11 / 221
花見
しおりを挟む
「んっ・・・・。」
朝の清々しい光を感じて目を覚ます。
(あれからまた寝ちゃったんだ。)
時計を見ると、午前9時だった。
(仕事だったら遅刻だな、、、、。)
ベッドから起き上がると、グーッと伸びをした。
キッチンに行きコーヒーを淹れてリビングに戻るとテレビを付けた。どの局も、朝の情報番組が流れていた。
コーヒーを飲みながら、ぼんやりしているとスマホが鳴る。
(誰だろう?こんな朝早くから。)
画面を見ると、中垣からのメッセージだった。
『おはよ。今日ひま?』
『おはよう。昨日の事があったから今日は休んで良いよって言われてる。まぁ、暇といえば暇かな?』
『じゃあ、今日出掛けない?俺休みなんだ。』
『うん・・。わかった。』
その後、メッセージをやり取りして待ち合わせを決めた。
✻✻✻✻✻✻✻✻✻✻
マンションの前で待っていると目の前に車が停まった。窓から中垣が顔を出した。
「おまたせ。乗って?」
「うん。」
助手席に乗ると車を走らせた。
「何処か行きたい所ある?」
中垣に尋ねられて逡巡する。
「そうだなぁ、花見がしたいかな?」
「あぁ、今満開だもんなじゃ行くか!」
中垣は目的の場所があるように車を走らせた。
30分程して着いたのは大きな公園だった。
「中垣君ここ?」
美咲が尋ねるとニヤリと笑った。
「ここ、最近出来た公園なんだ。だから結構穴場なんだよね。」
「そうなんだ?」
二人で車を降りると公園の中に入っていく。
公園の中に入ると歩道沿いに植えられた沢山の桜が二人を出迎えた。
「うわーーーーー!・・・・綺麗。」
美咲は感嘆の声を上げる。
「中垣君行こう?」
子供の様にはしゃぐ美咲を満足そうな顔で見る。
桜を見上げるように歩いていると前からきた男性とぶつかりそうになる。
「如月、こっち。」
すかさず中垣が美咲の手を引くと引き寄せた。
「あっ。ごめん。」
急に近付いた中垣との距離に心臓が跳ねた。
物言いはぶっきら棒だが、中垣の優しさを感じた。
そのまま、手を繋いで公園を歩く。
「本当に綺麗。人も少ないし、中垣君よく知ってたね?」
「ん?ああ、この公園は今年出来たばかりなんだ。だから桜の樹もそんなに大きくないけど穴場だろ?」
「ふふっ。そうなんだ。確かに。こんなにユックリ見れないもんね。」
満開の桜を見上げて美咲は目を細めた。
中垣は近くの東屋を指さして言った。
「何か飲み物買ってくるから、如月はあそこで待ってて。」
「うん。ありがとう、中垣君。」
中垣は近くの駐車場の方に姿を消した。
美咲は東屋まで行くとベンチに腰掛ける。東屋からは公園の桜が一望出来た。
「本当にキレイ・・・。」
ぼんやりと桜を眺めていると、中垣が帰ってきた。
「これ、どっちがいい?」
テーブルに缶コーヒーが2つ置かれる。
「じゃあ、こっち。」
カフェオレを選ぶと一口飲んだ。
「・・・中垣君、ありがとう。気晴らしに連れ出してくれたんだよね?」
「別に。」
「ふふっ。中垣君のぶっきら棒な所嫌いじゃないよ。」
中垣の顔を覗き込みながらイタズラっぽい顔をする。
「そーかよ。」
照れたような態度が美咲の心を和ませた。
「やっと笑ったな。」
「えっ?」
咄嗟に、顔を手で覆う。
「そうだった?」
「ああ。」
「そっか、ごめん。」
「如月が謝る事じゃないから。」
「うん。ありがとう、中垣君。」
温かい気持ちが心を覆い、もう一度桜を見上げた。
朝の清々しい光を感じて目を覚ます。
(あれからまた寝ちゃったんだ。)
時計を見ると、午前9時だった。
(仕事だったら遅刻だな、、、、。)
ベッドから起き上がると、グーッと伸びをした。
