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act15・偽物に愛を
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ワレリーからロロのいる場所を教えてもらったジュリアンは、早速ダルタニアンとシルヴィオを連れ、その場所へとやって来ていた。
「あれ、もう見つかっちゃった?」
柵に背を預け、いつもの調子でおちゃらけてみせるロロにジュリアンとダルタニアンは何だか、拍子抜けしてしまう。
「それにしても、よくここが分かったね」
「ワレリーさんに聞いたんだ」
「……ワレリー?」
ジュリアンの言葉にロロの目が見開かれる。そんなはずはないと言わんばかりに。
「どういう事?隊長くん。俺、そんな話聞いてないんだけど」
「話す必要はないと判断しただけだ」
「話す必要はない?……お前の基準で判断しないでくれる?」
ギロリとロロがシルヴィオを睨みつける。ピリピリとした空気は肌に刺さりそうな程攻撃的で、付き合いの長いダルタニアンでさえ、どうしていいか、分からないようだ。
「……どうして、トカゲくんに声をかけた?彼は馬鹿だから、こんな話すればついて来る。誰かを助けたいって、張り切って来るのは目に見えてる!それで、自分が苦しむ事になったとしても……」
誰かの為にこうも感情的になっているロロに、ジュリアンは改めて、ロロも人間なのだと思い知らされる。
「それは本人も承知の事だ」
「ふざけるな!」
ロロの声と共にブーツから漏れた冷気が床に鋭い氷の柱を生み出す。後少し、近くにいれば、あの氷に貫かれていたかと思うと、ゾッとしてしまう。
「ロロ、落ち着け!」
流石の事態にようやく、声を上げるダルタニアン。しかし、その声はロロには届かず、冷気は増すばかりだ。
「殺す気か、あの子を……!?」
激しい怒りを向けられているにも関わらず、シルヴィオの顔色は一切変わらない。ただ黙って、成り行きを見守っている。
――シルヴィオ、何を考えてるの……?
もし、ロロが本気で力を振るおうものなら、シルヴィオでも太刀打ち出来ないというのは、言わずもがなだ。最悪、艇が墜落するなんて事態にもなりかねない。考えれば、考える程、不穏な結末しか浮かばないジュリアンは、頭を振ると2人に視線を戻す。
「ワレリーの呪いについては、俺も副隊長も知っている。その代償についても」
「それでも、あの力が俺達には必要だ」。真っ直ぐにロロを見据え、凛とした表情でシルヴィオは言い放つ。
「彼の力は――誰も傷付かず、誰1人欠ける事なく、生還する為の鍵だ」
何を言っているかは理解出来ないが、その言葉に冷静さを取り戻したらしい、ロロの足元から冷気が止む。普段、感情的にならないからか、酷く疲れた顔のロロは鋭い目付きのまま、ジュリアンを見る。
「勇者くん、トカゲくんのとこまで案内してくれる?」
「おい、何を……」
「騎士くんは先に戻ってて。大丈夫、暴れたりはしないから」
ダルタニアンが何か言う前に捲し立てたロロは、ジュリアンの腕を掴むと、その場を後にしようとする。どうするべきかとシルヴィオに視線を投げれば、シルヴィオは頼んだと手を振っている。
――大丈夫なのかな……。
一抹の不安を胸に抱えたまま、ジュリアンはワレリーの部屋前へと辿り着く。すると、ロロは部屋前に置いてある札を忌まわしそうに蹴り飛ばした。
「ちょっ……、何して!?」
「なるほど……。こうも厳重にされてちゃ、気付かない訳だ」
バキッと板を思い切り踏み割れば、裏側に描かれていた魔法陣が光を失う。ワレリーの姿消しのマントと似たようなものらしく、この立て札のせいで、ロロはワレリーの事を認識出来なかったようだ。
「トカゲくん、いるんだろ」
