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第69回『堅苦しい 全面戦争 尻すぼみ』
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YouTubeで行った
ライブ配信にて三題噺を即興で書きました 第69回『堅苦しい 全面戦争 尻すぼみ』
の完成テキストです。
お題はガチャで決めました。
お題には傍点を振ってあります。
所要時間は約1時間でした。
詳しくは動画もご覧いただけたら幸いです。↓
https://www.youtube.com/watch?v=JjweDZKwk-I
↓使用させていただいたサイト↓
ランダム単語ガチャ
https://tango-gacha.com/
~・~・~・~・~
結論から言おう。
人類は僕を残して滅びたと言っていい。
宇宙をくまなく探せば僕のほかにまだ生き残りはいるかもしれないが、とりあえずは全滅だ。
今の僕の目の前には灰色の地平と真っ黒な宇宙しか見えない。
あれほど巨大で高度に管理された宇宙都市も、星間を振り子のように往復するスペースシップももうない。
文字通り塵となって消えた。
第3銀河と第7銀河が全面戦争を起こせばこうなってしまうことぐらい誰にだってわかりそうなものだった。
でも誰も止められなかった。
この戦争だって最初は堅苦しい外交の言葉から始まった。
やられたらやり返す。
この簡単かつ原始的なロジックを、星をも破壊する科学力をもった国同士が行えばその結末は破滅以外ない。
戦争が始まると、第3銀河は前世紀に開発された太陽ぷくぷく爆弾を使用して第7銀河の第3652348628艦隊を殲滅させた。
それに対して第7銀河はかねてから研究していた素粒子じんじん砲を発射して第3銀河の第83643521惑星を真っ二つにした。
その後も超兵器が次々と使用され、両国の戦力は見る見るうちに削られていった。
その結果が宇宙レベルの絶滅だ。
面白いと言っては不謹慎だが──もっともそれが理由で僕を非難する人間などどこにもいないのだが──、この戦争の特徴として攻撃が次第に尻すぼみとなっていったことだ。
超兵器により相手の超兵器を機能不全に陥れたとしても、それに次ぐ兵器が投入されるからだ。
第3銀河に関していえば太陽ぷくぷく爆弾の次は月光レーザー、その次は宇宙戦艦に搭載されたぶるぶる重力砲、第7銀河では素粒子じんじん砲、原子どっかん弾、地対宇宙光速ミサイルと続いた。
自軍が損害を受けるにつれ次第に古い技術のものを使うほかなく、破壊力も低くなっていった。
互いの人口が宇宙船数隻分になるころにはなんと鉄砲やサーベルで戦いあっていて、僕が最後に目撃したのはこん棒での殴り合いだった。
さて、これからどうしようか。
僕は真っ暗な宇宙を見上げた。
すると後ろから物音がしたので僕は振り向いた。
そこにいたのは人間だった。
僕と同じくらいの年齢の男だった。
ただ一つ違うのは、彼は第7銀河の人間だということだ。
彼は僕を見てはっとした表情をしたので、彼もまた僕が第3銀河の人間だということがわかったのだろう。
彼の目は明らかにおびえていた。
僕も心臓が高鳴っていた。
こいつの同胞が僕の同胞9345兆人を殺したのだ。
だがそれは向こうだって同じだろう。
頭がぼーっと熱くなっていくのを感じていた。
それでもお互い一歩ずつ、ゆっくりと近づいていった。
僕も彼も手には何も持っていない。
超兵器から始まった第3銀河と第7銀河の戦争は最終的にはこん棒での戦いとなった。
ではその次、いや前は?
