87 / 106
逃げろ
しおりを挟む
「はは、どうしたの、いきなりそんな風になって」
「どうでも良いでしょう、あなたには。
それに…その方があなたにも都合がいいのでは…」
「まぁ、ね。
ならあなたがそんな感じを変えてしまう前に…」
カーテンをすぐに閉め部屋を真っ暗にした後、ラークさんはベットにやってくる。
そしてまた私の体の上に乗ってきて顔を触ってくる。
「あの…はやくして貰えませんか?」
私の言葉に驚き、触る手を止めると、ふっ…と笑った後、私の唇を奪いにきた。
自分の欲望のままにラークさんは私の体を触り続けてきた。
そして…
「じゃあ、そろそろ」
ゆっくり足を触りつつドレスを捲り出してきた。
「…っ」
「ははっ、良い反応だね。ブライスにもそんな反応したんだろうねー」
何を言われても私は答えようとしなかった。
そんな事より早く終わってほしいと願っていた。
答えない私に対しラークさんは少し苛立ちを見せていたが、行為を続けてくる。
カチャカチャ…っとズボンに手を回し、いよいよとなった時、私は声を出した。
「…終わったら私は用済みでしょ?」
その言葉にラークさんはピタッと手を止めた。
「さぁ」
「私はあなたと暮らす気なんてない。
目的が私の体なら終わったら私を解放して」
「…嫌だね」
「なんで?あなたは私が目当てでしょ?
なら済んだら達成するはず。暮らすなんて私は出来ないし、する気なんてない」
「言ったはずだよ、僕の子を宿すって。
そうなったらここで暮らす以外あなたに選択肢はない。
なんでそんな拒むんだろうね、こんな場所で」
ラークさんは私を固定していた左手の縄を枕元に置いてあったナイフを使い切ると、グッと体を起こし、カーテンの外の景色を見せてきた。
「え…」
この家はすぐ後ろが崖になっており、すぐ下は大きく広がった海が見えた。
白波を立て何度も崖に打ち付ける波。
「分かっただろう?ここから逃げようなんて無理な話なんだよ」
私が今いる場所を分からせると再びベットに押し倒してきた。
「…なんでこんな場所に」
「もう黙ったら?我慢の限界を超えてるのが分からない?」
そして…ラークさんは私に迫り…。
満足したのか、ラークさんはベットの下の床で眠り出した。
それを見る私は切られ自由になった左手を使い、もう一度、窓の外を見た。
(街からはかなり離れているんだろうな…。それに…)
「んん…」
ラークさんの寝言が響き、直ぐに反応を見せた。
(ここにいたらずっとこの人のオモチャにされる…)
そう思った私は気付かれない様に無造作にベットに置かれたナイフを取り、右手の縄を切り始めた。
少しずつ縄の繊維が切れていく。
焦る気持ちと起きないで欲しいという気持ちが入り混じながら必死に縄を切っていった。
「後少し…」
必死に取ろうとした時に流れ出した血が縄にこびり付いていた。
そして、縄は切れ、私はようやく自由な身になった。
あとは逃げるだけ…。
ゆっくりベットから立ち上がると忍び足で扉へと向かっていった。
ラークさんはまだ眠ったままで、寝息を立てているのを確認すると、私は扉のノブを引き外へと逃げた。
「どうでも良いでしょう、あなたには。
それに…その方があなたにも都合がいいのでは…」
「まぁ、ね。
ならあなたがそんな感じを変えてしまう前に…」
カーテンをすぐに閉め部屋を真っ暗にした後、ラークさんはベットにやってくる。
そしてまた私の体の上に乗ってきて顔を触ってくる。
「あの…はやくして貰えませんか?」
私の言葉に驚き、触る手を止めると、ふっ…と笑った後、私の唇を奪いにきた。
自分の欲望のままにラークさんは私の体を触り続けてきた。
そして…
「じゃあ、そろそろ」
ゆっくり足を触りつつドレスを捲り出してきた。
「…っ」
「ははっ、良い反応だね。ブライスにもそんな反応したんだろうねー」
何を言われても私は答えようとしなかった。
そんな事より早く終わってほしいと願っていた。
答えない私に対しラークさんは少し苛立ちを見せていたが、行為を続けてくる。
カチャカチャ…っとズボンに手を回し、いよいよとなった時、私は声を出した。
「…終わったら私は用済みでしょ?」
その言葉にラークさんはピタッと手を止めた。
「さぁ」
「私はあなたと暮らす気なんてない。
目的が私の体なら終わったら私を解放して」
「…嫌だね」
「なんで?あなたは私が目当てでしょ?
