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皇帝の死と隠された秘密③

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皇帝の死は交流ある国に伝わり、数日後葬儀が執り行なれた。
ハインリヒ皇帝やグレイ陛下など様々な面々が弔問に訪れ、故人を偲んでいた。
「カーブス、今回は…」とハインリヒ皇帝が陛下にお悔やみを言っている。
陛下は頭を下げ、来て頂いた事に感謝を述べ、目を伏している。
陛下の下には続々とお悔やみを言いに、人が列を成す。

「マール、少しこちらを手伝って下さい」
来て貰った方への心ばかりを渡しているミク専属長からの声だった。
一国の主が亡くなったのだからやはりかなり多くの人が来る。落ち着くまではまだ時間がかかりそうだ。


あれから時間も経ち、ようやく人の流れが収まってきた。
「今のうちに交代で休みをとって下さい」とミク専属長の言葉で、半数ずつ休みをいただく事にした。

「陛下もこれから大変ね…皇帝の位に付いたら交流ある国への遠征があるし」
「そうね…皇帝様も月の半数は王宮には居なかったからそれをこなさないといけないものね」
と、私が知らなかった情報を話しているのを横で聞きながら休みを取る。
月の半数は王宮には居ない…今は陛下と言う身分で皇帝の代わりに王宮を預かる為あまり外にはいかなかったんだと、察した。

これからはほとんど会えなくなるかもしれないと思ったら少し寂しさが生まれた。
「あれこれ作れ!」とか言われるのも徐々に減るんだなと…。

休みから交代すると弔問客の姿が無くなり、葬儀場には陛下や妃、宮廷で仕える者くらいになった。

「今回はご苦労だった。無事に父を送る事ができた」と労いの言葉を言う陛下は少し疲れからかやつれているように見えた。
「陛下、お疲れでしょうから、直ぐにお茶をお持ちします」とミク専属長は声を掛け、葬儀場を後にした。

私達給仕はしばし、待機となった。
 
陛下は亡くなった皇帝の棺の前で膝をつき、最後の別れをしているようだ…。
近くにはリース妃が陛下の肩に手を置いている。

ミク専属長がお茶を手に戻り、陛下や妃にもてなしている。
「ミク、今日はもういい、給仕達を戻せ」
「かしこまりました」
私達は陛下に一礼し、各部屋に戻っていく。が…

「マール、少し残って下さい」と私を引き止めるミク専属長。
何かやる事があるのだろうか…と思い、立ち止まっていると、陛下がこちらに歩いてくる。
「マール、悪いが、俺についてこい」と命令する。

言われるがまま、付いていくと、いつもの仕事部屋。
中に入ると、膝から崩れ落ちる陛下。
どういう事!と困惑する私に陛下は
「お前はアリスが好きか…?」と尋ねられた。
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