僕も彼も立ち止まった。
相手との距離はほんの1メートル。
ほんの一呼吸のうちに相手に手が届く。
僕は右手をゆっくりと持ち上げて……。
さて、これからどうしようか。
~・~・~・~・~
~感想~
全面戦争というお題でリアルな戦争を題材にするわけにもいかないので、SFにしました。
兵器の名前がギャグになってしまっていることはとにかく、兵器の威力が弱くなり、かつ、時代が遡っているということがまったくわからない文章になっていることは反省しています。
オチは手を差し出したところで終わるつまりだったのですが、段落の冒頭の一文を急遽挿入してみました。
それにしても語り手が一人だけ生き残ることができたことなどご都合が過ぎます。
ライブ配信にて三題噺を即興で書きました 第69回『堅苦しい 全面戦争 尻すぼみ』
の完成テキストです。
お題はガチャで決めました。
お題には傍点を振ってあります。
所要時間は約1時間でした。
詳しくは動画もご覧いただけたら幸いです。↓
https://www.youtube.com/watch?v=JjweDZKwk-I
↓使用させていただいたサイト↓
ランダム単語ガチャ
https://tango-gacha.com/
~・~・~・~・~
結論から言おう。
人類は僕を残して滅びたと言っていい。
宇宙をくまなく探せば僕のほかにまだ生き残りはいるかもしれないが、とりあえずは全滅だ。
今の僕の目の前には灰色の地平と真っ黒な宇宙しか見えない。
あれほど巨大で高度に管理された宇宙都市も、星間を振り子のように往復するスペースシップももうない。
文字通り塵となって消えた。
第3銀河と第7銀河が全面戦争を起こせばこうなってしまうことぐらい誰にだってわかりそうなものだった。
でも誰も止められなかった。
この戦争だって最初は堅苦しい外交の言葉から始まった。
やられたらやり返す。
この簡単かつ原始的なロジックを、星をも破壊する科学力をもった国同士が行えばその結末は破滅以外ない。
戦争が始まると、第3銀河は前世紀に開発された太陽ぷくぷく爆弾を使用して第7銀河の第3652348628艦隊を殲滅させた。
それに対して第7銀河はかねてから研究していた素粒子じんじん砲を発射して第3銀河の第83643521惑星を真っ二つにした。
その後も超兵器が次々と使用され、両国の戦力は見る見るうちに削られていった。
その結果が宇宙レベルの絶滅だ。
面白いと言っては不謹慎だが──もっともそれが理由で僕を非難する人間などどこにもいないのだが──、この戦争の特徴として攻撃が次第に尻すぼみとなっていったことだ。
超兵器により相手の超兵器を機能不全に陥れたとしても、それに次ぐ兵器が投入されるからだ。
第3銀河に関していえば太陽ぷくぷく爆弾の次は月光レーザー、その次は宇宙戦艦に搭載されたぶるぶる重力砲、第7銀河では素粒子じんじん砲、原子どっかん弾、地対宇宙光速ミサイルと続いた。
自軍が損害を受けるにつれ次第に古い技術のものを使うほかなく、破壊力も低くなっていった。
互いの人口が宇宙船数隻分になるころにはなんと鉄砲やサーベルで戦いあっていて、僕が最後に目撃したのはこん棒での殴り合いだった。
さて、これからどうしようか。
僕は真っ暗な宇宙を見上げた。
すると後ろから物音がしたので僕は振り向いた。
そこにいたのは人間だった。
僕と同じくらいの年齢の男だった。
ただ一つ違うのは、彼は第7銀河の人間だということだ。
彼は僕を見てはっとした表情をしたので、彼もまた僕が第3銀河の人間だということがわかったのだろう。
彼の目は明らかにおびえていた。
僕も心臓が高鳴っていた。
こいつの同胞が僕の同胞9345兆人を殺したのだ。
だがそれは向こうだって同じだろう。
頭がぼーっと熱くなっていくのを感じていた。
それでもお互い一歩ずつ、ゆっくりと近づいていった。
僕も彼も手には何も持っていない。
超兵器から始まった第3銀河と第7銀河の戦争は最終的にはこん棒での戦いとなった。
ではその次、いや前は?
僕も彼も立ち止まった。
相手との距離はほんの1メートル。
ほんの一呼吸のうちに相手に手が届く。
僕は右手をゆっくりと持ち上げて……。
さて、これからどうしようか。
~・~・~・~・~
~感想~
全面戦争というお題でリアルな戦争を題材にするわけにもいかないので、SFにしました。
兵器の名前がギャグになってしまっていることはとにかく、兵器の威力が弱くなり、かつ、時代が遡っているということがまったくわからない文章になっていることは反省しています。
オチは手を差し出したところで終わるつまりだったのですが、段落の冒頭の一文を急遽挿入してみました。
それにしても語り手が一人だけ生き残ることができたことなどご都合が過ぎます。
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