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涙の行方
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「私に泣く権利なんてないっ!!」
零れ落ちた涙を拭う。
(自分で決めた事なんだから・・)
自分の手を握り締めた。
その時インターホンが鳴る。
(長嶺・・さん?)
急いでドアを開けると意外な人物が立っていた。
「く・・どう・さん?」
「どうしたの?如月さん、そんな驚いた顔して
?」
「あ・・。何でも無いです。久堂さんこそどうしたんですか?今日はお休みですよね?」
「うん。でも、如月さんの事が気になってね?食事はちゃんととった?」
「・・・・・いえ。」
美咲は俯いてしまった。
「・・・・。さっき、長嶺さんとスレ違ったけど?」
一瞬視線が乱れた。
「きちんとお別れしたんです・・。」
「長嶺は納得したの?」
久堂の質問にただ笑うだけだった。
「久堂さんどうぞ?上がってください。」
室内に案内される。
後ろ姿がとても儚く思えて久堂は咄嗟に美咲を後から抱きしめた。
「久堂・・さん?どうしたんですか?」
抱きしめる腕に力を込めた。
「無理しなくていい。辛いなら辛いと悲しいなら悲しいって言って良いんだよ?」
「っつ・・。」
美咲は思わず自分を抱きしめる腕をギュッと握り締めた。
「久堂さん・・。」
「俺に甘えていいんだ。何でも受け止める。如月さんの事が大切なんだっ!」
「・・久堂さん?良いんですよ?慰めてくれなくても。私は平気ですから。」
「平気じゃ無いだろう?今にも泣きそうな顔してた。他人に甘えたって良いんだよ?今までは違ったかもしれないけど俺には甘えて欲しいな?」
「・・そんなの・・・・。甘え方なんて・・わからない・・。」
久堂は何も言わずに抱きしめてくれた。
「何が正解なんて・・わからないよ・・。」
「人間、そうやって悩んで迷って自分の道をすすむんじゃないのかな?悩む事迷う事は間違いじゃない。その先に自分の納得のいく答えが出るまで悩んで迷って良いんじゃないかな?」
「っつ・・久堂さん・・。」
「俺は今日、如月さんの所に行くべきか悩んで迷ってでも、来たんだ。後悔したくなかったからね?」
「・・・・・。」
「あの雨の日、俺は如月さんを見つけられて良かったと思ってる。如月さんには辛い想いをさせてしまったかもしれないけど、今元気にここに居てくれることが俺は嬉しい。」
ずっと我慢していた涙が零れ落ちた。慌てて目をこするが涙はとまらなかった。
目をこする手をやんわりと掴まれた。
「余りこすると良くないよ?」
「っつ。でも・・。」
「泣きたい時は泣いて良いんだよ?誰も責めたりしない。我慢しないで?」
久堂の言葉にもう限界だった。ずっとこらえていた涙が後から後から溢れる。
久堂は美咲を正面から抱き直した。
縋り付くように久堂に抱きついて泣いた。そんな美咲の背中を優しく優しく撫でた。
零れ落ちた涙を拭う。
(自分で決めた事なんだから・・)
自分の手を握り締めた。
その時インターホンが鳴る。
(長嶺・・さん?)
急いでドアを開けると意外な人物が立っていた。
「く・・どう・さん?」
「どうしたの?如月さん、そんな驚いた顔して
?」
「あ・・。何でも無いです。久堂さんこそどうしたんですか?今日はお休みですよね?」
「うん。でも、如月さんの事が気になってね?食事はちゃんととった?」
「・・・・・いえ。」
美咲は俯いてしまった。
「・・・・。さっき、長嶺さんとスレ違ったけど?」
一瞬視線が乱れた。
「きちんとお別れしたんです・・。」
「長嶺は納得したの?」
久堂の質問にただ笑うだけだった。
「久堂さんどうぞ?上がってください。」
室内に案内される。
後ろ姿がとても儚く思えて久堂は咄嗟に美咲を後から抱きしめた。
「久堂・・さん?どうしたんですか?」
抱きしめる腕に力を込めた。
「無理しなくていい。辛いなら辛いと悲しいなら悲しいって言って良いんだよ?」
「っつ・・。」
美咲は思わず自分を抱きしめる腕をギュッと握り締めた。
「久堂さん・・。」
「俺に甘えていいんだ。何でも受け止める。如月さんの事が大切なんだっ!」
「・・久堂さん?良いんですよ?慰めてくれなくても。私は平気ですから。」
「平気じゃ無いだろう?今にも泣きそうな顔してた。他人に甘えたって良いんだよ?今までは違ったかもしれないけど俺には甘えて欲しいな?」
「・・そんなの・・・・。甘え方なんて・・わからない・・。」
久堂は何も言わずに抱きしめてくれた。
「何が正解なんて・・わからないよ・・。」
「人間、そうやって悩んで迷って自分の道をすすむんじゃないのかな?悩む事迷う事は間違いじゃない。その先に自分の納得のいく答えが出るまで悩んで迷って良いんじゃないかな?」
「っつ・・久堂さん・・。」
「俺は今日、如月さんの所に行くべきか悩んで迷ってでも、来たんだ。後悔したくなかったからね?」
「・・・・・。」
「あの雨の日、俺は如月さんを見つけられて良かったと思ってる。如月さんには辛い想いをさせてしまったかもしれないけど、今元気にここに居てくれることが俺は嬉しい。」
ずっと我慢していた涙が零れ落ちた。慌てて目をこするが涙はとまらなかった。
目をこする手をやんわりと掴まれた。
「余りこすると良くないよ?」
「っつ。でも・・。」
「泣きたい時は泣いて良いんだよ?誰も責めたりしない。我慢しないで?」
久堂の言葉にもう限界だった。ずっとこらえていた涙が後から後から溢れる。
久堂は美咲を正面から抱き直した。
縋り付くように久堂に抱きついて泣いた。そんな美咲の背中を優しく優しく撫でた。
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