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私が知りたい事

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私の顔見て言う。

「あやか、俺の妻になってくれないか?」

突然のプロポーズだった…。
こんなタイミングで、と思ったが顔は本気だ。

「…今は妻ですよ。役とはいえ」

「違う!役なんかじゃなく、この先もずっとだ」

「…」

いきなり言われ、思考が止まってしまった。
好意を持ってくれるのは本当にありがたいが、
相手は普通の人ではなく、一国の王子。
それもいずれはこの国を背負っていく王となろうとしている人だ。
そんな人の妻になる。
それは国のお姫様、王妃になると言う事だ。
とてもじゃないがそんな大役は私には荷が重すぎる。

「あやか…」

クロウさんは早く返事が欲しいのか急かしてくる。

「あ…あの…」

なかなか答えない私を少しイラッとしている様子でもあるが、必死に言うのを待ってるみたいだった。

「私には無理です…国を担う人の妻になるなんて。
今日一日でさえやり遂げれない人がこれからもずっとなんて…」

「いや、お前でしか婚姻を結ぶつもりはない」

「何故ですか…?やはり私がシャーロットさんに似ているからですか?それなら前にも言いましたよね…」

「違う!シャーロットは関係ない。
俺はお前が隣にいて欲しいんだ。代わりでもなんでもなく、ただお前がいれば十分だ」

私と結婚したい。
そんな気持ちを全面に出してくれるクロウさんに私は…。


「はははっ、お前には無理だ。クロウ」

扉を開ける音もしなかった。
いや、気付かないほどお互いにこの話し合いに真剣だった。

「アラン…」

いたのはアランさんだった。
しかも普段は身につけていることは無かった剣を携えている事がすぐに目についた。

「何にしに来た?それに俺には無理だ、とはどういう意味だ?」

「簡単さ。君はシャーロットを忘れていない。
無理だよな、あんなに必死な相手だったから忘れるなんて無理だ。
そんなお前に似ているだけのあやかさんなんて
幸せには出来ないって事」

私はシャーロットさんの事はほとんど知らない。
だからアランさんがいうクロウさんの昔話を私は聞かずにはいられなかった。

「…シャーロットの事はもういい。忘れた」

「嘘だね!忘れるなんて無理だ!君の心にはずっといるはずだ。…あやかさんだって知りたいはずさ、なんでここまで必死なのかをね」

ちらりと私も見て、ニヤっと笑う。
そんな顔を見せるアランさんを避け、顔を背けた。

そして、私が知らないシャーロットさんの事をおもむろに話し始めた。
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