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第52回『鬼 焼く 脳内』
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ライブ配信にて三題噺を即興で書きました 第52回『鬼 焼く 脳内』
の完成テキストです。
お題はガチャで決めました。
お題には傍点を振ってあります。
所要時間は約1時間1分でした。
詳しくは動画もご覧いただけたら幸いです。↓
https://www.youtube.com/watch?v=ptuBe-iWAV4
↓使用させていただいたサイト↓
ランダム単語ガチャ
https://tango-gacha.com/
~・~・~・~・~
桃太郎の一行は船をこいでいました。
すると前の方に黒い岩だらけの大きな島が現れてきました。
桃太郎は言いました。
「さあ、とうとう鬼が島が見えてきたぞ。みんな準備はいいか?」
「いいワンっ。」
と、イヌが答えました。
「任せるキキっ。」
と、サルが答えました。
「がんばるケーンっ。」
と、キジが答えました。
彼らの心は一つになっていました。
彼らを結び付けているのは正義でした。
桃太郎は自分を愛情いっぱいに育ててくれた優しいおじいさんとおばあさんに恩返しをしたいといつも思っていました。
今までだって桃太郎は山仕事や家事のお手伝いをしてきましたし、おじいさんとおばあさんはそれで大喜びをしてくれました。
桃太郎はおじいさんが運べないくらいたくさんの薪を一度に運びました。
桃太郎が囲炉裏で料理をすると、おばあさんはおいしいおいしいと言って食べてくれました。
しかし桃太郎はこれだけでは満足しませんでした。
もっともっとおじいさんとおばあさんに恩返しをしたい、そう思っていました。
そこで桃太郎が思いついた恩返しが鬼退治だったのです。
なぜなら、鬼たちはいつも村にやってきては食べ物やお酒を奪っていくので、村人たちは大変困っていました。
鬼たちは体が大きくて力持ちです。
おまけに右手には大きな金棒を持っています。
鬼たちに逆らったら殺されてしまうので、村人たちはおとなしく鬼たちの言うことを聞いていました。
しかし村人たちの生活は苦しく、これ以上鬼たちの悪さを許すことはできません。
鬼たちをやっつけて村を平和にする、それが桃太郎の夢でした。
桃太郎とその一行は鬼が島にたどり着きました。
すると音を聞きつけたのか、それとも人間の匂いを嗅ぎつけたのか、島の向こうから次々と青い鬼が現れました。
手には金棒を持ち、ぶんぶんと振り回しています。
彼らは桃太郎たちを食べてしまうつもりでした。
桃太郎は刀を抜いて言いました。
「負けるもんか! 鬼たちめ、成敗してやる!」
桃太郎が先頭に立っていた鬼を一振りでやっつけると、イヌ、サルやキジも後に続きました。
「えい!」
桃太郎は鬼に刀を振るいました。
「ワンっ。」
イヌは鬼のお尻にかみつきました。
「キキっ。」
サルは鬼の顔をひっかきました。
「ケーンっ。」
キジは鬼の頭をつつきました。
長い長い戦いの末、桃太郎たちはとうとう鬼たちを全員やっつけました。
そこら中に鬼が倒れているので、島中が青いようでした。
「それじゃあ始めようか。」
「ワーン。」
「キキー。」
「ケーン。」
桃太郎の掛け声とともに、3匹は大喜びで鬼に飛びかかりました。
桃太郎も刀を出して鬼をさばき始めました。
日ごろからおばあさんのお手伝いをしていた桃太郎にとって料理なんてお手の物、たちまち鬼の皮むきは終わって、赤い鬼の肉がたくさんできました。
桃太郎はぐつぐつと沸いている鍋に次々と鬼の肉を入れて焼きました。
赤い肉がキツネ色になると、桃太郎はひょいと口に入れました。
「うん、うまい!」
イヌやサル、キジも次々と食べました。
「おいしいワンっ。」
「料理上手キキっ。」
「素材の味を生かしてるケーンっ。」
すると桃太郎は扇を広げて言いました。
「うむ! 我こそは日本一の桃太郎!」
「という紙芝居作ってきたから、今日園児たちの前でやろうと思ってるんだけど。」
「いや、あんたの脳内桃太郎怖すぎ。」
~・~・~・~・~
~感想~
紙芝居という設定のくせに時系列が飛んでます。
