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ライバル6

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美咲は車を会社の駐車場に停めると、電話が掛かってきた。

『もう、車停めた?』

「今停めた所です。」

『俺ももうすぐ着くから車で待ってて?』

「わかりました。」

電話を切ると数分で駐車場に車が入ってくる。藤崎だ。

「お疲れ様。さぁ、乗って?」

「お疲れ様です。じゃあ、お邪魔します。」

助手席に乗込む。

「何処か行きたいお店とかある?」

「うーん。これと言って思いつかないですね・・。」

「じゃあ、俺のお気に入りのお店でもいいかな?」

「あ、はい。大丈夫ですよ?」

車で10分位走った所にお店があった。店内に入ると雰囲気の良いバーだった。照明は適度の明るさでテーブルの上にはキャンドルが灯されている。

「いい雰囲気のお店ですね?」

「でしょ?」

「ふふっ、女の子口説くのにいつも使ってる場所ですか?」

「残念ながら・・ここは、俺の大切な人しか連れてこない事にしてるんだ。」

「藤崎さん・・。またぁ、ほんと口が上手いですよね?」

「そんな事・・無いんだけどな?席はここで良いかな?」

店の奥にあるボックス席だ。

「良いですよ?」

二人で席に着くとメニューを渡される。ザッと見るとお酒の種類が豊富だった。サワーやカクテル・ウィスキー・日本酒・ワインと選り取りみどりだ。料理もお酒に合うものばかりだった。

「如月さんは何にする?」

「あー、じゃあギムレットで。」

「OK!」

ボーイを呼ぶとお酒や簡単なツマミを頼んでくれた。
暫くするとお酒が運ばれて来る。
二人で改めて乾杯する。
カクテルを一口飲むと、

「美味しい。」

「如月さんってお酒強いの?」

「弱くはないと思いますよ?」

「そうなんだ、じゃなんでさっきは飲まなかったの?」

「・・・・。なんとなく?」

「久堂さんを送って行くため?」

「・・・・。」

美咲はグラスに残っていたお酒を飲み干した。

「次は?何頼む?」

「同じので。」

そうしている間に頼んだ料理が運ばれて来た。

「さぁ、食べて飲んで?帰りの心配はいらないからさ?」

「じゃあ、お言葉に甘えていただきます。」

久堂との事もあり飲みたい気分だった。
実際、藤崎との会話も楽しくそれもありお酒がすすんでしまった。

1時間も経つと美咲はたいぶ酔が回っていた。

「如月さん?大丈夫?」

「ダイジョウブですよぉ~。藤崎さん飲みが足りないんじゃないですか?」

「いや、俺も結構酔ってるけど?」

「ホントですか?」

美咲は藤崎の顔をマジマジと見つめた。すると、ニッコリ笑った。

「藤崎さんって、いい男ですよね?」

「そ、そう?」

「うん。そう思うよ?」

「嬉しいなぁ、如月さんに認められると。」

藤崎は美咲の隣に座って、髪を一筋耳にかけた。その時、指が耳を掠めた。

「あっ。」

「ごめん。でも、酔った如月さん色っぽいよね?」

「えっ?そんな事無いですよ。」

時間は午前0時をまわっていた。

「そろそろ帰ろうか?ちょっと、代行頼んでくるね?」

「は・・い。」

席に戻ると美咲が眠そうにしていた。

「如月さん?眠い?」

「ん、大丈夫。」

目をこすりながら藤崎の顔を見た。

「もうすぐ代行来るから。」

「わかりました。」

「じゃあ、最後の一杯頼もうか?」

ちょうど、飲み終わる頃に代行業者が店に到着した。
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