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一日の終わり
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小野さんを乗せたタクシーはあっという間に小さくなっていき、そして、俺の視界から消えた。
「……怒られなきゃ良いけどな」
真夜中に帰宅する小野さんの事を心配しつつ、俺は店へと戻っていった。
ーーーーーー
相変わらず店には客もおらず、シンとした状態が長く続いた。
いつもみたいに俺はスマホで動画を見ようと椅子に体を預け、足を組む。
笑い声を上げつつ、時には膝を叩き、スマホに向かって声を上げる。
だけど…。
何故か小野さんの事を思い出し、見ていた動画を消し、通っている『成徳高校』について検索をかけた。
「……なんだよ。どえらいエリートじゃねぇか」
検索して一番最初にヒットしたサイトにその高校はあった。
校長の顔が載り、学校の教育方針などをツラツラと語る文面。
そんな画面を下にスクロールしていくと、卒業生の進路先が載っていた。
そこには俺でも一度は聞いた事がある超有名大学の名前がびっしりと書かれ、事細かに進学した人数も書かれていた。
その中には小野さんが目指す医学部への進学人数もあった。
「こんな学校だったんだな……」
通っている学校の実態を知り、こんな環境じゃ息が詰まっても仕方ないよなと納得していく。
そんな時、テーブルにあった『あの』チョコが目に入る。
「忘れて行きやがった。……いや、違うか。俺が返すって言ったんだもんな」
盗もうとしたチョコを取ると、俺はそのチョコの包装をしばしみた後、破り、食った。
返すという約束を破り…。
その後、俺は夜間に搬入される商品を片しつつ、朝を迎えた。
もちろん、食っちまったチョコはあの後ちゃんとレジを通し、金を払った。
「おぉ、浩二。ご苦労さん」
朝7時、店のオーナーが姿を見せる。
「っす」
「……なんだ?元気ねぇぞ?」
丸顔でスキンヘッド、それに銀縁メガネでお腹が出たオヤジ。
白いポロシャツ、黒いズボン姿、足元は今の時代履くやつなんているのかって思える歩く度にカランカランと音を立てるサンダル。
これが、このコンビニのオーナー、遠藤さんだ。
「……眠いだけっす」
「わりぃな、本当に人集まらなくてよ~。お前だけが頼りなんだよ」
頼り、なんて言われるのはなんだか嬉しいが、俺はあまり責任なんて持ちたくない。
「なぁ、浩二」
「なんすか?」
「変わった事なかったよな?」
毎日聞いてくるその言葉。
いつもなら『ねぇっす』で終わり、そのまま帰るのだが、昨日は、あった。
でも俺は…。
「ねぇっすね」
嘘をついた。
でも、あれは未遂であって、犯罪が起こったわけじゃない。
もちろんモニターを確認されたら一発で分かってしまうが、オーナーはそんなチェックはしない。
それは不幸中の幸いだ。
「そうか、ならいい。……また今日も頼むな」
「っす」
俺は頭を掻きながら店を後にした。
「……怒られなきゃ良いけどな」
真夜中に帰宅する小野さんの事を心配しつつ、俺は店へと戻っていった。
ーーーーーー
相変わらず店には客もおらず、シンとした状態が長く続いた。
いつもみたいに俺はスマホで動画を見ようと椅子に体を預け、足を組む。
笑い声を上げつつ、時には膝を叩き、スマホに向かって声を上げる。
だけど…。
何故か小野さんの事を思い出し、見ていた動画を消し、通っている『成徳高校』について検索をかけた。
「……なんだよ。どえらいエリートじゃねぇか」
検索して一番最初にヒットしたサイトにその高校はあった。
校長の顔が載り、学校の教育方針などをツラツラと語る文面。
そんな画面を下にスクロールしていくと、卒業生の進路先が載っていた。
そこには俺でも一度は聞いた事がある超有名大学の名前がびっしりと書かれ、事細かに進学した人数も書かれていた。
その中には小野さんが目指す医学部への進学人数もあった。
「こんな学校だったんだな……」
通っている学校の実態を知り、こんな環境じゃ息が詰まっても仕方ないよなと納得していく。
そんな時、テーブルにあった『あの』チョコが目に入る。
「忘れて行きやがった。……いや、違うか。俺が返すって言ったんだもんな」
盗もうとしたチョコを取ると、俺はそのチョコの包装をしばしみた後、破り、食った。
返すという約束を破り…。
その後、俺は夜間に搬入される商品を片しつつ、朝を迎えた。
もちろん、食っちまったチョコはあの後ちゃんとレジを通し、金を払った。
「おぉ、浩二。ご苦労さん」
朝7時、店のオーナーが姿を見せる。
「っす」
「……なんだ?元気ねぇぞ?」
丸顔でスキンヘッド、それに銀縁メガネでお腹が出たオヤジ。
白いポロシャツ、黒いズボン姿、足元は今の時代履くやつなんているのかって思える歩く度にカランカランと音を立てるサンダル。
これが、このコンビニのオーナー、遠藤さんだ。
「……眠いだけっす」
「わりぃな、本当に人集まらなくてよ~。お前だけが頼りなんだよ」
頼り、なんて言われるのはなんだか嬉しいが、俺はあまり責任なんて持ちたくない。
「なぁ、浩二」
「なんすか?」
「変わった事なかったよな?」
毎日聞いてくるその言葉。
いつもなら『ねぇっす』で終わり、そのまま帰るのだが、昨日は、あった。
でも俺は…。
「ねぇっすね」
嘘をついた。
でも、あれは未遂であって、犯罪が起こったわけじゃない。
もちろんモニターを確認されたら一発で分かってしまうが、オーナーはそんなチェックはしない。
それは不幸中の幸いだ。
「そうか、ならいい。……また今日も頼むな」
「っす」
俺は頭を掻きながら店を後にした。
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