昔話を最初から語るわけにはいかず、また桃太郎が孝行するいい子だと描くために仕方なくこうなったのですが、おかげで苦労しました。
ライブ配信にて三題噺を即興で書きました 第52回『鬼 焼く 脳内』
の完成テキストです。
お題はガチャで決めました。
お題には傍点を振ってあります。
所要時間は約1時間1分でした。
詳しくは動画もご覧いただけたら幸いです。↓
https://www.youtube.com/watch?v=ptuBe-iWAV4
↓使用させていただいたサイト↓
ランダム単語ガチャ
https://tango-gacha.com/
~・~・~・~・~
桃太郎の一行は船をこいでいました。
すると前の方に黒い岩だらけの大きな島が現れてきました。
桃太郎は言いました。
「さあ、とうとう鬼が島が見えてきたぞ。みんな準備はいいか?」
「いいワンっ。」
と、イヌが答えました。
「任せるキキっ。」
と、サルが答えました。
「がんばるケーンっ。」
と、キジが答えました。
彼らの心は一つになっていました。
彼らを結び付けているのは正義でした。
桃太郎は自分を愛情いっぱいに育ててくれた優しいおじいさんとおばあさんに恩返しをしたいといつも思っていました。
今までだって桃太郎は山仕事や家事のお手伝いをしてきましたし、おじいさんとおばあさんはそれで大喜びをしてくれました。
桃太郎はおじいさんが運べないくらいたくさんの薪を一度に運びました。
桃太郎が囲炉裏で料理をすると、おばあさんはおいしいおいしいと言って食べてくれました。
しかし桃太郎はこれだけでは満足しませんでした。
もっともっとおじいさんとおばあさんに恩返しをしたい、そう思っていました。
そこで桃太郎が思いついた恩返しが鬼退治だったのです。
なぜなら、鬼たちはいつも村にやってきては食べ物やお酒を奪っていくので、村人たちは大変困っていました。
鬼たちは体が大きくて力持ちです。
おまけに右手には大きな金棒を持っています。
鬼たちに逆らったら殺されてしまうので、村人たちはおとなしく鬼たちの言うことを聞いていました。
しかし村人たちの生活は苦しく、これ以上鬼たちの悪さを許すことはできません。
鬼たちをやっつけて村を平和にする、それが桃太郎の夢でした。
桃太郎とその一行は鬼が島にたどり着きました。
すると音を聞きつけたのか、それとも人間の匂いを嗅ぎつけたのか、島の向こうから次々と青い鬼が現れました。
手には金棒を持ち、ぶんぶんと振り回しています。
彼らは桃太郎たちを食べてしまうつもりでした。
桃太郎は刀を抜いて言いました。
「負けるもんか! 鬼たちめ、成敗してやる!」
桃太郎が先頭に立っていた鬼を一振りでやっつけると、イヌ、サルやキジも後に続きました。
「えい!」
桃太郎は鬼に刀を振るいました。
「ワンっ。」
イヌは鬼のお尻にかみつきました。
「キキっ。」
サルは鬼の顔をひっかきました。
「ケーンっ。」
キジは鬼の頭をつつきました。
長い長い戦いの末、桃太郎たちはとうとう鬼たちを全員やっつけました。
そこら中に鬼が倒れているので、島中が青いようでした。
「それじゃあ始めようか。」
「ワーン。」
「キキー。」
「ケーン。」
桃太郎の掛け声とともに、3匹は大喜びで鬼に飛びかかりました。
桃太郎も刀を出して鬼をさばき始めました。
日ごろからおばあさんのお手伝いをしていた桃太郎にとって料理なんてお手の物、たちまち鬼の皮むきは終わって、赤い鬼の肉がたくさんできました。
桃太郎はぐつぐつと沸いている鍋に次々と鬼の肉を入れて焼きました。
赤い肉がキツネ色になると、桃太郎はひょいと口に入れました。
「うん、うまい!」
イヌやサル、キジも次々と食べました。
「おいしいワンっ。」
「料理上手キキっ。」
「素材の味を生かしてるケーンっ。」
すると桃太郎は扇を広げて言いました。
「うむ! 我こそは日本一の桃太郎!」
「という紙芝居作ってきたから、今日園児たちの前でやろうと思ってるんだけど。」
「いや、あんたの脳内桃太郎怖すぎ。」
~・~・~・~・~
~感想~
紙芝居という設定のくせに時系列が飛んでます。
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