十年愛 〜私が愛した人はズルイ人でした。それでも愛するのを止められないのは私の罪ですか?〜

朔良

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プロローグ

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季節は廻る。
廻り廻って、またあの季節が来る。

ある人は、旅立ちの季節とき
ある人は、別れの季節とき
ある人は、出会いの季節とき

それぞれの人生がはじまる季節とき



リビングの窓から、公園の満開の桜が見える花曇りの日曜日。

「今にも泣き出しそうな空ね・・・。」

如月 美咲きさらぎ みさきは窓から空を見上げた。
その時、スマホのライン通知音が鳴り何気なく手に取り通知を開く。
一瞬、ラインの内容が飲み込めなかった。スマホを持つ手が震える。

「あの人が・・・死んだ・・?」

外は花散らしの雨が降り出していた。
あっという間に本降りになり、耳心地のいい雨音が響き渡る。

「っ・・・・。」

空を見上げる。
雨は嫌いではなかった。
自分の罪を洗い流してくれるようで・・・。

でも、今日の雨は違った。
まるで、自分の心が泣いている様だった。
とても受け入れられない現実に。
何時もは、罪を洗い流してくれるような雨音が今は自分の罪を責め立てている気がした。

「どうかした?」

何気なく掛けられた声に現実に引き戻される。

「ううん。・・・何でもないよ?」

平然を装いレースのカーテンを閉めスマホをテーブルに置く。

「コーヒー入れるんだけど、美咲も飲む?」

優しく笑いかけてくれるのは夫の史崇ふみたかだ。

「・・・ありがとう。」

一瞬笑顔を浮かべたが直ぐに目を伏せた。
グループラインの画面には次々とメッセージが入っていた。

『詳細が分かり次第教えてください。』

メッセージを入れ終わると、史崇がマグカップを目の前に置いた。

「あっ・・・ありがとう。」

「うん。何かあった?顔色が悪いよ?」

「あー、うん。昔の同僚・・・・が亡くなったんだって。」

「昔って、カーディーラーの時の?」

「そう・・。」

「そっか・・・。」

史崇は椅子に座るとそれ以上は何も聴かずコーヒーを飲んだ。
静寂の中、雨音だけが聴こえる。
まるで、あの日の様に。

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