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第116回『首都高速 カーチェイス グライダー』
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YouTubeで行った
ライブ配信にて三題噺を即興で書きました 第116回『首都高速 カーチェイス グライダー』
の完成テキストです。
お題はガチャで決めました。
お題には傍点を振ってあります。
所要時間は約1時間でした。
詳しくは動画もご覧いただけたら幸いです。↓
https://www.youtube.com/watch?v=4H-r1KpHxpQ
↓使用させていただいたサイト↓
ランダム単語ガチャ
https://tango-gacha.com/
~・~・~・~・~
真昼の首都高は騒然としていた。
銀行強盗をした車を1台のパトカーが追いかけていたからである。
制限速度をゆうに越えて走る銀行強盗と警告灯を鳴らしながら一般人の車の間を縫って走るパトカーのそれは、まさしく映画のカーチェイスそのものだった。
「高速道路の出入口は全てパトカーを配置しました。」
兼田たちのパトカーに本部から無線が入った。
「これで強盗に逃げられる心配はないですね。」
「ああ、だが引き続いて引き離されるな。安全にも注意してな。」
ハンドルを握る大友の気が緩まないように兼田は警告をすることも忘れていなかった。
だが兼田は歯ぎしりをしていた。
銀行強盗の報告を受けて真っ先に逃走車両を見つけることができたのは彼らのパトカーだった。
こんなに早くパトカーに追いかけられるとは犯人たちも思っていなかったらしく、右へ左へと場当たり的に逃げているようだった。
予定していた逃走ルートとはほど遠いところを走っているのだろう。
犯人たちはよほど焦ったのか、首都高に入った。
確かに高速道路なら出入口を固めれば犯人たちに逃げ場はない。
だがスピードが出せる分、大きな事故が起こる可能性も高いということだ。
結果的にせよ犯人たちを高速道路へと進入させてしまったのは自分たちのミスだ。
事故だけは、特に一般人を巻き込んだ事故だけは起きるなよと祈っていた。
幸いにも道路から車は減ってきた。
他の車両を巻き込む可能性は減ってきたということだが、これは同時に犯人たちはスピードを上げやすくなったことも意味した。
犯人たちの車のエンジンが轟音を上げた。
見る見るうちに兼田たちは離されていった。
「どうします、俺たちも上げますか?」
大友は前方に目を向けたまま兼田に尋ねた。
「いや、これ以上のスピードは危険だ。カーブを曲がれなくなる恐れがある。」
兼田の心配は的中した。
犯人たちの車が激しいブレーキ音とともにスピンを始めた。
前方には壁。
車は壁に飛び込んだ。
無数の破片が飛び散った。
フロントをひしゃげながら車は高速道路から飛び出た。
兼田はあっと思った。
下の一般道に落下する。
しかし兼田は見た。
壁との衝突により大破した車はドアが開き、しかも付け根部分も壊れそのドアは地面に対して水平となった。
すると車はグライダーのように都心の空をゆらゆらと降りていった。
兼田たちに無線が入った。
「どうなった?」
兼田はマイクを取って息を飲んだ。
「犯人たちは高飛びをしました。」
破壊された壁に立つと、何事もなかったかのようにドアを横に広げた犯人たちの車が停まっていた。
エアバッグが作動しているので犯人たちは身動きが取れないようだ。
ここに警察が駆けつけるのも時間の問題だろう。
追いかけろ、どこに向かったと慌てふためく本部に兼田は言った。
「もう地に足がついてます。」
~・~・~・~・~
~感想~
お題は首都高とカーチェイスという奇跡的な組み合わせでした。
グライダーのように軟着陸するというオチは決まっていたのですが、地に足がつくというダジャレのためにどんな風に描写しようか、あるいは別の言葉で締めた方がいいのか、など別のことで悩みました。
今も終わり方がこれでいいとは思えません。
ライブ配信にて三題噺を即興で書きました 第116回『首都高速 カーチェイス グライダー』
の完成テキストです。
お題はガチャで決めました。
お題には傍点を振ってあります。
所要時間は約1時間でした。
詳しくは動画もご覧いただけたら幸いです。↓
https://www.youtube.com/watch?v=4H-r1KpHxpQ
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~・~・~・~・~
真昼の首都高は騒然としていた。
銀行強盗をした車を1台のパトカーが追いかけていたからである。
制限速度をゆうに越えて走る銀行強盗と警告灯を鳴らしながら一般人の車の間を縫って走るパトカーのそれは、まさしく映画のカーチェイスそのものだった。
「高速道路の出入口は全てパトカーを配置しました。」
兼田たちのパトカーに本部から無線が入った。
「これで強盗に逃げられる心配はないですね。」
「ああ、だが引き続いて引き離されるな。安全にも注意してな。」
ハンドルを握る大友の気が緩まないように兼田は警告をすることも忘れていなかった。
だが兼田は歯ぎしりをしていた。
銀行強盗の報告を受けて真っ先に逃走車両を見つけることができたのは彼らのパトカーだった。
こんなに早くパトカーに追いかけられるとは犯人たちも思っていなかったらしく、右へ左へと場当たり的に逃げているようだった。
予定していた逃走ルートとはほど遠いところを走っているのだろう。
犯人たちはよほど焦ったのか、首都高に入った。
確かに高速道路なら出入口を固めれば犯人たちに逃げ場はない。
だがスピードが出せる分、大きな事故が起こる可能性も高いということだ。
結果的にせよ犯人たちを高速道路へと進入させてしまったのは自分たちのミスだ。
事故だけは、特に一般人を巻き込んだ事故だけは起きるなよと祈っていた。
幸いにも道路から車は減ってきた。
他の車両を巻き込む可能性は減ってきたということだが、これは同時に犯人たちはスピードを上げやすくなったことも意味した。
犯人たちの車のエンジンが轟音を上げた。
見る見るうちに兼田たちは離されていった。
「どうします、俺たちも上げますか?」
大友は前方に目を向けたまま兼田に尋ねた。
「いや、これ以上のスピードは危険だ。カーブを曲がれなくなる恐れがある。」
兼田の心配は的中した。
犯人たちの車が激しいブレーキ音とともにスピンを始めた。
前方には壁。
車は壁に飛び込んだ。
無数の破片が飛び散った。
フロントをひしゃげながら車は高速道路から飛び出た。
兼田はあっと思った。
下の一般道に落下する。
しかし兼田は見た。
壁との衝突により大破した車はドアが開き、しかも付け根部分も壊れそのドアは地面に対して水平となった。
すると車はグライダーのように都心の空をゆらゆらと降りていった。
兼田たちに無線が入った。
「どうなった?」
兼田はマイクを取って息を飲んだ。
「犯人たちは高飛びをしました。」
破壊された壁に立つと、何事もなかったかのようにドアを横に広げた犯人たちの車が停まっていた。
エアバッグが作動しているので犯人たちは身動きが取れないようだ。
ここに警察が駆けつけるのも時間の問題だろう。
追いかけろ、どこに向かったと慌てふためく本部に兼田は言った。
「もう地に足がついてます。」
~・~・~・~・~
~感想~
お題は首都高とカーチェイスという奇跡的な組み合わせでした。
グライダーのように軟着陸するというオチは決まっていたのですが、地に足がつくというダジャレのためにどんな風に描写しようか、あるいは別の言葉で締めた方がいいのか、など別のことで悩みました。
今も終わり方がこれでいいとは思えません。
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