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第169回『八つ裂き 昼寝 友達』
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YouTubeで行った
ライブ配信にて三題噺を即興で書きました 第169回『八つ裂き 昼寝 友達』
の完成テキストです。
お題はガチャで決めました。
お題には傍点を振ってあります。
所要時間は約42分でした。
詳しくは動画もご覧いただけたら幸いです。↓
https://www.youtube.com/watch?v=D1uQZUNaKt8
↓使用させていただいたサイト↓
ランダム単語ガチャ
https://tango-gacha.com/
~・~・~・~・~
「私、前世は極悪人だったのかも」
snsで友達に相談した。
ポンッ
「どゆこと?」
「最近お昼寝をすると、手足がしびれてるの」
ポンッ
「歳だし疲れてるんじゃないの?」
「やめてよ。真由美だって同年齢でしょ。それに私、起きたときは大の字になってるの」
ポンッ
「寝相わるwwww」
「でも夜布団で寝てるときはこんなひどくないし。」
ポンッ
「横に旦那が寝てるからじゃないの(ニヤニヤ」
「ひょっとして私の前世って江戸時代に八つ裂きの軽になったんじゃないかな」
ポンッ
「刑な」
それっきり真由美とのやり取りは終わってしまった。
彼女もばかばかしいと思ったのだろう。
私だってそう思う。
でも毎日が幸せだっただけに、ふとよぎった黒い影はよけいに目立ち、それがこの先因果として巡ってくるのではないかと、気になってきてしまうのだ。
死ぬこともいやだが、なにより、今死ぬわけにはいかないのだ。
ぜいたくは言わない。
私はあと5年は生きる必要があるのだ。
さっきまでの喧騒が嘘だったかのように、午後はうららかで静かだった。
うなりをあげていた洗濯機は静かになり、色とりどりの洗濯物はベランダでそよそよと揺れていた。
夕飯の支度はまだ先だ。
私にうつらうつらと眠気が襲ってきた。
スマホに目をやると、まどろんだ私の頭に一つの考えが浮かんだ。
「わかったよ」
ポンッ
「何が?」
「昼寝のあと私が大の字になっている理由」
ポンッ
「聞こうか」
「昼寝する前に自分の寝ている姿を動画で撮っておいたの。防犯カメラみたいに。」
ポンッ
「ほうほう」
「そうしたらうちの子と犬が原因だった」
私には双子の赤ちゃんがいる。
もう1歳になっている。
そして犬もコーギーが2匹いる。
夫は仕事に行っているので、平日は二人と2匹の世話で大わらわだ。
だから、動画の中の私はいつものように泥のように眠っていた。
ちょっとやそっとじゃ起きないようだ。
いったん昼寝から覚めた赤ちゃんは私の右腕を枕にしようともぞもぞと動く。
もう一人の赤ちゃんも左側で同じ様なことをしていた。
一方2匹のコーギーは赤ちゃんが寝ているので、私の上半身には近づかない。
しかし暇なので遊んでくれと言わんばかりに、私の足を各々の方向に引っ張ってアピールする──もっとも疲れ切っている私はぴくりとも反応しないが──。
こうして昼寝から目覚めるころには、双子の赤ちゃんと2匹のコーギーによって大の字になっている私の完成だ。
ポンッ
「八つ裂きの刑じゃなくてよかったじゃん」
真由美は私の前世が八つ裂きの刑にされた可能性は否定しても、極悪人だった可能性は否定してくれないらしい。
だが、真由美だってわかっているのだろう。
こんな幸せな毎日を送れる人間の前世が極悪人であるわけがないと。
~・~・~・~・~
~感想~
お題が八つ裂きだったので、真逆に幸せを映画いた話にしようと思いました。
でも強引な展開には違いないので、せめてもと、導入をSNSのやり取りにしてテンポをあげました。
ライブ配信にて三題噺を即興で書きました 第169回『八つ裂き 昼寝 友達』
の完成テキストです。
お題はガチャで決めました。
お題には傍点を振ってあります。
所要時間は約42分でした。
詳しくは動画もご覧いただけたら幸いです。↓
https://www.youtube.com/watch?v=D1uQZUNaKt8
↓使用させていただいたサイト↓
ランダム単語ガチャ
https://tango-gacha.com/
~・~・~・~・~
「私、前世は極悪人だったのかも」
snsで友達に相談した。
ポンッ
「どゆこと?」
「最近お昼寝をすると、手足がしびれてるの」
ポンッ
「歳だし疲れてるんじゃないの?」
「やめてよ。真由美だって同年齢でしょ。それに私、起きたときは大の字になってるの」
ポンッ
「寝相わるwwww」
「でも夜布団で寝てるときはこんなひどくないし。」
ポンッ
「横に旦那が寝てるからじゃないの(ニヤニヤ」
「ひょっとして私の前世って江戸時代に八つ裂きの軽になったんじゃないかな」
ポンッ
「刑な」
それっきり真由美とのやり取りは終わってしまった。
彼女もばかばかしいと思ったのだろう。
私だってそう思う。
でも毎日が幸せだっただけに、ふとよぎった黒い影はよけいに目立ち、それがこの先因果として巡ってくるのではないかと、気になってきてしまうのだ。
死ぬこともいやだが、なにより、今死ぬわけにはいかないのだ。
ぜいたくは言わない。
私はあと5年は生きる必要があるのだ。
さっきまでの喧騒が嘘だったかのように、午後はうららかで静かだった。
うなりをあげていた洗濯機は静かになり、色とりどりの洗濯物はベランダでそよそよと揺れていた。
夕飯の支度はまだ先だ。
私にうつらうつらと眠気が襲ってきた。
スマホに目をやると、まどろんだ私の頭に一つの考えが浮かんだ。
「わかったよ」
ポンッ
「何が?」
「昼寝のあと私が大の字になっている理由」
ポンッ
「聞こうか」
「昼寝する前に自分の寝ている姿を動画で撮っておいたの。防犯カメラみたいに。」
ポンッ
「ほうほう」
「そうしたらうちの子と犬が原因だった」
私には双子の赤ちゃんがいる。
もう1歳になっている。
そして犬もコーギーが2匹いる。
夫は仕事に行っているので、平日は二人と2匹の世話で大わらわだ。
だから、動画の中の私はいつものように泥のように眠っていた。
ちょっとやそっとじゃ起きないようだ。
いったん昼寝から覚めた赤ちゃんは私の右腕を枕にしようともぞもぞと動く。
もう一人の赤ちゃんも左側で同じ様なことをしていた。
一方2匹のコーギーは赤ちゃんが寝ているので、私の上半身には近づかない。
しかし暇なので遊んでくれと言わんばかりに、私の足を各々の方向に引っ張ってアピールする──もっとも疲れ切っている私はぴくりとも反応しないが──。
こうして昼寝から目覚めるころには、双子の赤ちゃんと2匹のコーギーによって大の字になっている私の完成だ。
ポンッ
「八つ裂きの刑じゃなくてよかったじゃん」
真由美は私の前世が八つ裂きの刑にされた可能性は否定しても、極悪人だった可能性は否定してくれないらしい。
だが、真由美だってわかっているのだろう。
こんな幸せな毎日を送れる人間の前世が極悪人であるわけがないと。
~・~・~・~・~
~感想~
お題が八つ裂きだったので、真逆に幸せを映画いた話にしようと思いました。
でも強引な展開には違いないので、せめてもと、導入をSNSのやり取りにしてテンポをあげました。
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