手を使う事なく、足でドアをノックするロロに不安が更に募っていくジュリアン。何も起きないでくれと祈るばかりだが、そうは問屋が卸さないとはよく言ったもので――。
「今更、何の用だ?」
部屋から出て来たのは、ワレリーではなく、ルーファスだった。ロロに負けず劣らず、不機嫌そうなルーファスはロロを見るなり、大きな舌打ちをする。
――あぁ、もう最悪……。
「悪いけど、君には用がないんだ。トカゲくん、俺、ロロだよ~!」
「どの面下げて、んな事言ってんだ!」
ドンッと扉を勢いよく閉めるルーファス。その動作から中にワレリーがいるのだろうと察したロロは、腰に手を当て、ルーファスの出方を見る。
「ワレリーには会わせねぇ……!」
――戦闘になりそうな雰囲気……。
一触即発の空気にジュリアンが口を挟める訳もなく、廊下の端に避難するのが精一杯である。
「はい、そこまで」
そんな空気を切り裂くように叩かれた手の音と共に、1人の男が割って入る。見るからにモテそうな、整った顔立ちのその男は、チラリとジュリアンに視線をやると、ロロを抑えろと顎をしゃくる。
「こんな廊下で大の大人が喧嘩なんてしてんじゃねぇよ。ったく……」
「えっと、貴方は?」
「ジャンノット=モレッティ、しがない自警団団長だ。ジャンでいいぞ」
気さくに名乗るジャンノットは、爽やかに笑みを浮かべると、未だに険悪な2人に向き直る。
「悪いが、ワレリーは今疲れてるんだ。話なら出直してくれないか?」
ジャンノットの言葉にジュリアンは、先程出会ったワレリーの様子を思い出す。気だるそうに見えたのは、気の所為ではなかったようだ。
「お前もちょっとは落ち着きやがれ。お前がそんなんじゃ、ワレリーの気が休まんねぇだろ」
「ッチ……」
盛大な舌打ちをしたルーファスは、苛立ちに任せ、床を蹴る。
「……一つだけ聞きたい」
ロロがジャンノットの目を真っ直ぐに見て、言った。嫌な予感がした。ザワザワと心がざわつく感覚にジュリアンは無意識の内に自身の胸ぐらを掴んでいた。
「本当に彼の意思で、トカゲくん……ワレリーはここにいるの?」
ロロの問いにジャンノットは「そうだ」と短く返す。脅された訳でも、無理矢理連れて来られた訳でもないと。それを聞いたロロは、肩を竦めるとジュリアンの方に振り返る。いつものような優しい笑みならどれだけよかったか。その顔に浮かんでいた笑みはその他大勢に見せる、張り付いたポーカーフェイスだった。
「ロロ……?」
「ごめんね、勇者くん」
謝っている意味が分からない。その先を聞きたくないとジュリアンはフルフルと首を小さく振る。しかし、ロロは構わず張り付いたポーカーフェイスのまま、言葉を続けた。
「俺、パーティ抜ける」
「え……?」
ロロの一言にジュリアンは目を見開き、ジャンノット、ルーファスは眉間に皺を寄せる。
――嘘だ……。
こんなに早く見放されるとは思わなかった。ワレリーの話を聞いた時から、覚悟していたとはいえ、あまりに早すぎる展開にジュリアンの頭は回らない。
「これはもう、いらないね」
ロロの指が軽く振られると、ジュリアンの服のポケットからロロのパートナーカードが宙に浮き、ロロの手元へと返って行く。渡された時は強引だったというのに、返す時はあまりにも残酷だ。
――僕は……ワレリーの代わりだったんだ。
膝から崩れ落ちたジュリアンにジャンノットが駆け寄って来る。何か言っているようだが、今のジュリアンにその言葉を聞いている余裕はない。
――結局、ロロも僕を見てなかったんだ……。
両親の件から、誰も信じられないとジュリアンは人と関わる事を拒んでいた。でも、ロロのおかげで少しは信じてもいいのではないかと勘違いしてしまった。今までの事は全部、ロロがいたから上手くいっていただけで、ロロのお気に入りなんかじゃなければ、きっと何も出来ないままだっただろう。
――ロロ……。
