色彩色盲

カミーユ R-35

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ヤバい状況

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バターン!!(勢いよく戸を開く音)
副会長は現場に着くや否や、勢いよく扉を開き中の現状を確認すると少し動揺した。
(不穏な空気の中、呑気に椅子に腰掛ける生徒と。机を挟んだ向かい側には、不機嫌そうに頬杖をつく生徒がいる。
副会長「コレはどういうことですか…」
動揺しつつも、とりあえず身構える副会長。
(この展開は予想していなかった…)

なぎ倒された机や椅子。 床に倒れ込み、鼻血を垂らしながらこちらを心底怯えたような目でコチラを見つめる被害者らしき者。

被害者「ふッ、副会長‼‼」
内心を悟られない様、毅然とした態度で。けれども息が詰まりそうでどうしても上手くいかない。
(正直言って怖い…。もう帰りたいです)

恐る恐る聞き返す。
副会長「だ、大丈夫ですか」
すると、縋る様な目で被害者の様な者が慌ててコチラに走って来た。

被害者「副会長ッ‼ 助けにきてくれたんですねッ⁉」

引き気味に「ええ、彼が呼んでくれたので…」とチラリと後ろに居るであろうボブAに視線を向けると、慌てて逸らされた。(おいッ‼⁉何故逸らすんですか⁉)
副会長は無言のまま、心の中でため息をついた。
(会長が面倒臭そうだったから私が勝手に出しゃばって出てきてしまったけど、コレって私ではなく、会長向けですよね……。ハァ…、出しゃばるんじゃなかった…)

あたふたし過ぎで、話しかけるタイミングを窺っている私に気づき、ふてぶてしく椅子に座っている生徒の一人が、鋭い目でコッチを見てきた。(目!目!目で私を殺す気ですか⁉)

ハルキ「何…」

慌てて顔を逸らし、「私は副会長ですッ!」と訳のわからない事を口に出していた。

ハルキ「だから?俺達に説教でもたれようって凝ったんか」

(コレが仕事ではなければ、こんな人達とは関わらずにいれたのに…)少しの後悔が、無意識に唇を噛んでいた。
無言で立ち尽くす副会長に興味を無くしたのか、それ以上何も言わずに、各々立ち上ると此処にはもう用が無いとばかりに教室を出て行こうとした。
一瞬だけ片方と目が合ったが、それも直ぐに逸らされ目の前素通りする。
このままじゃ不味いと思い、慌てて振り返り呼び止める。すると、案外素直に足を止めてくれた。

ハルキ「まだ何か用?」

咄嗟に掛けてしまったが、まだ考えていなかった言葉を必死に選ぶ。
副会長「こ、コレは立派な暴行です。速やかに私に付いて来るか、風紀委員会の方々が来るまで此処で待機するか……。どちらか好きな方を選ばせてあげます!」
(言ってやった)と思う反面、(少し偉そうだった?)とか思ったりして。ほんの少し優越感に浸る。


ハルキ「は?それ、俺等が素直に聞くと思う」

(ごもっともてす)それ以上の会話に困る。
相手は手慣れの不良、コッチはただのヘタレの素人。どっちが強いかなんて、目に見て分かる。
(でも私は、────……)
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