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戦慄な出来事

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ザクッと剣が刺さった。

「ぐっ…」

「クロウさん!そんな、なんで…」

アランさんが迫った剣はクロウさんの胸を貫いていた…。
咄嗟に私を庇う形で抱きついていた。

口から血を吐き、その場に崩れ落ちるクロウさんを私はすぐに介抱した。
胸から流れる血はすぐに床を真っ赤に染め、クロウさんの周りを覆って行く。

「は、はは、ははははは!ざまあないな、クロウ!」

傷口を押さえる私は、アランさんを睨みつけ叫んだ。

「なんて馬鹿なの、あなたは!兄に手を出すなんて!」

「なんとでも言え。さぁ、立て!こっちにくるんだ」

「やめて!離して!」

強引に私をクロウさんから引き剥がし、ベットへと引きずって行く。
そして、ベットに私を放り投げると、すぐに私に迫ってきた。

「いや!やめて!離して!」

左腕は痛くてどうにもならず、体をジタバタさせたり、動く右手や両足で必死に抵抗した。
しかし、アランさんは私のドレスをビリっと破り更に迫ってくる。

「初めからこうやっていれば良かったな」

不気味に笑い、行為を始めようとしてくる。

「やだ~、やめて!たすけ…」

ドスっと言う音と共にアランさんのお腹から剣が見えた。

「な、なに…」

クロウさんだった…。

血を吐きながら力を振り絞り私を助けようとしていた。

「アラン、お前にあやかを触れさす訳にはいかない。
道連れだ」

「く…お、おま…」

ガハッと私の顔に血を吐き、アランさんはベットに俯した。

二人の出来事を見ていた私はその場から動けずにいた。
でも、クロウさんがベットにいる私に話しかける。

「あやか…好きだった…」

そう言い残しクロウさんもその場に倒れた。

「嫌だ…ねぇ、起きてよ…ねぇってば!」

話しかける私の問いかけtに一切反応を見せないクロウさんを何度も何度も揺すりだす。
でも一向に起き上がろうとはしていなかった。

「ねぇ!起きてよ、あなた!?」

私は初めてクロウさんを『あなた』と叫んだ。

騒ぎを聞きつけこちらにきたのはマリーさんだった。

「な…なにこれ…」

部屋に広がる血とその中にいる私。
すぐに私に問い詰めるが、そんな事お構いなしにクロウさんの事を呼び続けていた。

「うるさい!死んじゃう、クロウさんが。早く医師を呼んで!早く!?」

私の形相に慄き、また部屋を出たマリーさんは医師を呼びに向かった。

「あ…や…」

「クロウさん!」

「もう俺はダメ…だ…。はやく…逃げ…」

「やだ!すぐに診てもらうから、しゃべら…」

「いいから逃げろ、この状況ではお前がやった事になる。そうしたら断罪だ…お願い…」

私の手をギュッと握り最後のお願いをしてクロウさんは息を引き取った。


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