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『キジンの復活』編
第5話 ⑦
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そういえば、初めてアスカと出会った日にもこういうことがあったな。ライドを死なせたくなかった時だ。
あの時はなんか変な感じだったけど、今はなんか嬉しいかもな……
「ガウル! やっぱりダメよ。私達はまだこれからも一緒に旅を続けましょう。
続けたいのよ! だってまだ旅は始まったばかりじゃないっ!」
「アスカ。そりゃ、オレだって……」
「お、おい! あんたら、体が光っとるぞ!」
「へ……?」
オージンに言われて初めて気付いた。オレとアスカの体が白く輝きだしたのだ。
「あ。超必殺技、覚えたみたい」
「い、今かよ!」
ということは、なぜか上がらないと言ってたコミュレベルが上がったのか?
結局、きっかけはなんだったんだ?
「待てよ、それ打開策になるかも! 効果は!?」
「『一回の戦闘で一度だけ、あらゆる攻撃をHP残量一で耐える技』──その名も〈エンジェリック・レクイエム〉!」
天使の鎮魂歌? すごい縁起が悪そうな技名だ。耐えられる気がしないぞ。でも、その効果は──
「それだ!〈ディフェンダー〉とそれを使えば!」
「わかったわ!」
サアルの束縛魔法を破り、機界人は再び吠えて炎を放つ。〈紅焔〉の発動だ。
それに合わせてオレとアスカの声が重なる。
「〈ヒロイック・ディフェンダー〉!」
「〈エンジェリック・レクイエム〉!」
オレが張ったバリアが皆を炎から守る。その分、オレの体が焼ける。熱くて痛くて死にそうだ……
でも、数値化された体力で一だけ残って耐えるってどういう状態になるんだ? 死ぬのと変わらない気がするが。もう痛みさえ感じないよ……?
「あ……川の向こうで……死んだ父さんと母さんが……呼んでる……ぜ」
「ガウル!? やだ、ちょっと! 意地で生きなさい!」
んな無茶な──と思ってると、炎は収まり、オレは熱せられた金属の床にうつ伏せに倒れていた。
今ならわかる。朝食時、フライパンで焼かれる目玉焼きとベーコンのキモチが。
ソースとケチャップでお召し上がりください……
「ようやったガウル、しっかりしんさい。こいつは褒美じゃ!
単体大回復魔法──〈キュア・エンブレイス〉!」
ソースとケチャップが──じゃなくて、優しい癒しの輝きがオレの体を包む。それがオレの意識を引き戻す。
「──ハッ! 機界人は!?」
「みんなが助けてくれたガウルのために追撃してるわよ。
みんなの顔見てみなさいよ、とっても嬉しそうじゃない?」
シェルティもリゼもサアルも、真剣に、でも笑顔で機界人を攻撃し続けていた。
「……オレ、よかったよ。皆を守れて」
「私もよ? ガウル」
そして、オレの隣にはいつもの笑顔のアスカいてくれた。
「機界人の体が白に戻りかけとるな。最後は二人で決めんさい。ガウル、アスカ!」
「わかった。いくぜ、アスカ!」
「もちろんよ、ガウル!」
オレ達は機界人の前に立ち、英雄剣を構えた。
オレとアスカの旅はまだ終わらない。それを宣言するようにオレは叫ぶ。
「──〈ヒロイック・スラーッシュ〉!」
***
──静まりかえった部屋の床にゴトリと四角い金属の石が落ちた。
なんとか片手で拾い上げられるくらいの大きさそれを、オージンが軽々と持ち上げた。
「まさかホンマにやっちまうとはなぁ」
オレ達の攻撃の末に色が白に戻った機界人にオージンが何か魔法をかけたと思うと、機界人はその四角い石になってしまったのだ。
「捕縛……できたのか?」
「そうじゃ。あとは封印の首飾りを作り直しゃあ、また封印できる」
そのオージンの言葉に、ようやくオレ達は勝ったことを自覚する。それくらい呆然としていたんだ。
「ガウル、よかったわね。ホントにどうなるかと思ったわ、私」
「アスカ……。本当に勝てたんだな!」
アスカの笑顔も勝利を告げていた。オレも自然に笑いだし、サアル達からも歓喜の声があがる。
「俺達は勝てたのだな! よしっ!」
「やればできル。いつだってそうダ!」
「随分と疲れましたけどね。本当によかったです」
オレ達は安堵の空気に包まれる。でも、これからどうするのだろうか。勝利しても問題は解決ではない。
「機界人のこともだけど、オージンはどうするんだよ?」
「それはもちろん、ウニ風呂行きだろう?」
「なしてっ!? 儂、何も悪いことしとらんじゃん!」
サアルに激しくつっこんだあと、オージンは真顔で続ける。
「儂、あんたらについてくで?」
「いや、ついてきたってその格好はどうするんだよ」
「そうじゃな。まずは服をくれんか? そろそろカゼひきそうじゃし……」
「違うだろ! 裸なのも問題だが、その角と尻尾と肌の色!
