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宮廷専属給仕 (前)

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祝宴も進み、まもなくお開きになる時間に近づく。
私はこの祝宴が終わった後に陛下から審判を受ける形ではあったが、あれよあれよと宮廷での給仕を受ける事になり、雑用からは解放された。

そして…

「皆様、宴もたけなわでございますが、まもなく祝宴を終わらせて頂けたら幸いです。皆様のこれからのご発展をお祈りしています」

リース妃の挨拶も終わり、部屋の扉では陛下や妃が客人を見送っている。
しかし、グレイ陛下は物足りないのかアリス嬢とまだ部屋をウロウロと周り、余った料理などを摘んだりしているが
「グレイ、帰るぞ」
ハインリヒ皇帝に呼ばれ、一つ、二つを持ち、部屋を後にした。

「あ~あ、終わっちゃった」
アリス嬢もまた物足りないみたいで…。
おやつ用なのか、デザートを皿いっぱいに乗せ、陛下達の近くで頬張りながらふてくされていた。

「またすぐ開けば良い」と陛下がいうものだから
「絶対だよ!」と目をキラキラさせながら、また取りに行った…。

客人を全て見送り、部屋には陛下や妃、令嬢、
そして給仕達のみとなった。
「ミク、今回も良くやった」
「ありがとうございます、陛下。無事に終わりホッとしました。後は片付けをし、後ほどお茶をお持ちいたします」
「あぁ、頼む」

陛下達は部屋を出ていくが、アリス嬢が近づいてきた。
その手には更に増えているデザートがある…。
食べ切れるんだろうか…?

「お姉ちゃん、これから色々作ってね」
「分かりました、色々ですね」

そういうと、陛下達を追いかけて行った。


「どうやら陛下以外にも気にいられたみたいだね」
「みたいです、でも、私が宮廷でいいんですかね…」受けたが…正直、不安だ。

「まずは、片付けを手伝いなさい。まだまだ私達が終わるのは先です」
「はいっ」

皆で部屋の片付けをする。
部屋の一角にはケーキを少しだけ食べた皿がある。
喜んでくれた、かな…?

「マール、宮廷での給仕になるって?いいなぁ」
「そんなに宮廷での給仕って良い物ですか?」
「当たり前よ!今より豪華だし、服装も違うし、陛下に仕えれるなんて幸せだなぁ…」

そうかなぁ…私は豪華さより、食堂みたいな雰囲気が好きだけど。ワイワイガヤガヤしてる方が…。
かしこまるのはやっぱり私は苦手だな。
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