんだ!!」
そう言うと久堂は思いっきり美咲を抱きしめる。
「久堂さん。それは違います。私は弱い人間だから眼の前の現実を受け入れられないで、自分の殻に閉じこもってしまった。そのほうが、楽だし辛くないから。でも、何時までもそんな事をしてたら駄目だって気が付いたんです。どんなに辛いことも悲しいことも苦しいことも自分で乗り越えていかなきゃいけないんです。」
「そんな事ないっ!!如月さんは何時だって強くて周りを思いやることが出来る人だよ?今回だって本当は辛いだろう?」
「・・・でも、雅也さんも闘ってるんです。それを手助け出来るのにしないのは嫌なんです。わがまま言ってごめんなさい。それでも、私は・・。」
「わかった!!もう言わなくて良いよ?」
久堂は美咲の頬に手を伸ばした。まるで慈しむように頬を撫でる。
「ほんと、参っちゃうよな好きになった娘が素敵すぎて・・。」
「久堂、、さん・・。」
軽く美咲の唇を撫でると、あっという間に掠め取った。薄く開いた唇から舌が入り込み美咲の弱い場所を刺激した。
「はっ・・くどう・・さ・ん。」
ひとしきり口づけをすると美咲を思いっきり抱きしめる。
「これからは、俺に何でも言って?長嶺さんとの事も。俺が話を聞くから。」
真摯な視線を受けると美咲は頷いた。
「解りました。何かあったら相談しますね?ありがとうございます。」
久堂の大きな手を握った。
「・・・・・・。」
どう話したら良のかためらっていると、久堂が先に話した。
「如月さん?俺はそんなに頼りにならないか?困った時・迷った時何時だって俺は如月さんの力になりたいと思ってる。」
美咲の手を取ってそう告げた。
「・・久堂・さん・・。」
美咲は意を決して話をした。
雅也がニューヨークに行ってからの事、仕事中に倒れ1~2年。というか美咲との事だけ忘れてしまってその事に苦しんでいる事。雅也の兄に頼まれてまた再会をしたこと。
「・・如月さんはそれでいいの?」
「えっ?」
「また、辛い思いをするんじゃないか?あの時みたいに・・。俺はもうあんな如月さんを見たくないんだ!!」
「久堂・・さん。」
美咲は目を伏せた。確かにあの時は辛くて苦しくてそのまま居なくなってしまいたかった。でも、久堂や結城のお陰で立ち直れた・・。それは間違いない。
でも、だからといって苦しんでいる雅也を放おっておけないのも事実だ。
「お互い辛いと思うんです。雅也さんも・・。ニューヨークに行ってからほとんど休み無しで朝から夜まで仕事して・・それはきっと私の事を忘れるためだと思うんです。なのに、今度は記憶を失ってしまって苦しんでる。結局、私の存在は雅也さんを苦しめるだけなんですよ。」
苦しそうに吐き出された言葉が余りにも哀しすぎて思わず美咲を抱きしめた。
「どうしてっ!?どうして君はそんなに優しいんだ?如月さんだって辛いだろう?何もかもを一人で背負わなくて良いんだ!!」
そう言うと久堂は思いっきり美咲を抱きしめる。
「久堂さん。それは違います。私は弱い人間だから眼の前の現実を受け入れられないで、自分の殻に閉じこもってしまった。そのほうが、楽だし辛くないから。でも、何時までもそんな事をしてたら駄目だって気が付いたんです。どんなに辛いことも悲しいことも苦しいことも自分で乗り越えていかなきゃいけないんです。」
「そんな事ないっ!!如月さんは何時だって強くて周りを思いやることが出来る人だよ?今回だって本当は辛いだろう?」
「・・・でも、雅也さんも闘ってるんです。それを手助け出来るのにしないのは嫌なんです。わがまま言ってごめんなさい。それでも、私は・・。」
「わかった!!もう言わなくて良いよ?」
久堂は美咲の頬に手を伸ばした。まるで慈しむように頬を撫でる。
「ほんと、参っちゃうよな好きになった娘が素敵すぎて・・。」
「久堂、、さん・・。」
軽く美咲の唇を撫でると、あっという間に掠め取った。薄く開いた唇から舌が入り込み美咲の弱い場所を刺激した。
「はっ・・くどう・・さ・ん。」
ひとしきり口づけをすると美咲を思いっきり抱きしめる。
「これからは、俺に何でも言って?長嶺さんとの事も。俺が話を聞くから。」
真摯な視線を受けると美咲は頷いた。
「解りました。何かあったら相談しますね?ありがとうございます。」
久堂の大きな手を握った。
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