陛下!私、好きな人が出来ちゃいました、だから私を諦めて下さい?!

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陛下の嫉妬心

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私の腕を掴み、ズンズンと王宮へと引き返していく陛下は怒ってる様子に見えた。
離さないようにさっきより強く腕を掴む。
「痛いです…陛下」といっても全く緩む感じはなく…ただ、前を見て進んでいく。

「あんな奴、相手にするな」
「えっ…」
分かった…陛下は嫉妬をしてるんだ…ニックさんに。
初めて会った数分で、私がニックさんに対する想いを感じ取ってしまったみたいた。
だからすぐ引き離し、少しでも一緒にいる時間を無くそうとしているんだと思った。

そのまま歩き続け、王宮に入る。
「おや、もうお帰りですか、陛下?」
「…」
「ただいま、ブラックさん…」
質問には答えず、剣幕な顔で私をずっと引っ張り歩く姿をブラックさんは堪らず止めた。
「陛下、お嬢様が嫌がってます、お止まりください」
「…」
聞こえないフリをしてそのまま無視をし、私の部屋に入っていった。

そして、ブンっと私の手を離し私の顔をジッと見つめる。その目は鋭く、嫉妬心よりも怒りだった。
たぶん陛下よりニックさんに気持ちがいってると分かってしまったからだと思う。
「あの行商、いつからだ?」
「まだ最近です…」
「本当だろうな?」
「本当です、信じてください」
やっぱり、疑っているんだなと確信した。
何か考えている陛下は、顎に手を置き、首をしきりに右、左と動かしている。
どうしましたか?と聞いても答えてくれない。
ただ、ずっとどうしたらいいか?と考えてるみたいに見えた。
「よし」と何か納得した感じで部屋を出ていった…。

一人残された私は、椅子に座りニックさんが住む方をただ、ずっと見ていた。
また、早く会いたいな…。
少しやつれていたから心配だなぁ、ちゃんと食べているんだろうか…ともう気持ちはニックさんでいっぱいだった。
そう思ったら、ニックさんなら素直に抱かれたい…とモヤモヤしてしまってる自分に気付いた。

こっそり夜…抜け出そうかな…
そうだ、そうしよう。夜なら暗闇に紛れればもしかしたらバレずに抜け出せるかも!と決心した。

バンッと先程、部屋を出た陛下が勢いよく扉を開け戻ってきた。
「ソマリア、あの行商はもう来ないからな」といきなり告げてきた。
「何故!?」
「単純だ、お前の父親にあいつの品は粗悪品だと言ったまでだ」
「なんでそんな事…酷いじゃないですか?見てもないのに、何故そんな事をしたんですか?!」
「何故?粗悪品を粗悪品といって何が悪い。あんなみすぼらしい鎧を他の国に付けていると見せつけるのか?恥ずかしい限りだな」

陛下が居ない時に私とニックさんが会う…と言う事がなによりも許せない感じなんだと直感した。
私の恋心を一瞬で見抜き、それを邪魔する。
王女であるが故に簡単には外にいけない事、行くにしても周りは護衛ばかり、なら王宮に来る人間をシャットアウトすれば、自分に心を戻せると考えたんだろう…。
私はこの人にはもうなびくつもりは無い…早く破棄したいと言わなければ、時ばかり過ぎて取り返しが付かなくなる。

「ソマリア、俺はお前しか見てない。だからお前も俺だけ見ろ、いいな?」
「…」
「何故黙る、黙る必要なんて無いはずだ!」

マズい…。このままの流れでは…。

ダンッと椅子から押し倒し、床に倒れた。
ソマリア!って怒鳴りつけられ、手を上げる素振りを見せた。
叩かれる…と思い、目を瞑り歯を食いしばった。
しかし陛下は叩く事はせず…私に覆い被った。
「ダメだ、他を見るな。俺だけの者になれ」といい、軽く震えている。
泣いている…?

傲慢な態度は変わらないが、私への一途さは変わらないのかも知れない。それは嬉しいとは思う。
ただ…飴と鞭みたいに使い分けてくるかも知れないと思うと、やはり陛下と一緒になるのはリスクが高いのかもしれない…。
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