人間じゃないのにどうやってついてくるんだよ!」
こんな奴を連れて帰ったら街中大騒ぎになってしまうだろう。しかし、オージンはヘラヘラ笑いだす。
「ああ、これな。これなら平気じゃ」
オージンがパチンと指を鳴らすと彼の体が光に包まれた。
その光が消える頃には角も尻尾もなくなり、肌の色も耳の形も人間と同じものになった。
「どえええっ!?」
オージンの変身に変な悲鳴をあげてのけぞるオレとサアル。
「これは人間に変身する技〈化身〉じゃ。これなら平気じゃろ?」
「そういえば人間に化けられる魔族がいたって……本当だったんだな」
最初はサアルのことを人間に化けた魔族の暗殺者だって勘違いしてたっけ。今じゃ笑い話だけど。
「ほんならこれからもよろしく」
「って、待て! 人間に化けられるからといって、なぜ自然と仲間になる流れなのだ!」
「これでもダメなん?」
「ダメだ! 俺は認めんっ!」
またサアルの強情っぱりが始まったか。すると、オージンは床にへたり込む。
「……ガウルに体をこんなキズモノにされたのに、一人では生きていけん体にされたのに……。
ヤルことやって済んだらポイなんか。ひどいのう、鬼じゃのう」
「聞こえが悪い言い方すんな!」
「ガウルさん。オージンさんに何したんですか……」
「シェルティ、いたよね? 見てたよね!?
オレ戦っただけだよ? なんでドン引きしてるのかなっ!?」
変態じゃないぞ。オレは! アスカはやっぱり隣で爆笑中。
「まあジョークはさておき、儂が居らんと封印し直せんじゃろ。あんたらだってヒーラー無しじゃ困るはずじゃけ。
儂がみんなの『癒しのお兄さん』になっちゃるわ」
「癒しのお兄さんって、お兄というか鬼だろ……
まあ、お前がいないと困るのは確かだけどさぁ」
なんだかんだでオレ達のために頑張ってくれたオージン。
悪い人じゃないのは確かだ。そもそも人間でもないけど……
「私はいいわよ。面白そうだし」
「お前な……、また面白さで決めようとする。アスカがいいなら誰も反対はしないだろうけど、ちゃんと責任持ってくれよ」
結局、アスカがオージンの仲間入りを認めてしまったから、サアルも当然賛成に変更。
シェルティとリゼは苦笑しつつも、元々反対ではなかったようでうなずいた。
「ほんなら改めまして。みんなの名はなんとなく聞いたけぇ。
アスカにガウルにシェルティにリゼに……えっと、そこの騎士は何じゃったかの?」
「サルだナ」
「サルか。変な名じゃの」
「違うわっ、サアルだ! リゼ、変な名をすり込むな!」
ホントに騒がしくて緊張感がないオレ達。さっきまで死闘を繰り広げてたのに、もう忘れそう……
「じゃあ儂もしっかり自己紹介しとくかの。儂はオージン。オージン・ウ──」
「ウ……?」
名乗ろうとして体を硬直させて言葉を詰まらせるオージン。
で、しばらく考え込んでから続ける。
「──オージン・T・ノールじゃ。よろしくの」
「なんで自分の名前を言うのに悩むんだよ……」
「気にせん気にせん! それよりさっさと大きな街に連れてってくれん? 早う封印の首飾りを作り直したいんよ」
「ならば王都に戻ろう。どのみち、陛下に報告せねばならぬしな。
しかし、鬼人よ! 少しでも妙な素振りを見せたら、即ウニ風呂行きだからな!」
「へいへい。角に銘じときます」
──こうしてオレ達は、『みんなの癒しの鬼ぃさん』の鬼人・オージンを仲間に加えて、機界人の脅威を退けた。
そして、少しアスカと仲良くなれたみたいだ。
足取り軽やかに王都に帰還することとなったが、問題は山積み。オレの旅はまだまだ終わりそうもないようだ。
それは辛くもあり嫌でもあり……いや、やっぱり嬉しいかな。
あの時はなんか変な感じだったけど、今はなんか嬉しいかもな……
「ガウル! やっぱりダメよ。私達はまだこれからも一緒に旅を続けましょう。
続けたいのよ! だってまだ旅は始まったばかりじゃないっ!」
「アスカ。そりゃ、オレだって……」
「お、おい! あんたら、体が光っとるぞ!」
「へ……?」
オージンに言われて初めて気付いた。オレとアスカの体が白く輝きだしたのだ。
「あ。超必殺技、覚えたみたい」
「い、今かよ!」
ということは、なぜか上がらないと言ってたコミュレベルが上がったのか?
結局、きっかけはなんだったんだ?
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「それだ!〈ディフェンダー〉とそれを使えば!」
「わかったわ!」
サアルの束縛魔法を破り、機界人は再び吠えて炎を放つ。〈紅焔〉の発動だ。
それに合わせてオレとアスカの声が重なる。
「〈ヒロイック・ディフェンダー〉!」
「〈エンジェリック・レクイエム〉!」
オレが張ったバリアが皆を炎から守る。その分、オレの体が焼ける。熱くて痛くて死にそうだ……
でも、数値化された体力で一だけ残って耐えるってどういう状態になるんだ? 死ぬのと変わらない気がするが。もう痛みさえ感じないよ……?
「あ……川の向こうで……死んだ父さんと母さんが……呼んでる……ぜ」
「ガウル!? やだ、ちょっと! 意地で生きなさい!」
んな無茶な──と思ってると、炎は収まり、オレは熱せられた金属の床にうつ伏せに倒れていた。
今ならわかる。朝食時、フライパンで焼かれる目玉焼きとベーコンのキモチが。
ソースとケチャップでお召し上がりください……
「ようやったガウル、しっかりしんさい。こいつは褒美じゃ!
単体大回復魔法──〈キュア・エンブレイス〉!」
ソースとケチャップが──じゃなくて、優しい癒しの輝きがオレの体を包む。それがオレの意識を引き戻す。
「──ハッ! 機界人は!?」
「みんなが助けてくれたガウルのために追撃してるわよ。
みんなの顔見てみなさいよ、とっても嬉しそうじゃない?」
シェルティもリゼもサアルも、真剣に、でも笑顔で機界人を攻撃し続けていた。
「……オレ、よかったよ。皆を守れて」
「私もよ? ガウル」
そして、オレの隣にはいつもの笑顔のアスカいてくれた。
「機界人の体が白に戻りかけとるな。最後は二人で決めんさい。ガウル、アスカ!」
「わかった。いくぜ、アスカ!」
「もちろんよ、ガウル!」
オレ達は機界人の前に立ち、英雄剣を構えた。
オレとアスカの旅はまだ終わらない。それを宣言するようにオレは叫ぶ。
「──〈ヒロイック・スラーッシュ〉!」
***
──静まりかえった部屋の床にゴトリと四角い金属の石が落ちた。
なんとか片手で拾い上げられるくらいの大きさそれを、オージンが軽々と持ち上げた。
「まさかホンマにやっちまうとはなぁ」
オレ達の攻撃の末に色が白に戻った機界人にオージンが何か魔法をかけたと思うと、機界人はその四角い石になってしまったのだ。
「捕縛……できたのか?」
「そうじゃ。あとは封印の首飾りを作り直しゃあ、また封印できる」
そのオージンの言葉に、ようやくオレ達は勝ったことを自覚する。それくらい呆然としていたんだ。
「ガウル、よかったわね。ホントにどうなるかと思ったわ、私」
「アスカ……。本当に勝てたんだな!」
アスカの笑顔も勝利を告げていた。オレも自然に笑いだし、サアル達からも歓喜の声があがる。
「俺達は勝てたのだな! よしっ!」
「やればできル。いつだってそうダ!」
「随分と疲れましたけどね。本当によかったです」
オレ達は安堵の空気に包まれる。でも、これからどうするのだろうか。勝利しても問題は解決ではない。
「機界人のこともだけど、オージンはどうするんだよ?」
「それはもちろん、ウニ風呂行きだろう?」
「なしてっ!? 儂、何も悪いことしとらんじゃん!」
サアルに激しくつっこんだあと、オージンは真顔で続ける。
「儂、あんたらについてくで?」
「いや、ついてきたってその格好はどうするんだよ」
「そうじゃな。まずは服をくれんか? そろそろカゼひきそうじゃし……」
「違うだろ! 裸なのも問題だが、その角と尻尾と肌の色!
人間じゃないのにどうやってついてくるんだよ!」
こんな奴を連れて帰ったら街中大騒ぎになってしまうだろう。しかし、オージンはヘラヘラ笑いだす。
「ああ、これな。これなら平気じゃ」
オージンがパチンと指を鳴らすと彼の体が光に包まれた。
その光が消える頃には角も尻尾もなくなり、肌の色も耳の形も人間と同じものになった。
「どえええっ!?」
オージンの変身に変な悲鳴をあげてのけぞるオレとサアル。
「これは人間に変身する技〈化身〉じゃ。これなら平気じゃろ?」
「そういえば人間に化けられる魔族がいたって……本当だったんだな」
最初はサアルのことを人間に化けた魔族の暗殺者だって勘違いしてたっけ。今じゃ笑い話だけど。
「ほんならこれからもよろしく」
「って、待て! 人間に化けられるからといって、なぜ自然と仲間になる流れなのだ!」
「これでもダメなん?」
「ダメだ! 俺は認めんっ!」
またサアルの強情っぱりが始まったか。すると、オージンは床にへたり込む。
「……ガウルに体をこんなキズモノにされたのに、一人では生きていけん体にされたのに……。
ヤルことやって済んだらポイなんか。ひどいのう、鬼じゃのう」
「聞こえが悪い言い方すんな!」
「ガウルさん。オージンさんに何したんですか……」
「シェルティ、いたよね? 見てたよね!?
オレ戦っただけだよ? なんでドン引きしてるのかなっ!?」
変態じゃないぞ。オレは! アスカはやっぱり隣で爆笑中。
「まあジョークはさておき、儂が居らんと封印し直せんじゃろ。あんたらだってヒーラー無しじゃ困るはずじゃけ。
儂がみんなの『癒しのお兄さん』になっちゃるわ」
「癒しのお兄さんって、お兄というか鬼だろ……
まあ、お前がいないと困るのは確かだけどさぁ」
なんだかんだでオレ達のために頑張ってくれたオージン。
悪い人じゃないのは確かだ。そもそも人間でもないけど……
「私はいいわよ。面白そうだし」
「お前な……、また面白さで決めようとする。アスカがいいなら誰も反対はしないだろうけど、ちゃんと責任持ってくれよ」
結局、アスカがオージンの仲間入りを認めてしまったから、サアルも当然賛成に変更。
シェルティとリゼは苦笑しつつも、元々反対ではなかったようでうなずいた。
「ほんなら改めまして。みんなの名はなんとなく聞いたけぇ。
アスカにガウルにシェルティにリゼに……えっと、そこの騎士は何じゃったかの?」
「サルだナ」
「サルか。変な名じゃの」
「違うわっ、サアルだ! リゼ、変な名をすり込むな!」
ホントに騒がしくて緊張感がないオレ達。さっきまで死闘を繰り広げてたのに、もう忘れそう……
「じゃあ儂もしっかり自己紹介しとくかの。儂はオージン。オージン・ウ──」
「ウ……?」
名乗ろうとして体を硬直させて言葉を詰まらせるオージン。
で、しばらく考え込んでから続ける。
「──オージン・T・ノールじゃ。よろしくの」
「なんで自分の名前を言うのに悩むんだよ……」
「気にせん気にせん! それよりさっさと大きな街に連れてってくれん? 早う封印の首飾りを作り直したいんよ」
「ならば王都に戻ろう。どのみち、陛下に報告せねばならぬしな。
しかし、鬼人よ! 少しでも妙な素振りを見せたら、即ウニ風呂行きだからな!」
「へいへい。角に銘じときます」
──こうしてオレ達は、『みんなの癒しの鬼ぃさん』の鬼人・オージンを仲間に加えて、機界人の脅威を退けた。
そして、少しアスカと仲良くなれたみたいだ。
足取り軽やかに王都に帰還することとなったが、問題は山積み。オレの旅はまだまだ終わりそうもないようだ。
それは辛くもあり嫌でもあり……いや、やっぱり嬉しいかな。
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