いつか、あのポーカーフェイスの下にある、本当の顔が見たいと願っていた。それはロロからすれば、笑えもしない冗談だろう。何故なら、ロロは誰にも心を許していなかったのだから――。
「あれ、もう見つかっちゃった?」
柵に背を預け、いつもの調子でおちゃらけてみせるロロにジュリアンとダルタニアンは何だか、拍子抜けしてしまう。
「それにしても、よくここが分かったね」
「ワレリーさんに聞いたんだ」
「……ワレリー?」
ジュリアンの言葉にロロの目が見開かれる。そんなはずはないと言わんばかりに。
「どういう事?隊長くん。俺、そんな話聞いてないんだけど」
「話す必要はないと判断しただけだ」
「話す必要はない?……お前の基準で判断しないでくれる?」
ギロリとロロがシルヴィオを睨みつける。ピリピリとした空気は肌に刺さりそうな程攻撃的で、付き合いの長いダルタニアンでさえ、どうしていいか、分からないようだ。
「……どうして、トカゲくんに声をかけた?彼は馬鹿だから、こんな話すればついて来る。誰かを助けたいって、張り切って来るのは目に見えてる!それで、自分が苦しむ事になったとしても……」
誰かの為にこうも感情的になっているロロに、ジュリアンは改めて、ロロも人間なのだと思い知らされる。
「それは本人も承知の事だ」
「ふざけるな!」
ロロの声と共にブーツから漏れた冷気が床に鋭い氷の柱を生み出す。後少し、近くにいれば、あの氷に貫かれていたかと思うと、ゾッとしてしまう。
「ロロ、落ち着け!」
流石の事態にようやく、声を上げるダルタニアン。しかし、その声はロロには届かず、冷気は増すばかりだ。
「殺す気か、あの子を……!?」
激しい怒りを向けられているにも関わらず、シルヴィオの顔色は一切変わらない。ただ黙って、成り行きを見守っている。
――シルヴィオ、何を考えてるの……?
もし、ロロが本気で力を振るおうものなら、シルヴィオでも太刀打ち出来ないというのは、言わずもがなだ。最悪、艇が墜落するなんて事態にもなりかねない。考えれば、考える程、不穏な結末しか浮かばないジュリアンは、頭を振ると2人に視線を戻す。
「ワレリーの呪いについては、俺も副隊長も知っている。その代償についても」
「それでも、あの力が俺達には必要だ」。真っ直ぐにロロを見据え、凛とした表情でシルヴィオは言い放つ。
「彼の力は――誰も傷付かず、誰1人欠ける事なく、生還する為の鍵だ」
何を言っているかは理解出来ないが、その言葉に冷静さを取り戻したらしい、ロロの足元から冷気が止む。普段、感情的にならないからか、酷く疲れた顔のロロは鋭い目付きのまま、ジュリアンを見る。
「勇者くん、トカゲくんのとこまで案内してくれる?」
「おい、何を……」
「騎士くんは先に戻ってて。大丈夫、暴れたりはしないから」
ダルタニアンが何か言う前に捲し立てたロロは、ジュリアンの腕を掴むと、その場を後にしようとする。どうするべきかとシルヴィオに視線を投げれば、シルヴィオは頼んだと手を振っている。
――大丈夫なのかな……。
一抹の不安を胸に抱えたまま、ジュリアンはワレリーの部屋前へと辿り着く。すると、ロロは部屋前に置いてある札を忌まわしそうに蹴り飛ばした。
「ちょっ……、何して!?」
「なるほど……。こうも厳重にされてちゃ、気付かない訳だ」
バキッと板を思い切り踏み割れば、裏側に描かれていた魔法陣が光を失う。ワレリーの姿消しのマントと似たようなものらしく、この立て札のせいで、ロロはワレリーの事を認識出来なかったようだ。
「トカゲくん、いるんだろ」
手を使う事なく、足でドアをノックするロロに不安が更に募っていくジュリアン。何も起きないでくれと祈るばかりだが、そうは問屋が卸さないとはよく言ったもので――。
「今更、何の用だ?」
部屋から出て来たのは、ワレリーではなく、ルーファスだった。ロロに負けず劣らず、不機嫌そうなルーファスはロロを見るなり、大きな舌打ちをする。
