77 / 174
第77回『朝方 軽トラック 暴風雨』
しおりを挟む
YouTubeで行った
ライブ配信にて三題噺を即興で書きました 第77回『朝方 軽トラック 暴風雨』
の完成テキストです。
お題はガチャで決めました。
お題には傍点を振ってあります。
所要時間は約1時間14分でした。
詳しくは動画もご覧いただけたら幸いです。↓
https://www.youtube.com/watch?v=Ak2orOpQUAM
↓使用させていただいたサイト↓
ランダム単語ガチャ
https://tango-gacha.com/
~・~・~・~・~
深夜から朝方にかけて家の窓を震わせた強風は、日が昇るころには雨を伴う暴風雨となっていた。
激しい雨が音を立てて窓に叩きつけられていた。
こんな日に外出している人間は少ないだろう。
だが、もしかしたら──?
幸い今日は高校の創立記念日で、俺は休日だった。
俺は“一縷の望み”を託して雨合羽をはおり、自転車をこぎ出した。
強風にあおられた雨は横殴りとなり、顔をびしょびしょに濡らした。
雨合羽に守られていないズボンはすでにぐっしょりと足に張り付いていた。
こんな日に自転車で走るのは得策ではないのかもしれない。
横風にあおられふらふらするし、舗装されていない道も多いこの町では泥にタイヤをとられスリップすることもあった。
錆びさせないためにも帰宅したら乾いた布で拭いて丹念に水気を切る作業も待っている。
だがそれでも自転車を選ぶ必要があった。
俺には距離がいる。
なるべく長い距離を短時間で走り回りたかったのだ。
むろん運が良ければすぐに引き上げることもできるだろうが、その可能性は低いだろう。
俺は歯を食いしばり血眼になって走り続けた。
徐行している軽トラックと何度かすれ違ったり後ろから抜いたりした。
おそらくこの強風で田んぼの稲が倒れていないか確認しに来ていたのだろう。
俺はあぜ道を走りながら彼らの幸運を願った。
空は厚い雲に覆われ、大粒の雨が視界をさえぎり始めた。
額から垂れてくる雨は目に入り、何度も目をこすった。
だがここであきらめるわけにはいかない。
これは俺のためではない。
息子のためだ。
駅に着いた。
駅に向かう人たちはみな強風に傘を翻弄されていて、やっとのことで駅舎に入った人たちは疲労困憊の様子だった。
だがそれでも駅前は発着時間ではないせいか人影はまばらだった。
──ここではないのか?
いなかでは電車の本数も少ないからこのままこの駅にとどまるのは貴重な時間の浪費につながりかねない。
5キロ走った先にある駅に飛ばすべきだ、そう思いペダルを踏んだ瞬間今までよりもさらに強い風が巻き起こった。
俺は片足をついて自転車を止めると、反射的に駅舎へ振り返った。
突如巻き起こった予想もつかない方向からの強風は、濡れた髪をハンカチでぽんぽんと拭いていたお姉さんのスカートを巻き上げた。
それは黒風白雨がもたらした一瞬の出来事であったが、俺は確かに目に焼き付けた。
目的は達した。
俺は即座に自転車にまたがり、速攻で家に帰った。
自転車はガレージにそのまま投げ捨てた。
その日俺の部屋では何度も白雨がほとばしった。
~・~・~・~・~
~感想~
すごく時間がかかってしまいました。
語り手の努力をどう描けばいいかわからなかったんだと思います。
人が少なくて見つけるのを苦労させるために場所をいなかにしたのですが、今から考えてみるとそんな必要性は全くありませんでした。
結局いなかの駅前の様子がよくわからないのでしょうもないものになってしまいました。
軽トラックの使い方もひどいものです。
ライブ配信にて三題噺を即興で書きました 第77回『朝方 軽トラック 暴風雨』
の完成テキストです。
お題はガチャで決めました。
お題には傍点を振ってあります。
所要時間は約1時間14分でした。
詳しくは動画もご覧いただけたら幸いです。↓
https://www.youtube.com/watch?v=Ak2orOpQUAM
↓使用させていただいたサイト↓
ランダム単語ガチャ
https://tango-gacha.com/
~・~・~・~・~
深夜から朝方にかけて家の窓を震わせた強風は、日が昇るころには雨を伴う暴風雨となっていた。
激しい雨が音を立てて窓に叩きつけられていた。
こんな日に外出している人間は少ないだろう。
だが、もしかしたら──?
