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初めてのデート2
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車に戻ると沈黙が落ちる。その沈黙を破ったのは美咲だった。
「ごめんなさい。何か嫌な思いさせちゃって。やっぱり駄目だなぁ私・・。」
「美咲っ!」
長嶺は、美咲の手を握ると抱きしめた。
「長嶺さん・・?」
「無理しなくていい、無理に笑おうとしないで良いんだよ?それに、謝るのは俺の方だ。こんな所に誘わなければ美咲に嫌な思いをさせずにすんだのに。」
「そんな、長嶺さんは全然悪くないです。今日誘ってもらえて私凄く嬉しかったから。」
「ホントに?」
「はい。本当です。」
美咲は長嶺の腕の中で小さく笑った。
身体を離すと美咲の瞳の奥を見つめる。
「な、長嶺さん?」
美咲は心の奥の奥を見つめられているようで落ち着かない。
「美咲?君は本当に心の優しい子だね?人の心の痛みのわかる子だ。」
「長嶺さん・・。」
手を伸ばすと涙を拭うように頬に優しく触れた。
「・・・。」
「泣いていないけれど心の中で泣いているよね?」
「そんな・・こと・・。」
心の中を見透かされ思わず視線をそらす。
「美咲?こっち見て?」
「っつ・・。」
長嶺と視線を合わせると熱っぽい瞳で見つめられる。
「可愛い。」
甘い言葉が美咲の熱を更に上げる。
長嶺はそんな美咲を満足そうに見つめて額にキスをした。
「行こう。」
「は、はい。」
長嶺が車を走らせた。途中でスーパーに寄って食材やお酒を買う。
そうして着いたのは、高級なタワーマンションだった。
「ここは?」
「俺の家だよ。」
サラリと言われ思わず聞き流す所だった。
「えっ!?家?」
「うん。さぁ、どうぞ?」
エレベーターを高層階で降りると部屋の鍵を開けた。
「お、おじゃまします。」
「どうぞ。男の一人暮らしだからちょっと散らかってるけど・・。」
部屋の電気を付けると、シンプルだが高級感のある部屋だった。
散らかってると言うがきちんと整理されていた。
買ってきた物をキッチンに置く。
「ゆっくりとくつろいでて?今晩は俺が手料理作るから。」
「えっ?そんな、私も手伝います。」
「じゃあ、一緒に作ろうか?」
「はいっ。」
美咲は嬉しそうに頷いた。
二人でキッチンで料理をする。
美咲の顔にも本当の笑顔が見えた。
「よしっ!出来たね?」
「はいっ!」
二人で作った料理をテーブルに並べる。
席につくと、買ってきたシャンパンで乾杯する。
「さあ、食べて?美咲が手伝ってくれたからきっと上手く出来てると思うけど?」
優しい笑顔を浮かべて言った。
「・・・。じゃあいただきます。」
一口料理を食べる。
「美味しいっ!」
「本当に?沢山作ったんだから食べてね?」
長嶺は嬉しそうに言う。
二人で食事を楽しんでいるといつの間にか夜の帳が落ちていた。
「どれもとっても美味しいです!」
「良かった。」
長嶺がシャンパンを飲みながら目を細めた。
食事もあらかた終わると、買ってきたお酒を二人で飲む。
「こんな時間を過ごせるなんて夢みたいです。美味しい料理に美味しいお酒。そして、一緒にそれを食べてくれる人が居るっていう事は素敵な事ですね・・。」
何故か美咲は寂しそうな笑顔を浮かべた。
「・・・。美咲?こっち来て?」
手を引かれて窓際に行くと長嶺はレースのカーテンを開けた。
眼下には星を散りばめたような夜景に、夜空には月が浮かんでいた。
美咲は一瞬息を呑む。
「・・・。凄い・・綺麗。」
美咲は夜景に圧倒されていた。
そんな美咲を後ろから優しく抱きしめる。長嶺がいつも付けている香水の香りに包まれた。
「良かった。気に入ってもらえて。」
「長嶺さん・・。」
美咲は何だかフワフワした気分だった。
「私、酔っちゃったのかな?」
長嶺の腕の中から逃れようとするがきつく抱きしめられて逃げる事が出来なかった。
「美咲?逃げないで?俺は美咲の事が本気で好きだ。何よりも大切にしたいと思ってる。」
「な、長嶺さん?」
美咲は戸惑ったように呟いた。
「俺と付き合ってほしい。大切にする。」
「・・・。でも、私なんか・・。」
「美咲?俺は美咲のことが好きなんだ。そんなに自分を卑下することなんて無いんだよ?」
耳元で囁かれ、長嶺の言葉は美咲の身体全体に染み渡っていった。
「す、少し考えさせて・・下さい。」
何とかそう言うのが精一杯だった。
「勿論。良いよ?いい返事を待ってる。」
優しい笑顔を浮かべて長嶺は言った。
二人で静かに眼下の夜景を見つめた。
「ごめんなさい。何か嫌な思いさせちゃって。やっぱり駄目だなぁ私・・。」
「美咲っ!」
長嶺は、美咲の手を握ると抱きしめた。
「長嶺さん・・?」
「無理しなくていい、無理に笑おうとしないで良いんだよ?それに、謝るのは俺の方だ。こんな所に誘わなければ美咲に嫌な思いをさせずにすんだのに。」
「そんな、長嶺さんは全然悪くないです。今日誘ってもらえて私凄く嬉しかったから。」
「ホントに?」
「はい。本当です。」
美咲は長嶺の腕の中で小さく笑った。
身体を離すと美咲の瞳の奥を見つめる。
「な、長嶺さん?」
美咲は心の奥の奥を見つめられているようで落ち着かない。
「美咲?君は本当に心の優しい子だね?人の心の痛みのわかる子だ。」
「長嶺さん・・。」
手を伸ばすと涙を拭うように頬に優しく触れた。
「・・・。」
「泣いていないけれど心の中で泣いているよね?」
「そんな・・こと・・。」
心の中を見透かされ思わず視線をそらす。
「美咲?こっち見て?」
「っつ・・。」
長嶺と視線を合わせると熱っぽい瞳で見つめられる。
「可愛い。」
甘い言葉が美咲の熱を更に上げる。
長嶺はそんな美咲を満足そうに見つめて額にキスをした。
「行こう。」
「は、はい。」
長嶺が車を走らせた。途中でスーパーに寄って食材やお酒を買う。
そうして着いたのは、高級なタワーマンションだった。
「ここは?」
「俺の家だよ。」
サラリと言われ思わず聞き流す所だった。
「えっ!?家?」
「うん。さぁ、どうぞ?」
エレベーターを高層階で降りると部屋の鍵を開けた。
「お、おじゃまします。」
「どうぞ。男の一人暮らしだからちょっと散らかってるけど・・。」
部屋の電気を付けると、シンプルだが高級感のある部屋だった。
散らかってると言うがきちんと整理されていた。
買ってきた物をキッチンに置く。
「ゆっくりとくつろいでて?今晩は俺が手料理作るから。」
「えっ?そんな、私も手伝います。」
「じゃあ、一緒に作ろうか?」
「はいっ。」
美咲は嬉しそうに頷いた。
二人でキッチンで料理をする。
美咲の顔にも本当の笑顔が見えた。
「よしっ!出来たね?」
「はいっ!」
二人で作った料理をテーブルに並べる。
席につくと、買ってきたシャンパンで乾杯する。
「さあ、食べて?美咲が手伝ってくれたからきっと上手く出来てると思うけど?」
優しい笑顔を浮かべて言った。
「・・・。じゃあいただきます。」
一口料理を食べる。
「美味しいっ!」
「本当に?沢山作ったんだから食べてね?」
長嶺は嬉しそうに言う。
二人で食事を楽しんでいるといつの間にか夜の帳が落ちていた。
「どれもとっても美味しいです!」
「良かった。」
長嶺がシャンパンを飲みながら目を細めた。
食事もあらかた終わると、買ってきたお酒を二人で飲む。
「こんな時間を過ごせるなんて夢みたいです。美味しい料理に美味しいお酒。そして、一緒にそれを食べてくれる人が居るっていう事は素敵な事ですね・・。」
何故か美咲は寂しそうな笑顔を浮かべた。
「・・・。美咲?こっち来て?」
手を引かれて窓際に行くと長嶺はレースのカーテンを開けた。
眼下には星を散りばめたような夜景に、夜空には月が浮かんでいた。
美咲は一瞬息を呑む。
「・・・。凄い・・綺麗。」
美咲は夜景に圧倒されていた。
そんな美咲を後ろから優しく抱きしめる。長嶺がいつも付けている香水の香りに包まれた。
「良かった。気に入ってもらえて。」
「長嶺さん・・。」
美咲は何だかフワフワした気分だった。
「私、酔っちゃったのかな?」
長嶺の腕の中から逃れようとするがきつく抱きしめられて逃げる事が出来なかった。
「美咲?逃げないで?俺は美咲の事が本気で好きだ。何よりも大切にしたいと思ってる。」
「な、長嶺さん?」
美咲は戸惑ったように呟いた。
「俺と付き合ってほしい。大切にする。」
「・・・。でも、私なんか・・。」
「美咲?俺は美咲のことが好きなんだ。そんなに自分を卑下することなんて無いんだよ?」
耳元で囁かれ、長嶺の言葉は美咲の身体全体に染み渡っていった。
「す、少し考えさせて・・下さい。」
何とかそう言うのが精一杯だった。
「勿論。良いよ?いい返事を待ってる。」
優しい笑顔を浮かべて長嶺は言った。
二人で静かに眼下の夜景を見つめた。
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