――あぁ、もう最悪……。
「悪いけど、君には用がないんだ。トカゲくん、俺、ロロだよ~!」
「どの面下げて、んな事言ってんだ!」
ドンッと扉を勢いよく閉めるルーファス。その動作から中にワレリーがいるのだろうと察したロロは、腰に手を当て、ルーファスの出方を見る。
「ワレリーには会わせねぇ……!」
――戦闘になりそうな雰囲気……。
一触即発の空気にジュリアンが口を挟める訳もなく、廊下の端に避難するのが精一杯である。
「はい、そこまで」
そんな空気を切り裂くように叩かれた手の音と共に、1人の男が割って入る。見るからにモテそうな、整った顔立ちのその男は、チラリとジュリアンに視線をやると、ロロを抑えろと顎をしゃくる。
「こんな廊下で大の大人が喧嘩なんてしてんじゃねぇよ。ったく……」
「えっと、貴方は?」
「ジャンノット=モレッティ、しがない自警団団長だ。ジャンでいいぞ」
気さくに名乗るジャンノットは、爽やかに笑みを浮かべると、未だに険悪な2人に向き直る。
「悪いが、ワレリーは今疲れてるんだ。話なら出直してくれないか?」
ジャンノットの言葉にジュリアンは、先程出会ったワレリーの様子を思い出す。気だるそうに見えたのは、気の所為ではなかったようだ。
「お前もちょっとは落ち着きやがれ。お前がそんなんじゃ、ワレリーの気が休まんねぇだろ」
「ッチ……」
盛大な舌打ちをしたルーファスは、苛立ちに任せ、床を蹴る。
「……一つだけ聞きたい」
ロロがジャンノットの目を真っ直ぐに見て、言った。嫌な予感がした。ザワザワと心がざわつく感覚にジュリアンは無意識の内に自身の胸ぐらを掴んでいた。
「本当に彼の意思で、トカゲくん……ワレリーはここにいるの?」
ロロの問いにジャンノットは「そうだ」と短く返す。脅された訳でも、無理矢理連れて来られた訳でもないと。それを聞いたロロは、肩を竦めるとジュリアンの方に振り返る。いつものような優しい笑みならどれだけよかったか。その顔に浮かんでいた笑みはその他大勢に見せる、張り付いたポーカーフェイスだった。
「ロロ……?」
「ごめんね、勇者くん」
謝っている意味が分からない。その先を聞きたくないとジュリアンはフルフルと首を小さく振る。しかし、ロロは構わず張り付いたポーカーフェイスのまま、言葉を続けた。
「俺、パーティ抜ける」
「え……?」
ロロの一言にジュリアンは目を見開き、ジャンノット、ルーファスは眉間に皺を寄せる。
――嘘だ……。
こんなに早く見放されるとは思わなかった。ワレリーの話を聞いた時から、覚悟していたとはいえ、あまりに早すぎる展開にジュリアンの頭は回らない。
「これはもう、いらないね」
ロロの指が軽く振られると、ジュリアンの服のポケットからロロのパートナーカードが宙に浮き、ロロの手元へと返って行く。渡された時は強引だったというのに、返す時はあまりにも残酷だ。
――僕は……ワレリーの代わりだったんだ。
膝から崩れ落ちたジュリアンにジャンノットが駆け寄って来る。何か言っているようだが、今のジュリアンにその言葉を聞いている余裕はない。
――結局、ロロも僕を見てなかったんだ……。
両親の件から、誰も信じられないとジュリアンは人と関わる事を拒んでいた。でも、ロロのおかげで少しは信じてもいいのではないかと勘違いしてしまった。今までの事は全部、ロロがいたから上手くいっていただけで、ロロのお気に入りなんかじゃなければ、きっと何も出来ないままだっただろう。
――ロロ……。
いつか、あのポーカーフェイスの下にある、本当の顔が見たいと願っていた。それはロロからすれば、笑えもしない冗談だろう。何故なら、ロロは誰にも心を許していなかったのだから――。
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