上 下
90 / 174

第90回『ココナツ 大晦日 夏フェス』

しおりを挟む
YouTubeで行った
ライブ配信にて三題噺を即興で書きました 第90回『ココナツ 大晦日 夏フェス』
の完成テキストです。
お題はガチャで決めました。
お題には傍点を振ってあります。
所要時間は約52分でした。
詳しくは動画もご覧いただけたら幸いです。↓
https://www.youtube.com/watch?v=UPW0aWu_IUs

↓使用させていただいたサイト↓
ランダム単語ガチャ
https://tango-gacha.com/

~・~・~・~・~

をやろう。」
社長の突然の発言にその場にいた社員は首をひねった。
「今年のに行こうってことですか?」
「しかし社長、気分転換も大事かもしれませんが、わが社はそんなことを言ってられる状況ではありませんよ。」
この会社は日本でのの輸入と販売を手掛けていたが、近頃は需要が落ち込み売り上げが年々減少していた。
を経営の屋台骨としてやってきていたので、このままでは会社の存続の危機だった。
だから社員たちは毎日必死に営業に行ったり、需要を喚起するにはどうしたらいいかと頭をひねっていた。
そこに社長のこの発言である。
「行く、じゃない。やるんだよ。」
そのとき昔バンドをやっていた社員が興味を持った様子が社長の目に入り、説明を続けた。
「やるといってももちろん主催するということだ。いろいろなアーティストを呼んでね。その会場でわが社のを売るんだ。ジュースやお菓子など、を原料としたものを食べてもらって、若者の間でココナツが身近な物になってもらうんだ。の会場で南国の味。これはアゲアゲに盛り上がるぞ~。」
社員たちは考え込んだ。
「社長、イベントを開催するノウハウはあるんですか?」
「ない。もちろんイベント制作会社に頼むさ。」
「人をたくさん呼べるようなアーティストに参加してもらう必要もありますが。」
「うん、お金はかかるだろうね。」
社長がなんの考えもない思いつきで言ったのではないことは社員にもわかった。
確かに夏フェスのイメージにはぴったりだ。
音楽を楽しみながら食べやすいものにすれば結構売れるかもしれない。
それがSNSにあげられたら、大きなブームが起きる可能性もある。
「でしたら社長。協賛という形にしませんか。」
一人の社員が発言すると、他の社員も乗ってきた。
「それがいいですよ。開催費用を分担できますし、他の出店やグッズの店も増えて、相乗効果を生むかもしれません。」
希望を見出してきた社員たちはどの業界に協賛をお願いしたらいいかなど、互いにビジョンを語り始めた。
近年の売り上げの減少でこわばっていた社員たちの口元に笑顔と活気が戻っていた。
しかし、腕を組んだ社長はそれを制した。
「うーん、でもやっぱりフェスはうちだけでやりたいんだよなー。」
「協賛では困るんですか?」
社員は尋ねた。
「うん、実はキャッチコピーも考えてあるからね。『、ここ夏!』というね。」
社員たちは黙った。
「しかも規模がでかい。普通のフェスはせいぜい1ヵ月くらいだろ。でも、これはまで行うんだ。それに伴ってキャッチコピーも『、常夏!』に変わるんだ。」
社員たちは確信した。
この社長、ヤシの実を売る会社が香具師をやるというダジャレをやりたいだけだ、と。
ダジャレの寒さがスイッチとなり、社員たちの目にはかつてないほどのやる気が満ちた。
営業課はスーツを羽織って外に飛び出し、商品開発部は会議室に飛び込み喧々諤々の議論を始めた。
社員たちの思いは一つだった。
なんとしても売り上げを伸ばす。
それも短期間で。
社員たちが一丸となって猛烈に働いたために、この会社の売り上げは驚異的な回復を見せた。
1カ月目にはすでに大幅な黒字化を果たし、社員たちは無事の開催を阻止することに成功した。

~・~・~・~・~

~感想~
夏フェスと大晦日が季節に関係しているという共通点があったので、そこから話を考えていきました。
ココナツは夏フェスにどうからめるかという方向性で考えていきました。
フリをちゃんと作れてないしオチらへんもテキトーだなあという印象です。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

体育教師に目を付けられ、理不尽な体罰を受ける女の子

恩知らずなわんこ
現代文学
入学したばかりの女の子が体育の先生から理不尽な体罰をされてしまうお話です。

後悔と快感の中で

なつき
エッセイ・ノンフィクション
後悔してる私 快感に溺れてしまってる私 なつきの体験談かも知れないです もしもあの人達がこれを読んだらどうしよう もっと後悔して もっと溺れてしまうかも ※感想を聞かせてもらえたらうれしいです

保健室の秘密...

とんすけ
大衆娯楽
僕のクラスには、保健室に登校している「吉田さん」という女の子がいた。 吉田さんは目が大きくてとても可愛らしく、いつも艶々な髪をなびかせていた。 吉田さんはクラスにあまりなじめておらず、朝のHRが終わると帰りの時間まで保健室で過ごしていた。 僕は吉田さんと話したことはなかったけれど、大人っぽさと綺麗な容姿を持つ吉田さんに密かに惹かれていた。 そんな吉田さんには、ある噂があった。 「授業中に保健室に行けば、性処理をしてくれる子がいる」 それが吉田さんだと、男子の間で噂になっていた。

【一話完結】3分で読める背筋の凍る怖い話

冬一こもる
ホラー
本当に怖いのはありそうな恐怖。日常に潜むあり得る恐怖。 読者の日常に不安の種を植え付けます。 きっといつか不安の花は開く。

同僚に密室に連れ込まれてイケナイ状況です

暗黒神ゼブラ
BL
今日僕は同僚にごはんに誘われました

ちょっと大人な体験談はこちらです

神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない ちょっと大人な体験談です。 日常に突然訪れる刺激的な体験。 少し非日常を覗いてみませんか? あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ? ※本作品ではPixabay並びにUnsplshの画像を使用しています。 ※不定期更新です。 ※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名などはすべて仮称です。

始業式で大胆なパンチラを披露する同級生

サドラ
大衆娯楽
今日から高校二年生!…なのだが、「僕」の視界に新しいクラスメイト、「石田さん」の美し過ぎる太ももが入ってきて…

ママと中学生の僕

キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。

処理中です...