貴方に出会った幸せ〜人生初の恋〜

mock

文字の大きさ
70 / 75

修学旅行 最終日②

しおりを挟む
点滴を繋がれており、ベットからあまり動けずにいた。
ただ、ボンヤリと外を眺めていては、今日皆帰るんだなぁって思ってしまう。
帰る道中にあった思い出や、もしかしたら告白して付き合ったりしたりし始めた人もいるかも知れない。
藤原さんの翔太君に対する告白は無く、ホッとした部分も心の何処かにはあった。

でも、翔太君が連絡をくれない理由が見つからず、それだけが気がかりで堪らない…。
あれから一切連絡は無い。

綾や佐藤君から私の事聞いていると信じたい。
早く会いたい…。何故くれないの?連絡…。

ピリリリ…

思わず直ぐに画面も見ずに着信を取った。

「もしもし!」
「ビックリした、えりりん、早いよ」
「なんだ…あや、か…」
「ごめんね、翔太君じゃなくて」
「何?」
「伝言、翔太君から。明日退院だって聞いたから病院出たら連絡して、だって」
「なんで…翔太君、自分から言わないの?教えて、あや」
「今は少し話すのは辛い…って言ってたよ、詳しくは分からないけど、明日、連絡してね。じゃあ」


翔太君、何か隠してるのかな…。
話すのは辛いって何?
明日まで連絡したら迷惑って言われてるみたいでモヤモヤが一気に溜まってしまう。
綾から聞いた伝言を頭の中で解釈し、理解しようとしたけど、答えは出てこない。
まだ、時計は昼前で、ここから半日以上過ぎないと話せないもどかしさが心を締め付ける。

携帯で撮った写真を何気なく見ては、笑顔になるよりどうして…と呟いてしまう。
辛さからベットに頭を潜り込ませ、さらに体を丸く屈む感じにして、泣いた。
「話したい…、1分でいいから、声聞かせて…」
と願いながら。

気付くとそのまま寝ていたみたいで、点滴も終わったみたいだ。
終わりそうならナースコールを、と言われていたので慌てて押した。

「入りますよー」

看護師さんが素早く点滴を変え、ご飯どうするか聞いてくる。あまりお腹は空いてないが、食べない訳には、と思いお願いした。

「あの…」
「なんですか?」
「外、歩いていいですか?」
「んー…ちょっと先生に聞いてきますね」
そういうと、病室をパタパタと出て行った。

ずっと病室にいるとモヤモヤが晴れないと思い、外に行きたくなった。
天気も良く、日に当たりたい。憂鬱な気持ちが少しは変わると信じて…。

「中村さん、いいみたいです。ご飯置いときますね、食べたらゆっくり歩いて行ってくださいね」
「ありがとうございます」

目の前に出されたご飯を食べるが、やはりあまり食べれない。お腹がすいてないのと、考えすぎて箸が動かない…。
残してごめんなさい、って気持ちだったが、そのまま病室を出て、病院の外を歩き始めた。

周りには入院している人達だろう、お年寄りや介護する人などが談笑したり、孫と見られる子供と話している。
あんな風に私も翔太君と話したい…。
日が目に入ったのだろうか…ポロッと涙が出てきてしまった。
いや、違う…日のせいじゃない。

私はずっと男性を避けてきてる人生だった。
男性は怖い…怒ったりしたら手を出す。そうされた訳でもないのに心に刷り込まれていた。
でも…翔太君は違うと思う。いや、違ってくれるはず。
近くにいて、怖さや拒絶する気持ちが自分に出てこない家族以外で唯一の人な気がする。

多分これが、「好き」って事なんだと思う。

私は翔太君が好き…もう隠すとか逃げるんじゃない。

翔太君と付き合いたい。その先も一緒に…。
早く明日が来て…。来たら私は翔太君に人生初の告白をしよう。そう心に決めた。
しおりを挟む
感想 2

あなたにおすすめの小説

俺に抱かれる覚悟をしろ〜俺様御曹司の溺愛

ラヴ KAZU
恋愛
みゆは付き合う度に騙されて男性不信になり もう絶対に男性の言葉は信じないと決心した。 そんなある日会社の休憩室で一人の男性と出会う これが桂木廉也との出会いである。 廉也はみゆに信じられない程の愛情を注ぐ。 みゆは一瞬にして廉也と恋に落ちたが同じ過ちを犯してはいけないと廉也と距離を取ろうとする。 以前愛した御曹司龍司との別れ、それは会社役員に結婚を反対された為だった。 二人の恋の行方は……

靴屋の娘と三人のお兄様

こじまき
恋愛
靴屋の看板娘だったデイジーは、母親の再婚によってホークボロー伯爵令嬢になった。ホークボロー伯爵家の三兄弟、長男でいかにも堅物な軍人のアレン、次男でほとんど喋らない魔法使いのイーライ、三男でチャラい画家のカラバスはいずれ劣らぬキラッキラのイケメン揃い。平民出身のにわか伯爵令嬢とお兄様たちとのひとつ屋根の下生活。何も起こらないはずがない!? ※小説家になろうにも投稿しています。

【完結】地味な私と公爵様

ベル
恋愛
ラエル公爵。この学園でこの名を知らない人はいないでしょう。 端正な顔立ちに甘く低い声、時折見せる少年のような笑顔。誰もがその美しさに魅了され、女性なら誰もがラエル様との結婚を夢見てしまう。 そんな方が、平凡...いや、かなり地味で目立たない伯爵令嬢である私の婚約者だなんて一体誰が信じるでしょうか。 ...正直私も信じていません。 ラエル様が、私を溺愛しているなんて。 きっと、きっと、夢に違いありません。 お読みいただきありがとうございます。短編のつもりで書き始めましたが、意外と話が増えて長編に変更し、無事完結しました(*´-`)

隣の夫婦 ~離婚する、離婚しない、身近な夫婦の話

紫ゆかり
恋愛
オムニバス形式です。 理解し合って結婚したはずの梓、同級生との再会が思わぬことになる雅美、年下の夫のかつての妻に引け目を感じる千晴、昔の恋の後悔から前向きになれない志織。 大人の女性のストーリーです。

Sランクの年下旦那様は如何でしょうか?

キミノ
恋愛
 職場と自宅を往復するだけの枯れた生活を送っていた白石亜子(27)は、 帰宅途中に見知らぬイケメンの大谷匠に求婚される。  二日酔いで目覚めた亜子は、記憶の無いまま彼の妻になっていた。  彼は日本でもトップの大企業の御曹司で・・・。  無邪気に笑ったと思えば、大人の色気で翻弄してくる匠。戸惑いながらもお互いを知り、仲を深める日々を過ごしていた。 このまま、私は彼と生きていくんだ。 そう思っていた。 彼の心に住み付いて離れない存在を知るまでは。 「どうしようもなく好きだった人がいたんだ」  報われない想いを隠し切れない背中を見て、私はどうしたらいいの?  代わりでもいい。  それでも一緒にいられるなら。  そう思っていたけれど、そう思っていたかったけれど。  Sランクの年下旦那様に本気で愛されたいの。 ――――――――――――――― ページを捲ってみてください。 貴女の心にズンとくる重い愛を届けます。 【Sランクの男は如何でしょうか?】シリーズの匠編です。

10年引きこもりの私が外に出たら、御曹司の妻になりました

専業プウタ
恋愛
25歳の桜田未来は中学生から10年以上引きこもりだったが、2人暮らしの母親の死により外に出なくてはならなくなる。城ヶ崎冬馬は女遊びの激しい大手アパレルブランドの副社長。彼をストーカーから身を張って助けた事で未来は一時的に記憶喪失に陥る。冬馬はちょっとした興味から、未来は自分の恋人だったと偽る。冬馬は未来の純粋さと直向きさに惹かれていき、嘘が明らかになる日を恐れながらも未来の為に自分を変えていく。そして、未来は恐れもなくし、愛する人の胸に飛び込み夢を叶える扉を自ら開くのだった。

ヒ・ミ・ツ~許嫁は兄の親友~(旧:遠回りして気付いた想い)[完]

麻沙綺
恋愛
ごく普通の家庭で育っている女の子のはずが、実は……。 お兄ちゃんの親友に溺愛されるが、それを煩わしいとさえ感じてる主人公。いつしかそれが当たり前に……。 視線がコロコロ変わります。 なろうでもあげていますが、改稿しつつあげていきますので、なろうとは多少異なる部分もあると思いますが、宜しくお願い致します。

次期国王様の寵愛を受けるいじめられっこの私と没落していくいじめっこの貴族令嬢

さら
恋愛
 名門公爵家の娘・レティシアは、幼い頃から“地味で鈍くさい”と同級生たちに嘲られ、社交界では笑い者にされてきた。中でも、侯爵令嬢セリーヌによる陰湿ないじめは日常茶飯事。誰も彼女を助けず、婚約の話も破談となり、レティシアは「無能な令嬢」として居場所を失っていく。  しかし、そんな彼女に運命の転機が訪れた。  王立学園での舞踏会の夜、次期国王アレクシス殿下が突然、レティシアの手を取り――「君が、私の隣にふさわしい」と告げたのだ。  戸惑う彼女をよそに、殿下は一途な想いを示し続け、やがてレティシアは“王妃教育”を受けながら、自らの力で未来を切り開いていく。いじめられっこだった少女は、人々の声に耳を傾け、改革を導く“知恵ある王妃”へと成長していくのだった。  一方、他人を見下し続けてきたセリーヌは、過去の行いが明るみに出て家の地位を失い、婚約者にも見放されて没落していく――。

処理中です...