幸い今日は高校の創立記念日で、俺は休日だった。
俺は“一縷の望み”を託して雨合羽をはおり、自転車をこぎ出した。
強風にあおられた雨は横殴りとなり、顔をびしょびしょに濡らした。
雨合羽に守られていないズボンはすでにぐっしょりと足に張り付いていた。
こんな日に自転車で走るのは得策ではないのかもしれない。
横風にあおられふらふらするし、舗装されていない道も多いこの町では泥にタイヤをとられスリップすることもあった。
錆びさせないためにも帰宅したら乾いた布で拭いて丹念に水気を切る作業も待っている。
だがそれでも自転車を選ぶ必要があった。
俺には距離がいる。
なるべく長い距離を短時間で走り回りたかったのだ。
むろん運が良ければすぐに引き上げることもできるだろうが、その可能性は低いだろう。
俺は歯を食いしばり血眼になって走り続けた。
徐行している軽トラックと何度かすれ違ったり後ろから抜いたりした。
おそらくこの強風で田んぼの稲が倒れていないか確認しに来ていたのだろう。
俺はあぜ道を走りながら彼らの幸運を願った。
空は厚い雲に覆われ、大粒の雨が視界をさえぎり始めた。
額から垂れてくる雨は目に入り、何度も目をこすった。
だがここであきらめるわけにはいかない。
これは俺のためではない。
息子のためだ。
駅に着いた。
駅に向かう人たちはみな強風に傘を翻弄されていて、やっとのことで駅舎に入った人たちは疲労困憊の様子だった。
だがそれでも駅前は発着時間ではないせいか人影はまばらだった。
──ここではないのか?
いなかでは電車の本数も少ないからこのままこの駅にとどまるのは貴重な時間の浪費につながりかねない。
5キロ走った先にある駅に飛ばすべきだ、そう思いペダルを踏んだ瞬間今までよりもさらに強い風が巻き起こった。
俺は片足をついて自転車を止めると、反射的に駅舎へ振り返った。
突如巻き起こった予想もつかない方向からの強風は、濡れた髪をハンカチでぽんぽんと拭いていたお姉さんのスカートを巻き上げた。
それは黒風白雨がもたらした一瞬の出来事であったが、俺は確かに目に焼き付けた。
目的は達した。
俺は即座に自転車にまたがり、速攻で家に帰った。
自転車はガレージにそのまま投げ捨てた。
その日俺の部屋では何度も白雨がほとばしった。
~・~・~・~・~
~感想~
すごく時間がかかってしまいました。
語り手の努力をどう描けばいいかわからなかったんだと思います。
人が少なくて見つけるのを苦労させるために場所をいなかにしたのですが、今から考えてみるとそんな必要性は全くありませんでした。
結局いなかの駅前の様子がよくわからないのでしょうもないものになってしまいました。
軽トラックの使い方もひどいものです。
0
お気に入りに追加
2
あなたにおすすめの小説

サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由
フルーツパフェ
大衆娯楽
クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。
トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。
いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。
考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。
赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。
言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。
たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
ちょっと大人な体験談はこちらです
神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない
ちょっと大人な体験談です。
日常に突然訪れる刺激的な体験。
少し非日常を覗いてみませんか?
あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ?
※本作品ではPixai.artで作成した生成AI画像ならびに
Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。
※不定期更新です。
※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。
【Vtuberさん向け】1人用フリー台本置き場《ネタ系/5分以内》
小熊井つん
大衆娯楽
Vtuberさん向けフリー台本置き場です
◆使用報告等不要ですのでどなたでもご自由にどうぞ
◆コメントで利用報告していただけた場合は聞きに行きます!
◆クレジット表記は任意です
※クレジット表記しない場合はフリー台本であることを明記してください
【ご利用にあたっての注意事項】
⭕️OK
・収益化済みのチャンネルまたは配信での使用
※ファンボックスや有料会員限定配信等『金銭の支払いをしないと視聴できないコンテンツ』での使用は不可
✖️禁止事項
・二次配布
・自作発言
・大幅なセリフ改変
・こちらの台本を使用したボイスデータの販売
ママと中学生の僕
キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。

ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる