皇帝陛下!私はただの専属給仕です!

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あの日の出来事

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「ちょ!陛下、いきなり…」
「違うの?お姉ちゃん?」
「え…いや、えっと…」
いきなりの母親宣言。
戸惑う私にアッサリと言うか実の母親より良いかのような発言をするアリス嬢。さらに早く答えろって顔をする陛下。
好き同士だとは思うが、母親の話はぶっ飛び過ぎており…。今の状況を脱するには、二つに一つしかないように思えた、が…。
「いつかは…です、アリス様」
「ふ~ん」
曖昧な発言をし、濁すしか無かった。

「お姉ちゃんなら新しいお母さんでもいいよ、色々作ってくれるし」

嬉しい言葉を言ってくれる…リース様は何も作らないんだろうか…妃だから給仕に任せっきりでもおかしくないからアリス嬢の言葉も変ではないのだが、子供に母親の味って意外と将来的に響くと言うから可哀想だとも感じた。

「アリス、マールと話がある。出て行きなさい」
「分かった」

パタパタと部屋を出て行くアリス嬢。残された私はこの後陛下に発言を叱られるのは目に見えている。
だから「ごめんなさい…」と先に謝っておいた。
「先に謝る奴がいるか!」と言われ、やはり…と思った。
だけど、「いつか…か」と少し悲しそうな顔を見せる陛下の胸を叩いた。
当たりどころが悪かったのか若干苦しそうにし、背中を丸めるから、少し近づいたら、手を掴まれ胸に引き寄せられた…。
「いつか…なのか?」
「まだ別れたばかりですよね。気持ちの切り替え早すぎます…もう少し…」
「無理だ…お前じゃないと…」
「嬉しいですが、待ってください…陛…」

ゆっくり体を私の方に体重を掛け、私を押し倒す形で床に倒した。
上から見下ろす陛下を下から見上げる私。
「ダメですよ、今何かしたら、本当に怒りますよ?」
「怒ればいい。俺はお前を…」
多分、迫る気しかしない…。こんな朝から、しかもまだ近くにアリス嬢がいるかもしれない状況なのに。
給仕が廊下を歩く音がする。
扉一枚を挟んで色んな人が動き回る中で私達は…。
「マール…」
顔が近づいてくる…もししたら私も止まらなくなる可能性がある…ダメだ、今は、絶対。
下から陛下の口を両手で塞いだ。
それでも無理やりしようと顔が近くに寄ってくる。
「陛下…今はダメ…後で」と後なら良いって含みを持たせた言い方をしてしまい、「後だな」と言う顔で納得したみたいに私から離れた。

「起こしてください」
「自分で起きろ。なにずっと床に寝てる」
「優しくないですね…あの日は優しかったのに…あっ」

つい、あの日の事を喋ってしまい、自分でも良かったと認めてしまう。マズいと思い、口を押さえたが、もう後の祭り。
目を陛下に向けると、やはりな、と言う顔をしていた。
引き起こされ、「もう一度言え」と迫るが、もう言いたくない。

そんなやり取りをしてると部屋の扉が開く。
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