95 / 221
変わりゆく関係10
しおりを挟む
久堂は、美咲から一番聞きたかった言葉を聞けた。
『久堂さんの事、好きです。』
どれだけの葛藤の中で言ってくれたのかは久堂にもわかった。
それでも想いを伝えてくれた美咲が愛おしくて仕方なかった。
自分の腕の中に居る美咲は、何かあれば消えてしまいそうに儚かった。
消えてしまわないよう、久堂は優しくでもしっかりと抱き締めた。
「んっ・・・久堂さん?」
美咲の瞳はまだ涙で濡れていた。お酒のせいもあるのか頬は赤く熱を持っていた。
「如月さん?嬉しいよ?如月さんの気持を聴けて。俺も好きだよ?」
腕の中の美咲の顔を覗き込むと、優しく口づけをした。
「わたしっ、ホントは駄目だってわかってる・・。でも・・。」
「良いんだ、如月さんが言いたい事は十分わかってる。それでも如月さんの気持を聴けて俺は嬉しいよ?」
「っつ・・・くどうさ・ん。」
また美咲の瞳に涙が溜まった。一度瞬きをすると、ポロリと涙が落ちた。久堂は美咲の涙を拭うと優しく口づけた。
「ごめん。」
「・・・どうして久堂さんが謝るんですか?謝らないといけないのは私の方なのに・・。」
「違う!如月さんは何も悪くないっ。」
美咲をきつく抱きしめた。
久堂の腕の中に居ると安心するし落ち着く。ずっとこうしていたいと思ったが、帰りの時間をどうしても気にしてしまう。
時計を視ると、午前0時を過ぎた所だった。
「久堂さん・・・、時間も時間ですから代行呼びますね?」
久堂を見上げて言うと、スルリと久堂の腕の中から抜け出た。
10分もすると代行が来た。
「久堂さん?気を付けて帰って下さいね?」
「ああ、ありがとう。また、来週。」
「・・・はい。また。」
久堂の車を見送り部屋に入ると崩れ落ちた。
「・・・。どうしてっ?何で言っちゃったの・・・。こんなの駄目だよ・・。誰にも言えない。こんなのっ・・・。」
膝を抱えて顔を伏せた。
(こんな気持になるなんてっ。どうしたらいい?・・でも、自分の気持を止められないっ。)
フラフラっと立ち上がるとベッドに身体を預けた。
「・・・・。」
目を閉じると酔いのせいもあるのか、急激に眠気に襲われた。
そのまま睡魔に身を預けた。
数分すると、美咲から規則正しい寝息が聞こえた。
眠っている間だけは全ての事から開放される。出来るなら、ずっと眠っていたい。
今の美咲の、正直な想いだった。
『久堂さんの事、好きです。』
どれだけの葛藤の中で言ってくれたのかは久堂にもわかった。
それでも想いを伝えてくれた美咲が愛おしくて仕方なかった。
自分の腕の中に居る美咲は、何かあれば消えてしまいそうに儚かった。
消えてしまわないよう、久堂は優しくでもしっかりと抱き締めた。
「んっ・・・久堂さん?」
美咲の瞳はまだ涙で濡れていた。お酒のせいもあるのか頬は赤く熱を持っていた。
「如月さん?嬉しいよ?如月さんの気持を聴けて。俺も好きだよ?」
腕の中の美咲の顔を覗き込むと、優しく口づけをした。
「わたしっ、ホントは駄目だってわかってる・・。でも・・。」
「良いんだ、如月さんが言いたい事は十分わかってる。それでも如月さんの気持を聴けて俺は嬉しいよ?」
「っつ・・・くどうさ・ん。」
また美咲の瞳に涙が溜まった。一度瞬きをすると、ポロリと涙が落ちた。久堂は美咲の涙を拭うと優しく口づけた。
「ごめん。」
「・・・どうして久堂さんが謝るんですか?謝らないといけないのは私の方なのに・・。」
「違う!如月さんは何も悪くないっ。」
美咲をきつく抱きしめた。
久堂の腕の中に居ると安心するし落ち着く。ずっとこうしていたいと思ったが、帰りの時間をどうしても気にしてしまう。
時計を視ると、午前0時を過ぎた所だった。
「久堂さん・・・、時間も時間ですから代行呼びますね?」
久堂を見上げて言うと、スルリと久堂の腕の中から抜け出た。
10分もすると代行が来た。
「久堂さん?気を付けて帰って下さいね?」
「ああ、ありがとう。また、来週。」
「・・・はい。また。」
久堂の車を見送り部屋に入ると崩れ落ちた。
「・・・。どうしてっ?何で言っちゃったの・・・。こんなの駄目だよ・・。誰にも言えない。こんなのっ・・・。」
膝を抱えて顔を伏せた。
(こんな気持になるなんてっ。どうしたらいい?・・でも、自分の気持を止められないっ。)
フラフラっと立ち上がるとベッドに身体を預けた。
「・・・・。」
目を閉じると酔いのせいもあるのか、急激に眠気に襲われた。
そのまま睡魔に身を預けた。
数分すると、美咲から規則正しい寝息が聞こえた。
眠っている間だけは全ての事から開放される。出来るなら、ずっと眠っていたい。
今の美咲の、正直な想いだった。
0
お気に入りに追加
42
あなたにおすすめの小説



アルバートの屈辱
プラネットプラント
恋愛
妻の姉に恋をして妻を蔑ろにするアルバートとそんな夫を愛するのを諦めてしまった妻の話。
『詰んでる不憫系悪役令嬢はチャラ男騎士として生活しています』の10年ほど前の話ですが、ほぼ無関係なので単体で読めます。





ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる