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自分の無知
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返事を返そうとメールを打つ
だが
上手くメールが打てない
打っては消し、打っては消しを繰り返す
そんなことを繰り返していると下から声がする
「たかし、ご飯ー」
後で返そうとベッドに携帯を置き階段を降りる
階段を降りると同時に姉がバイトから帰ってきた
姉と目が合ったが、気まずく下を向く
「お腹空いたー、ご飯、何?」
そういいながら、俺を無視し、リビングに入る
姉も気まずいんだろう、そう言い聞かせ
リビングに入る
「カレーじゃん、やった」
「たかし、早く座りなさい」
無言で座る
俺の家に、父親はいない
俺が小さい時に、両親は離婚した
「いただきます!」
食べながら母親と姉はしゃべっている
俺はその輪に加わらずテレビを見ながら食べる
「あ」
姉が何か思い出したかのように声を出す
思わず顔をテレビから姉の方に向けた
「たかし、落ち着いた?」
姉の一言に、母親が俺を見る
「何かあったの?」
「いや、、、別に、、、」
「別に、、、じゃないでしょ、あんな大声で」
なんで今、それを言うんだって思った
母親は持っていたスプーンを置き、言う
「何があったか、いいなさい」
2人に責められるのは嫌だから黙っていた
そんな思いは通じず、姉が続ける
「受験、受験、うるさい!って言うんだよ」
「やっとそういう気持ちになったのね」
母親の一言は俺にとって意外だった
姉を擁護する言葉が来ると思っていたからだ
「あんたの事だから、近くの高校で良いとか
皆が行く所で構わないって思ったんでしょ」
ズバリなことを言われ更に黙る
やはり母親だ、全てお見通しなんだと
「あんたも良い友達持ったね
あと、きょうこちゃんも
さっき家を出ていくきょうこちゃん見たから
何か話したんでしょ?」
そういわれ、口を開く
「あぁ」
「あいつ、隣県の高校で学んで
看護師になりたい、っていってた
そんなに考えてるなんて、知らなかった」
「たける、りく、みつるだって
将来やろうとしてる事を考えてた」
「俺はそんな事少しも考えた事なかった」
気付くと俺は溜まっていた気持ちをぶつけていた
そんな俺の気持ちを聞いていた姉が話す
「きょうこちゃんが看護師になりたいのは
わたしは知っていたよ、それに
隣県の高校って、わたしの学校のとこだし」
「は?」
思わず聞き返してしまった
「あんたは知らなかったと思うけど
きょうこちゃんとやり取りしてるよ」
「なんで?」
「わたしの学校から看護学校行く人多いから
そういう情報とか就職とか知りたいんでしょ」
「ま、そういうわたしも看護師を目指してる」
「なんで、ねぇちゃん、看護師を?」
「お母さんが看護師だし、色々聞いてるうちに
やりがいがあるなぁって
もちろん嫌な部分も含めて」
いつも陽気な姉がこんなに考えていて
将来を見据えている
なんだかそれ以上聞きたくなかった
聞けばどんどん気持ちが沈みそうで
ご飯もそこそこに、リビングを後にした
だが
上手くメールが打てない
打っては消し、打っては消しを繰り返す
そんなことを繰り返していると下から声がする
「たかし、ご飯ー」
後で返そうとベッドに携帯を置き階段を降りる
階段を降りると同時に姉がバイトから帰ってきた
姉と目が合ったが、気まずく下を向く
「お腹空いたー、ご飯、何?」
そういいながら、俺を無視し、リビングに入る
姉も気まずいんだろう、そう言い聞かせ
リビングに入る
「カレーじゃん、やった」
「たかし、早く座りなさい」
無言で座る
俺の家に、父親はいない
俺が小さい時に、両親は離婚した
「いただきます!」
食べながら母親と姉はしゃべっている
俺はその輪に加わらずテレビを見ながら食べる
「あ」
姉が何か思い出したかのように声を出す
思わず顔をテレビから姉の方に向けた
「たかし、落ち着いた?」
姉の一言に、母親が俺を見る
「何かあったの?」
「いや、、、別に、、、」
「別に、、、じゃないでしょ、あんな大声で」
なんで今、それを言うんだって思った
母親は持っていたスプーンを置き、言う
「何があったか、いいなさい」
2人に責められるのは嫌だから黙っていた
そんな思いは通じず、姉が続ける
「受験、受験、うるさい!って言うんだよ」
「やっとそういう気持ちになったのね」
母親の一言は俺にとって意外だった
姉を擁護する言葉が来ると思っていたからだ
「あんたの事だから、近くの高校で良いとか
皆が行く所で構わないって思ったんでしょ」
ズバリなことを言われ更に黙る
やはり母親だ、全てお見通しなんだと
「あんたも良い友達持ったね
あと、きょうこちゃんも
さっき家を出ていくきょうこちゃん見たから
何か話したんでしょ?」
そういわれ、口を開く
「あぁ」
「あいつ、隣県の高校で学んで
看護師になりたい、っていってた
そんなに考えてるなんて、知らなかった」
「たける、りく、みつるだって
将来やろうとしてる事を考えてた」
「俺はそんな事少しも考えた事なかった」
気付くと俺は溜まっていた気持ちをぶつけていた
そんな俺の気持ちを聞いていた姉が話す
「きょうこちゃんが看護師になりたいのは
わたしは知っていたよ、それに
隣県の高校って、わたしの学校のとこだし」
「は?」
思わず聞き返してしまった
「あんたは知らなかったと思うけど
きょうこちゃんとやり取りしてるよ」
「なんで?」
「わたしの学校から看護学校行く人多いから
そういう情報とか就職とか知りたいんでしょ」
「ま、そういうわたしも看護師を目指してる」
「なんで、ねぇちゃん、看護師を?」
「お母さんが看護師だし、色々聞いてるうちに
やりがいがあるなぁって
もちろん嫌な部分も含めて」
いつも陽気な姉がこんなに考えていて
将来を見据えている
なんだかそれ以上聞きたくなかった
聞けばどんどん気持ちが沈みそうで
ご飯もそこそこに、リビングを後にした
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