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パーティー3

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美咲は色々考えたが、マスターとママに口を開いた。

「実は・・。」

長嶺の事、家の都合で別れることになった事等をかいつまんで話した。
長嶺が白鳳グループの会長の息子って事や、長嶺の両親とどんな話をしたか等は伏せていった。

「そう・・・・。美咲ちゃん辛い思いをしたわね?本当に好きになった相手と別れなきゃいけなかったなんてね?」

ママが隣の席に座って話を聞いてくれて手を優しく握ってくれた。

「ママ・・。ううん、辛い思いをしたのはきっと彼の方だと思う。私は・・、最悪なかたちで別れをつげたから・・。」

唇を噛み締めた。間違いなく、自分の行動は長嶺を深く傷付けた自覚はある。
だから、どんなに長嶺になじられようが蔑まれようが耐える覚悟はしていた。

「でも・・、私は弱い人間なんです・・。いざ、そういう場面になったら尻込みしちゃって・・。ほんと、ダメダメですよね?」

自嘲気味に笑った。

「そんな事無い。人間は弱くて良いの、それをどうやって乗り越えていくかが大事なのよ?」

「・・・・。」

ジッとママが握ってくれた手を見つめた。
とても暖かくて、優しい気持ちになった。

「うん。ママ、わかった。私、頑張って乗り越えて見せるね?」

「ふふっ、そうじゃないと!?ねぇ?あなた?」

マスターに向かって優しい笑顔を向けた。

「そうだよ?美咲ちゃんが頑張ってるのは皆知ってる。誰も美咲ちゃんを責める事なんて出来ないよ?」

「ありがとう、マスター・ママ。今日、ちょっと凹んでたの。だけど二人の顔見たら元気になった!」

爽やかな笑顔を浮かべた。

「そうそう、美咲ちゃんにはやっぱり笑顔が一番似合うわ?辛くなったら私達を頼って?何にも出来ないおじいちゃんとおばあちゃんだけど、話ぐらいは聞けるからね?」

「ううん。私にとっては、お父さんお母さんみたいな存在だよ?ありがとう・・。」

「あらあら、美咲ちゃんのお父さんお母さんは沢山いるのね?」

「・・。はい。皆私の大切な人達です。」

マスターとママに話を聞いてもらえたからか、気分が少し楽になった。
(昴おじさんも私の事を思って誘ってくれたんだろうし・・。ちゃんと、同伴者役をしないとな!?)

そう、自分を奮い立たせた。
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