十年愛 〜私が愛した人はズルイ人でした。それでも愛するのを止められないのは私の罪ですか?〜

朔良

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揺るがない想い2

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「ん・・・うん?」

朝の柔らかな日差しを浴びて目を覚ます。
目の前には、長嶺の寝顔があった。

「えっと・・・。あれ?どういう事?」

長嶺にしっかり抱き締められていたので身動きが取れない。
美咲は深呼吸して昨晩の事を思い出す。

(確か、昨日長嶺さんが来て。想いを告げられて・・。)

「あっ・・・。」

咄嗟に口を閉じる。

(そうだ。昨日・・・。私・・。)

昨夜の事を思い出し頬が熱くなる。
プチパニックになっていると、長嶺がきつく抱きしめてきた。

「あっ・・。」

思わず声が出てしまう。

「うん?」

長嶺が気だるそうに目を開ける。

「・・・・・。」

「な、ながみねさん?」

優しい笑顔を浮かべて美咲の頬を撫でる。そのまま触れるだけの口づけをしてまた抱きしめられた。

(ね、寝ぼけてる?えっと、どうしよう?)

長嶺を起こさないように寝顔を見つめる。

(誰かの寝顔を見て目覚めるなんて、いつ以来だろう?私にこんな日が来るなんて思ってなかったな・・。)

長嶺の胸に顔を擦り寄せた。
何故だろう、心が凪いでいくのがわかる。

(こんな気持ちになるなんて、想像してなかった・・。)
もう一度瞳を閉じると、長嶺の規則正しい心臓の音が聴こえた。

(何だか安心するな・・。)

心音に寝かし付けられる様に微睡む。
目を閉じてただ長嶺の心音を聞いていると心休まる。

「・・・・・。」

その時、唇に口づけされた感覚を感じで目を開ける。
目の前には、優しい笑顔を浮かべた長嶺が居た。

「おはよう。」

「お、おはようございます。」

髪を梳かれ一筋耳にかけられる。

「こういうの良いね?目覚めたらすぐに最愛の人の顔が見れるなんて俺幸せだよ?」

「っつ・・。」

美咲の頬がより一層熱を帯びる。

「ふふっ。可愛い。もう少しこうしててもいい?」

「は、はい。」

「うん。」

長嶺は壊れ物に触れるように優しく優しく抱き締めた。二人でベッドの中で幸せな時間を過ごす。





「ごめんなさい。折角昨日買って来てくれたのに・・。」

昨日、長嶺が買ってきてくれたパンをもう一度トースターで温める。

「大丈夫。気にしないで?」

「はい。」

コーヒーを淹れて二人で簡単な朝食を取る。
何かを思い出したように長嶺が言った。

「そういえば、美咲の誕生日ってもうすぐだよね?」

「えっ??はい。そうでけど、どうして知ってるんですか?」

率直な疑問を投げかける。

「あー。実はこの前病院に行ったでしょ?」

「はい。」

「その時にベッドに掛かってたから・・。」

バツが悪そうに言った。

「なるぼど!!確かに生年月日書いてありましたよね?」

「二人で迎える初めての誕生日だからお祝いしたいんだけど、どうかな?」

「えっ?それはとっても嬉しいです。」

「良かった!じゃあまた詳細が決まったら連絡するね?」

「ふふっ。はい。楽しみにしてます。」

長嶺は美咲の嬉しそうな顔を目を細めて見つめた。
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