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その後の日常⑤

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藤原さんから日曜日12時なら大丈夫とメールの返信が来て、約束をする事になった。
綾以外と2人で出かけたりする事はほとんど無く、正直不安が大きい…。
それに今日話していた事も気になるので、これから会う日までモヤモヤする日が続きそうで憂鬱になりそうだなと考えた。

学校では修学旅行に関して色々と話し合ってる場面に遭遇する。
あれが行きたい!とか、そこは外したらダメでしょ!とか様々な声が聞こえてきて、高校最後の思い出を楽しい物にしたい!って伝わってくる。
もちろん私も良い思い出にしたいし、これを機にまた翔太君に近づけたら良いな…とも思ってる。
ただ、最近は藤原さんが翔太君の近くにいる時間が多く見られ、たまに目が合うと何か怖さを感じてしまう…。
私もメールして聞けば良いのかも知れないけど、どうも勇気が無いみたいで、直前で辞めてしまう。
「中村さん、旅行について話したいけど、良い?」
藤原さんから誘われ、また翔太君や他の男子を交えて話しをする。
「えっと、班が5人だけど、いつも一緒に行動しなくても半分ずつくらいに分けてお互いに行きたい場所に行くとかはどう?」
いきなり班を割り、別々に行動したいと言う藤原さん。他の男子は「いやいや、それはダメじゃない?」と返すが「だって、自由時間短いからゾロゾロ行くといけない場所出てくるし、私はそうしたいな」と。
藤原さんってわがままなんだなぁって私含め、周りはそう思ってる。
「中村さんはどう思う?」
同じ女性だからか、私に話を振ってきて、目で同意を求めている…。
「え、えっと…」なかなか答えない私を、眉間にシワを寄せ、睨む藤原さん…。

「僕はそれでも良いよ」

翔太君…。冷静に返してくれると思っていた人がまさか、同意するなんて…。
周りの男子も呆気に取られている様子で「マジかよ?」って返す。
「さすが、翔太君!じゃあ同意してくれたのは翔太君と私だから2人で回るね。文句は無いよね?だって他は嫌みたいだし」

チャイムが鳴り、席に戻る面々だが、藤原さん以外は納得出来てないみたいで。それより翔太君があんな事言うなんて思わなかった…。

「翔太君、一緒に帰ろ!」
「あ~、今日は友達と帰る約束してて、ごめんね」
「そっかぁ、残念だなぁ。あ、中村さん、一緒に帰らない?」
いきなり私を誘ってきた。今日に限って綾が来るのが遅い…。
いいから行こうと言って手を引かれクラスを出ていく事になり、つい、翔太君の方を見てしまった。
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