なら済んだら達成するはず。暮らすなんて私は出来ないし、する気なんてない」
「言ったはずだよ、僕の子を宿すって。
そうなったらここで暮らす以外あなたに選択肢はない。
なんでそんな拒むんだろうね、こんな場所で」
ラークさんは私を固定していた左手の縄を枕元に置いてあったナイフを使い切ると、グッと体を起こし、カーテンの外の景色を見せてきた。
「え…」
この家はすぐ後ろが崖になっており、すぐ下は大きく広がった海が見えた。
白波を立て何度も崖に打ち付ける波。
「分かっただろう?ここから逃げようなんて無理な話なんだよ」
私が今いる場所を分からせると再びベットに押し倒してきた。
「…なんでこんな場所に」
「もう黙ったら?我慢の限界を超えてるのが分からない?」
そして…ラークさんは私に迫り…。
満足したのか、ラークさんはベットの下の床で眠り出した。
それを見る私は切られ自由になった左手を使い、もう一度、窓の外を見た。
(街からはかなり離れているんだろうな…。それに…)
「んん…」
ラークさんの寝言が響き、直ぐに反応を見せた。
(ここにいたらずっとこの人のオモチャにされる…)
そう思った私は気付かれない様に無造作にベットに置かれたナイフを取り、右手の縄を切り始めた。
少しずつ縄の繊維が切れていく。
焦る気持ちと起きないで欲しいという気持ちが入り混じながら必死に縄を切っていった。
「後少し…」
必死に取ろうとした時に流れ出した血が縄にこびり付いていた。
そして、縄は切れ、私はようやく自由な身になった。
あとは逃げるだけ…。
ゆっくりベットから立ち上がると忍び足で扉へと向かっていった。
ラークさんはまだ眠ったままで、寝息を立てているのを確認すると、私は扉のノブを引き外へと逃げた。
0
お気に入りに追加
128
あなたにおすすめの小説
5年も苦しんだのだから、もうスッキリ幸せになってもいいですよね?
gacchi
恋愛
13歳の学園入学時から5年、第一王子と婚約しているミレーヌは王子妃教育に疲れていた。好きでもない王子のために苦労する意味ってあるんでしょうか。
そんなミレーヌに王子は新しい恋人を連れて
「婚約解消してくれる?優しいミレーヌなら許してくれるよね?」
もう私、こんな婚約者忘れてスッキリ幸せになってもいいですよね?
3/5 1章完結しました。おまけの後、2章になります。
4/4 完結しました。奨励賞受賞ありがとうございました。
1章が書籍になりました。
このたび、あこがれ騎士さまの妻になりました。
若松だんご
恋愛
「リリー。アナタ、結婚なさい」
それは、ある日突然、おつかえする王妃さまからくだされた命令。
まるで、「そこの髪飾りと取って」とか、「窓を開けてちょうだい」みたいなノリで発せられた。
お相手は、王妃さまのかつての乳兄弟で護衛騎士、エディル・ロードリックさま。
わたしのあこがれの騎士さま。
だけど、ちょっと待って!! 結婚だなんて、いくらなんでもそれはイキナリすぎるっ!!
「アナタたちならお似合いだと思うんだけど?」
そう思うのは、王妃さまだけですよ、絶対。
「試しに、二人で暮らしなさい。これは命令です」
なーんて、王妃さまの命令で、エディルさまの妻(仮)になったわたし。
あこがれの騎士さまと一つ屋根の下だなんてっ!!
わたし、どうなっちゃうのっ!? 妻(仮)ライフ、ドキドキしすぎで心臓がもたないっ!!