キッチンに行きコーヒーを淹れてリビングに戻るとテレビを付けた。どの局も、朝の情報番組が流れていた。
コーヒーを飲みながら、ぼんやりしているとスマホが鳴る。
(誰だろう?こんな朝早くから。)
画面を見ると、中垣からのメッセージだった。
『おはよ。今日ひま?』
『おはよう。昨日の事があったから今日は休んで良いよって言われてる。まぁ、暇といえば暇かな?』
『じゃあ、今日出掛けない?俺休みなんだ。』
『うん・・。わかった。』
その後、メッセージをやり取りして待ち合わせを決めた。
✻✻✻✻✻✻✻✻✻✻
マンションの前で待っていると目の前に車が停まった。窓から中垣が顔を出した。
「おまたせ。乗って?」
「うん。」
助手席に乗ると車を走らせた。
「何処か行きたい所ある?」
中垣に尋ねられて逡巡する。
「そうだなぁ、花見がしたいかな?」
「あぁ、今満開だもんなじゃ行くか!」
中垣は目的の場所があるように車を走らせた。
30分程して着いたのは大きな公園だった。
「中垣君ここ?」
美咲が尋ねるとニヤリと笑った。
「ここ、最近出来た公園なんだ。だから結構穴場なんだよね。」
「そうなんだ?」
二人で車を降りると公園の中に入っていく。
公園の中に入ると歩道沿いに植えられた沢山の桜が二人を出迎えた。
「うわーーーーー!・・・・綺麗。」
美咲は感嘆の声を上げる。
「中垣君行こう?」
子供の様にはしゃぐ美咲を満足そうな顔で見る。
桜を見上げるように歩いていると前からきた男性とぶつかりそうになる。
「如月、こっち。」
すかさず中垣が美咲の手を引くと引き寄せた。
「あっ。ごめん。」
急に近付いた中垣との距離に心臓が跳ねた。
物言いはぶっきら棒だが、中垣の優しさを感じた。
そのまま、手を繋いで公園を歩く。
「本当に綺麗。人も少ないし、中垣君よく知ってたね?」
「ん?ああ、この公園は今年出来たばかりなんだ。だから桜の樹もそんなに大きくないけど穴場だろ?」
「ふふっ。そうなんだ。確かに。こんなにユックリ見れないもんね。」
満開の桜を見上げて美咲は目を細めた。
中垣は近くの東屋を指さして言った。
「何か飲み物買ってくるから、如月はあそこで待ってて。」
「うん。ありがとう、中垣君。」
中垣は近くの駐車場の方に姿を消した。
美咲は東屋まで行くとベンチに腰掛ける。東屋からは公園の桜が一望出来た。
「本当にキレイ・・・。」
ぼんやりと桜を眺めていると、中垣が帰ってきた。
「これ、どっちがいい?」
テーブルに缶コーヒーが2つ置かれる。
「じゃあ、こっち。」
カフェオレを選ぶと一口飲んだ。
「・・・中垣君、ありがとう。気晴らしに連れ出してくれたんだよね?」
「別に。」
「ふふっ。中垣君のぶっきら棒な所嫌いじゃないよ。」
中垣の顔を覗き込みながらイタズラっぽい顔をする。
「そーかよ。」
照れたような態度が美咲の心を和ませた。
「やっと笑ったな。」
「えっ?」
咄嗟に、顔を手で覆う。
「そうだった?」
「ああ。」
「そっか、ごめん。」
「如月が謝る事じゃないから。」
「うん。ありがとう、中垣君。」
温かい気持ちが心を覆い、もう一度桜を見上げた。
0
お気に入りに追加
42
あなたにおすすめの小説



アルバートの屈辱
プラネットプラント
恋愛
妻の姉に恋をして妻を蔑ろにするアルバートとそんな夫を愛するのを諦めてしまった妻の話。
『詰んでる不憫系悪役令嬢はチャラ男騎士として生活しています』の10年ほど前の話ですが、ほぼ無関係なので単体で読めます。





ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる