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その後の日常

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佐藤君のお姉さんが運転する車で帰宅する私と翔太君。
助手席に私が座り、右の後部座席に佐藤君。左に翔太君。後ろの席ではお互い相手を見ないように外を眺めている。
なんとも言えない空気の中、車内はお姉さんが好きな音楽だろうか、それが流れている。
「慎二、イケメン君の顔に傷があるけど、来たとき無かったからあんたがやったんじゃないでしょうね?」
「…さぁな。いいからねぇちゃん黙っててくんない?」
「…帰ったらちょっと話が必要ね」
姉弟間でのピリピリした空気がより車内の空気を深く、重くし、早く降りたい気持ちになった。
「あなたの家はどの辺?駅近いと言っていたけど…」
「あ、その次の信号を左に曲がってもらえたら直ぐです」
信号を左折し、路肩に止め、私は車を降りた。
「ありがとうございます、送って頂いて…」
深々とお辞儀をし、お礼を言うと「帰るまで気をつけて、だいぶ暗いから」と心配してもらい、その後2人を乗せた車は発進していった。
2人きりで帰ってるわけじゃないから多分大丈夫だと思うけど、その後を心配しながら私は家に向かった。

翌朝

いつもの様に学校に行くが、やっぱり昨日の出来事や帰りの事が心配になり、なかなか寝れなかったので寝不足気味だ。
「おはよ~、えり…え~、えりりんだよね!?髪どうしたの?なんで、なんで??」
急に髪が短くなった私に驚きを隠せず、動揺しまくりの綾がいる。綾にはお姉さんのことは言ってないからこんな風になり、驚くのは分かるけど驚きすぎだなぁって思った。
「え…髪切るって…やっぱり…あれ…?」
どうやら女性が髪を切る=失恋って事だと思うけど、私は違うから、なんて答えようか考えていたら
「大丈夫、他に沢山いるから」なんて言うから、ややこしくなる前に説明した。
分かりやすく丁寧に…。

「な~んだ、違うのかぁ、で、昨日はどうだった?さとしん、やっぱり迫ってきた?もしそうなら朝会ったら懲らしめないといけないから、で、どう?」
綾は佐藤君の病気の件は知らないと思うし、それを私が言うのは良くないので、迫られてもないし、大丈夫だと伝えると、安心したのか、翔太君の話にシフトしていった。
「じゃあ、翔太君はどうだった?やっぱり優しいからさとしんより翔太君が彼氏になったら良いよね~」
ピクッとしてしまった。綾の「彼氏」と言う言葉に反応して…。綾も勘が鋭い方だからあまり反応するのは良くないが、体が正直に反応してしまう。
綾もやはり感じたのか…はは~んって顔になり、私を見る。
「もしかして…翔太君に、こ…」
言いかける前に私は右手で綾の口を塞いだ。
「こ…○△□○☆□○△※…」
言わせない。絶対。こんな所で!
私は言わせない様に綾の口を塞ぐ、周りから見たら事件じゃないかと思われるくらい必死に…。
「ぷはっ、ちょっとえりりん、酷いよ。塞ぐのは。危うく窒息してしまいそうだったよ…」
「ごめん…でも」
そんなやり取りしてると佐藤君がやって来る。
ん?見ると右頬が赤い様な…。これは昨日お姉さんと一悶着あったんだなぁって想像出来た。

「えりちゃん、立花の口塞ぐのはまずくね?喧嘩?」
「いや、違う…これは」
「さとしん、あんた本当に昨日えりりんに迫ってないよね?」
さっき迫られてないと言ったはずだけど、相手を前にしたら聞かずにはいられないみたいだなぁ、綾は。
「は?迫ってねぇし、俺よりむしろ…」

「わーーーーーーーー」

周りがビックリするくらいの大声で佐藤君が次に言う言葉を遮った。
恥ずかしさよりバレるとマズい気持ちが勝ったから…。
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