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逃げろ

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「はは、どうしたの、いきなりそんな風になって」

「どうでも良いでしょう、あなたには。
それに…その方があなたにも都合がいいのでは…」

「まぁ、ね。
ならあなたがそんな感じを変えてしまう前に…」

カーテンをすぐに閉め部屋を真っ暗にした後、ラークさんはベットにやってくる。
そしてまた私の体の上に乗ってきて顔を触ってくる。

「あの…はやくして貰えませんか?」

私の言葉に驚き、触る手を止めると、ふっ…と笑った後、私の唇を奪いにきた。

自分の欲望のままにラークさんは私の体を触り続けてきた。
そして…

「じゃあ、そろそろ」

ゆっくり足を触りつつドレスを捲り出してきた。

「…っ」

「ははっ、良い反応だね。ブライスにもそんな反応したんだろうねー」

何を言われても私は答えようとしなかった。
そんな事より早く終わってほしいと願っていた。
答えない私に対しラークさんは少し苛立ちを見せていたが、行為を続けてくる。

カチャカチャ…っとズボンに手を回し、いよいよとなった時、私は声を出した。

「…終わったら私は用済みでしょ?」

その言葉にラークさんはピタッと手を止めた。

「さぁ」

「私はあなたと暮らす気なんてない。
目的が私の体なら終わったら私を解放して」

「…嫌だね」

「なんで?あなたは私が目当てでしょ?
なら済んだら達成するはず。暮らすなんて私は出来ないし、する気なんてない」

「言ったはずだよ、僕の子を宿すって。
そうなったらここで暮らす以外あなたに選択肢はない。
なんでそんな拒むんだろうね、こんな場所で」

ラークさんは私を固定していた左手の縄を枕元に置いてあったナイフを使い切ると、グッと体を起こし、カーテンの外の景色を見せてきた。

「え…」

この家はすぐ後ろが崖になっており、すぐ下は大きく広がった海が見えた。
白波を立て何度も崖に打ち付ける波。

「分かっただろう?ここから逃げようなんて無理な話なんだよ」

私が今いる場所を分からせると再びベットに押し倒してきた。

「…なんでこんな場所に」

「もう黙ったら?我慢の限界を超えてるのが分からない?」

そして…ラークさんは私に迫り…。




満足したのか、ラークさんはベットの下の床で眠り出した。
それを見る私は切られ自由になった左手を使い、もう一度、窓の外を見た。

(街からはかなり離れているんだろうな…。それに…)

「んん…」

ラークさんの寝言が響き、直ぐに反応を見せた。

(ここにいたらずっとこの人のオモチャにされる…)

そう思った私は気付かれない様に無造作にベットに置かれたナイフを取り、右手の縄を切り始めた。
少しずつ縄の繊維が切れていく。
焦る気持ちと起きないで欲しいという気持ちが入り混じながら必死に縄を切っていった。

「後少し…」

必死に取ろうとした時に流れ出した血が縄にこびり付いていた。
そして、縄は切れ、私はようやく自由な身になった。

あとは逃げるだけ…。

ゆっくりベットから立ち上がると忍び足で扉へと向かっていった。
ラークさんはまだ眠ったままで、寝息を立てているのを確認すると、私は扉のノブを引き外へと逃げた。
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