【完結】元婚約者の次の婚約者は私の妹だそうです。ところでご存知ないでしょうが、妹は貴方の妹でもありますよ。
葉桜鹿乃
恋愛
あらぬ罪を着せられ婚約破棄を言い渡されたジュリア・スカーレット伯爵令嬢は、ある秘密を抱えていた。
それは、元婚約者モーガンが次の婚約者に望んだジュリアの妹マリアが、モーガンの実の妹でもある、という秘密だ。
本当ならば墓まで持っていくつもりだったが、ジュリアを婚約者にとモーガンの親友である第一王子フィリップが望んでくれた事で、ジュリアは真実を突きつける事を決める。
※エピローグにてひとまず完結ですが、疑問点があがっていた所や、具体的な姉妹に対する差など、サクサク読んでもらうのに削った所を(現在他作を書いているので不定期で)番外編で更新しますので、暫く連載中のままとさせていただきます。よろしくお願いします。
番外編に手が回らないため、一旦完結と致します。
(2021/02/07 02:00)
小説家になろう・カクヨムでも別名義にて連載を始めました。
恋愛及び全体1位ありがとうございます!
※感想の取り扱いについては近況ボードを参照ください。(10/27追記)
それは報われない恋のはずだった
ララ
恋愛
異母妹に全てを奪われた。‥‥ついには命までもーー。どうせ死ぬのなら最期くらい好きにしたっていいでしょう?
私には大好きな人がいる。幼いころの初恋。決して叶うことのない無謀な恋。
それはわかっていたから恐れ多くもこの気持ちを誰にも話すことはなかった。けれど‥‥死ぬと分かった今ならばもう何も怖いものなんてないわ。
忘れてくれたってかまわない。身勝手でしょう。でも許してね。これが最初で最後だから。あなたにこれ以上迷惑をかけることはないわ。
「幼き頃からあなたのことが好きでした。私の初恋です。本当に‥‥本当に大好きでした。ありがとう。そして‥‥さよなら。」
主人公 カミラ・フォーテール
異母妹 リリア・フォーテール
伝える前に振られてしまった私の恋
メカ喜楽直人
恋愛
母に連れられて行った王妃様とのお茶会の席を、ひとり抜け出したアーリーンは、幼馴染みと友人たちが歓談する場に出くわす。
そこで、ひとりの令息が婚約をしたのだと話し出した。
王妃の仕事なんて知りません、今から逃げます!
gacchi
恋愛
側妃を迎えるって、え?聞いてないよ?
王妃の仕事が大変でも頑張ってたのは、レオルドが好きだから。
国への責任感?そんなの無いよ。もういい。私、逃げるから!
12/16加筆修正したものをカクヨムに投稿しました。
ある王国の王室の物語
朝山みどり
恋愛
平和が続くある王国の一室で婚約者破棄を宣言された少女がいた。カップを持ったまま下を向いて無言の彼女を国王夫妻、侯爵夫妻、王太子、異母妹がじっと見つめた。
顔をあげた彼女はカップを皿に置くと、レモンパイに手を伸ばすと皿に取った。
それから
「承知しました」とだけ言った。
ゆっくりレモンパイを食べるとお茶のおかわりを注ぐように侍女に合図をした。
それからバウンドケーキに手を伸ばした。
カクヨムで公開したものに手を入れたものです。
会うたびに、貴方が嫌いになる
黒猫子猫(猫子猫)
恋愛
長身の王女レオーネは、侯爵家令息のアリエスに会うたびに惹かれた。だが、守り役に徹している彼が応えてくれたことはない。彼女が聖獣の力を持つために発情期を迎えた時も、身体を差し出して鎮めてくれこそしたが、その後も変わらず塩対応だ。悩むレオーネは、彼が自分とは正反対の可愛らしい令嬢と親しくしているのを目撃してしまう。優しく笑いかけ、「小さい方が良い」と褒めているのも聞いた。失恋という現実を受け入れるしかなかったレオーネは、二人の妨げになるまいと決意した。
アリエスは嫌そうに自分を遠ざけ始めたレオーネに、動揺を隠せなくなった。彼女が演技などではなく、本気でそう思っていると分かったからだ。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる